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香港の市場にある肉屋や魚屋に、店を開けてすぐの時間に行くと、おじさんたちあの大きな中華包丁で、木の切り株のまな板の表面を削っています。それから、次は日本の砥石の大きいもので、包丁研ぎます。さて、これで開店準備完了です。香港に来た当初、まだ30代にはいったばかりの私は、何でまな板の表面を削っているのか解りませんでした。
このカッティングボードは、40年近く前、自炊するようになってかったまな板です。イギリスのもので合板です。このまな板と小さな果物ナイフで、私の台所仕事は始まりました。
この木のカッティングボードは、家人が結婚前から使っているチーズ用の小振りなものです。
結婚当初は、この2枚のカッティングボードが、私のまな板でした。その後、あの真っ白な合成樹脂で出来たまな板を求めました。漂白も出来ます、重みもあっていい使い勝手でした。魚や肉用と野菜用、2枚持っていたこともあります。
15年ほど前でしょうか、急にプラスチック製品が嫌になり出した頃があります。見回せばプラスチックのものは台所に集中しています。白いまな板2枚なんて、大いに目につくわけです。タッパウェアーも最小限にしました。まな板2枚は、これも始末しました。さて、始末してから、新しいまな板を探しに出かけました。
市場の雑貨屋に行けば、木の切り株のまな板と一緒に、遅ればせながら合成樹脂のまな板も出始めていました。丸い木を切っただけのまな板を前に考えました。香港にいるのだから、一度はこれを使ってみようかな?直径25センチほどです。でも、使い慣れた長方形のまな板を探すことにしました。
たまたま行った無印良品で見つけたのが、 このまな板。何の木だったか忘れましたが、買った初めは木の香りがしていました。以来、料理用のまな板は、こちらにお世話になってます。写真でも解るように、よく使う中央部分は、色も違っています。当然木ですから、この白っぽい部分は、やや窪んでいます。この少し窪んでいるところで、小ネギを切っても、うまく最後まで刃が入りません。小ネギの蛇腹が出来るのです。
小ネギの蛇腹が出来るようになって、やっと、毎朝市場の魚屋肉屋のおじさんが、まな板を削っているのかが解りました。この薄いまな板、削ることは出来ません。そろそろ、新しいのと交換の時期です。木のまな板だって、熱湯をかけたり、日光消毒をしたりすると衛生的に保たれます。