晴れ、16度、67%
香港島セントラルから上向きにのぼるヒルサイドエスカレーター、左手にモスクを見る辺りからは住宅街になります。このモスクに近い古いマンションの一室の窓辺には、ビニールポットに入った胡蝶蘭が5、6鉢ぶら下がっています。花が咲かなければ胡蝶蘭とは解りません。普段は葉っぱだけの鉢です。20年近く、毎日上り下りするエスカレーターですから、それとなく胡蝶蘭の花が咲くのを、心待ちに楽しませてもらっています。
香港の花屋さんの蘭は、種類は少ないのですが、手頃な値段で求めることが出来ます。2、3株を寄せてお遣いものにしてもたいした金額ではありません。最近、日本からシンビジュウムが、入ってくるようになりました。ため息の出るような優雅な姿、ため息の出るお値段で、九龍サイド、太子の花市の蘭屋の一番奥に鎮座しています。
私が昨日求めた蘭は、そんな蘭屋の店先の歩道に置かれた箱に入っていた小さな蘭です。
全長が15cm、見た目もとても地味な蘭です。パフィオと言うきれいな名前を持つ蘭の一種です。おそらくそのパフィオの中でも、私が求めたこの蘭は、原種に近いものと思います。パフィオは、普通の蘭と違い地面に直接生える種類で、その生態から日本のクマガイソウやアツモリソウの仲間だといわれているそうです。花や葉の形は随分違うのですが。
ふたつの莟が寄り添って、 なんともいえない風情です。がくの部分や葉にはプツプツ模様が入っています。
いつも花が終わった後の蘭を、次の年まで養うことが出来ないでいます。気が付くと根が腐ってダメにしてしまいます。
このパフィオ、蘭屋でも滅多に見かけない種類です。莟が開くと、やさしげな花になります。小さくて地味な花ですから、求める人も少ないのでしょう。
花が開いたら、写真をまた載せますね。