チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

お雛様

2013年03月03日 | 日々のこと

曇り、福岡 

 

 お雛様を3つ持っていました。小さい頃は段飾り、お人形より小さなお籠やぼんぼり、お道具の類いの方が好きでした。お人形は多すぎて、並べる順序が覚えられませんでした。小学校の中学年の頃、この段飾りに加えて、立ち雛の親王飾りを両親は求めました。立ち雛は、お顔も姿も大きくて、とても嬉しかったことを覚えています。その立ち雛が来た年のことです。お内裏様の頬に黒いほこりが付いているのを見つけた私は、指でそのほこりを払いました。きっと、私の指の方がもっと汚かったのか、お内裏様の頬にすっと黒い筋が付いてしまいました。帰宅した父は、目ざとくその筋を見つけました。すぐに私の仕業と解ったのでしょう、父はとても怒って、お内裏様を床に投げつけました。何を怒られているのか、何を言われたか覚えていません。覚えているのは、ぽろりと折れたお内裏様の首が床に転がったことです。

 両親の間でのいきさつは、未だに聞いたことがないのですが、その2、3日後に、新しい立ち雛の親王飾りが我が家にやって来ました。滅多に父には叱られたことがないので、お雛様と言う言葉を口にするのが怖かった私でした。なぜか、その後小学校の間は、新しく来た立ち雛しか飾られなくなりました。実は中学校以来、実家でお雛様が飾られたことはありません。

 ずっとお雛様のことは忘れていました。我が家は息子が一人です。本当に、お雛様なんてすっかり忘れていたのです。六年ほど前に、友人の家に遊びにいきました。素敵な家の中にお雛様が飾られていました。いつ行っても、お雛様が飾られています。しかも、お顔の色などから、きっと彼女のお雛様をお嬢さんに譲ったのだろうと思っていました。香港ですし、彼女はオーストラリアの方と結婚しています。日本のお人形を一年中飾っていても何にも違和感がありません。急に私のお雛様のことが気になり初めてのは、こうした理由からでした。

 実家の整理をしている間、どうしても見つけたいと思っていたのはこのお雛様でした。まず出て来たのが、箱にバラバラと入れられた段飾りでした。同じ箱に頭の折れた立ち雛も入っていました。これらは、全部捨てました。最後に別の茶箱から、硝子のケースに入ってごろんと転がっていた親王飾りが出てきました。

 烏帽子が窪んでいます。髪がボソボソと不揃いです。 でも、間違いなく私のお雛様です。1月に帰国した時に、大事に和紙で包んで香港に持ち帰りました。今、私のいない香港の家には、このお雛様が飾られています。古いお雛様ですから、大きめです。お顔も古風な顔つきです。3月3日にこのお雛様が飾られたのは40年以上ぶりのことです。

 捨ててしまったお雛様の分も、このお雛様、自分のために大事にします。

コメント (2)
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