曇り、9度、64%
先月末、気がかりなことが多くてふと気が付くと町中が赤一色になっています。やっと、あと一週間で旧正月だと気が付きます。中華圏にとって、ほんとのお正月です。お店も締まります。食料品の買い溜めもしなくてはいけません。香港が一番静かな時間を迎えるのが旧正月です。
お祝いには赤い色。結婚式のお嫁さんの衣装も赤です。白は中華圏ではお葬式の色。赤い大きな提灯が建物の入り口を飾ります。初めてこの旧正月を香港で迎えた時、この赤い色がとても気に障りました。お祝いの言葉を書いた貼り紙も赤です。利是と呼ばれるお年玉を入れる袋も赤。挙げ句に下着まで赤を着るのだそうです。
数十年、この赤い色に馴染んできました。赤い提灯に灯が入ると、嫌が上でも町は明るくなります。それなのに、赤い提灯を見ると寂しい気持ちになることがありました。以前は、この旧正月のお休みが2週間、3週間と続きました。日本も昔そうだったのと同じです。お店が長く締まるこの季節、町は静かになりますが私は寂しく感じていました。流石にここ10年は、どんなに長く休むお店でも10日です。旧正月の寂しさが私の中から消えて行きました。でも、日本人ですからお正月は暦通りのお正月。旧正月をお祝いとは思えずにいます。
赤い提灯に灯が入ると、写真では白く写ります。こうして見るときれいな眺めです。日本の注連縄、門松とは、全く趣が違うお正月の飾りです。桃の木、金柑の植木鉢、黄色い菊の花。香港の旧正月、やっと身に沁みて来ました。