チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ムクロジの木 枇杷の木 

2016年02月11日 | 日々のこと

曇り、16度、87%

 母が一人で住んでいた頃、日本の家の庭は荒れ放題になっていました。木は大きく徒長し、手入れがされていない原生林のような有様でした。雨樋は落ち葉で痛んでいます。一番厄介なのは、家に陽がささなくなっていました。はっきりいってどう手を付けたらいいか分かりません。そこで、家の改築に当たり造園を専門にしているところに頼みました。大まかな希望は伝えてありますが、どの木をどう残すかはお任せしました。

 私は家の庭にどんな木があったのか正確には覚えていません。くちなしの木や金柑の木はとうの昔に姿を消しています。木が切られ、風通しも陽当たりも良くなった庭を見たときは、すっきりしたことよりも木を切ってしまったことに胸が痛みました。大きな切り株が残っています。そんな庭を見ながら木の名前が分かるのはほんの数本でした。

 昨年12月に帰った時、前庭の一本の木は葉を落として、実を付けています。玄関の前にはその実がこぼれていました。 柿色の蝋のような実です。何の実だろう?庭を掃除しながら見上げます。 それっきり忘れていました。

 先日帰った時も玄関の前にこの実が落ちていました。知らずに踏んでしまったら、中から黒い種が出て来ました。 しゃがんでよく見ます。何かに似ています。何だろう?そうです、羽根突きの羽のしっぽについているあの黒い玉。

 ムクロジというのだそうです。つまりムクロジの木です。ずっとこの木は前庭にありました。秋になると落ち葉が多くて、道も塀の中もムクロジの落ち葉っぱでいっぱいになります。でも、この実を見たことがありませんでした。玄関の前にこの実が落ちてることもありませんでした。玄関前までには他の木が数本ありましたから、飛んで来ることもなかった訳です。木を見上げて思います、木姿もさほど良くないこの木を何故造園の方は残したのか不思議です。

 裏庭には切られるはずだった枇杷の木を残してもらいました。枇杷は寒い最中に地味な花を付けます。二階のデッキから見るともう実を付けていました。この琵琶も大きな木の日陰にあった物ですから、木姿が貧弱です。昨年から思う存分日を浴びています。大きな枇杷の実を付けてくれると思います。

 狭い庭ですが、家を取り巻くように四面に庭があります。一面だけはまだ手を付けていません。そこには梅の木があります。この梅の木は亡くなった母の話では、池の横にあった古い今は枯れてしまった梅の木の実が落ちで大きくなった梅だそうです。つまり実生の梅の木です。白梅の莟が付いていました。小雨が降る中、この白梅に鶯が数羽群れています。いい風情です。もうしばらくすると、花がほころびいい香りを放つはずです。

 切ってしまった木のことを思い胸が痛んだこともありました。ずっとあったのに名前も知らない木に会う事が出来ました。残った木たちとこれからは仲良くして行きたいと思います。木姿が悪いなんて構いません。そこに長いこといてくれただけであり難い。時間を作って、残った木一本一本に、話しかけてやろうと思います。

コメント
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