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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

昭和の黒い霧・松本清張NO.55・・・ドラマ「事故」(出演:松原智恵子/テレビ朝日)

2010-01-07 | 松本清張
■放送:1982年6月5日・テレビ朝日
■監督:富本壮吉
■出演:松原智恵子、山口崇、宮下順子、仲谷昇、伊佐山ひろ子、他

1982年にテレビドラマ化された松本清張の「事故」を見ました。クライアントの女性に魔が差して関係を持ってしまい、それがきっかけで人生を転落していってしまう探偵を演じるは山口崇。世間知らずで愛に生きてしまい命まで投げ打ってしまうことになる女・山西勝子に松原智恵子が演じています。概ねドラマは原作に忠実に展開していくますが、山口演じる田中幸雄に利用される同じく探偵(調査員)を宮下順子が演じるのですが、ノロまでトンマという設定なのでこれが可哀想なくらいダサい格好をさせられていました。これでもかといわんばかりにです。つまり、画面でみて一目瞭然の人物の性格付けなのです。もし映像作品に映し出す画面が記号の集積として語られるならば、宮下順子が演じた外見はまさしく、ノロまでトンマを直ぐに想起させるルックスであります。それはまた一方で極端な性格をしているんではないか?と逆の意味での性格付けをなされるわけです。もう少し服に気を使えばいいのに…とか、あそこまでの女性はいないよ…とか、見ている側は彼女を見て思うからです。中庸な価値観の外にいる女性と捉えるため、熱心に調査をしていてそれが実は騙されていたと知るときの女の怒りを

想像するとゾッとさせられるわけです。それはスティーヴン・キングの「ミザリー」を思い出させる女性とも云えるかもしれません。ただこの場合は、彼女の従順さが全面にでており、仕事に忠実であろうとして、これまた男に騙されてあっけなく殺されてしまうのですが…。このドラマを見ていて思い出したのは、かなり前に「鏡の法則」という本について書いたことがあることです。つまり目の前に起こることは自分自身に源泉があるということ。田中幸雄が感じた恐怖は実は自身の映し鏡(自分の感情を相手に投影している)にほかならず、その恐怖は自分自身の中にあったと見ることができるでしょう。犯罪は意志の強度によって起こり得る、としておきましょうか。

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