北嶋誠のブログ

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害米輸入は許す米(まい)・その2

2008年09月18日 01時07分51秒 | Weblog
 ミニマムアクセス米(輸入米)の事故米(汚染米)が偽装され、不正に食用に転売されていたことが内部告発によって発覚し、各方面に波紋を広げている。

 不祥事続出の食品企業、その企業倫理はどうなっているのかとお怒りの方も多いだろうが、そもそも人間の命や健康にもかかわる食料品ですら、利潤追求の対象でしかない企業は決して少なくないのである。

 これまでの一連の食品偽装事件を検証すれば明らかなことである。

 また農水省の検査体制はお粗末だし、ma米が汚染米なら即刻返却すれば良いことだがそれはしてこなかった。また実際には、大量に輸入したma米を長期間倉庫に積み上げておいたために、品質はより劣化し、かびも蔓延したようである。

 太田農水相は、「健康に影響はないからジタバタしていない」と発言し、問題となっている。

 そしてこの汚染米の処理を巡って、業者と農水省の癒着も問題となっている。

 ただメディアは、汚染米を流通させた業者と農水省を批判派するものの、まだまだma米そのものを問題にしてはいない。

 何ら義務でもなく道義もなく、国内外に損害を与えるだけの、ma米輸入は中止すべきである。

 それに、農水大臣を含めて農水省は政府機関なのである。自民党政府の下、ma米輸入も減反政策も、農水省は自民党農政の忠実な遂行者にすぎない。

 農水省を改めたいと思うなら、現在国民そっちのけで総裁選の茶番劇を演じている自民党政治を改める以外にないだろう。

 ところで今回の汚染米については、残留農薬やかび毒アフラトキシンなどの名が上げられている。

 わがヒューマンファーマーズは、米をはじめ食と農を守れ!と、この国民的課題をテーマにしてフォークソングを創作し歌ってきた。

 特にポストハーベスト残留農薬やかび毒アフラトキシン、農産物輸入自由化と食の安全の問題などについては、歌い続けてかれこれ20年にもなる。

 その意味では自画自賛になってはしまうかも知れないが、これまでの創作表現活動の正しさが立証されたと思っている。

 現在の食と農をめぐる情勢は決して楽観はできないが、国民世論は、食の安全に関する幾多の事件事故等を経験するなどして、いよいよ覚醒の萌しをみせている。

 ヒューマンファーマーズもここからがいよいよ正念場なのである。広範な国民共同運動の中で、わがポリシーに基づいてやれるだけのことはやって生きたい。

 ところで、ミニマムアクセス米は、1993年に当時のガット・ウルグアイラウンド(関税と貿易に関する一般協定)で作られた。おりしもこの年は未曾有の大冷害による米パニックが起きた年だが、それ以前は米が余っているとして減反を拡大強化してきた。まさに仕組まれた米不足、米パニックであったのだ。

 そしてこの年には外米の緊急輸入が強行され、このことが、米輸入解禁の絶好の口実とされたのである。

 米の輸入自由化を最大のビジネスチャンスともくろんでいた輸出国や穀物メジャー、国内外の米穀商社の要求の方向に進行していった。

 MA米はその後1995年からスタートしたwto協定(世界貿易機関)のもとで制度化され、年々拡大され、昨年は77万tにも及んでいる。

 ところで日本政府は、このMA米は最低限の義務輸入だと説明してきたが、WTO協定原文の正確な解釈は輸入機会を提供するということで、決して義務ではない。だから拒否しても制裁を受けることもない。 まさに米国と内外の米穀業者の直接的圧力によるものなのだ。

 世界は今、穀物の不作不足高騰で飢餓や暴動が起きている状況にある。国内では害米輸入が日本農業と国民消費者に重大な脅威と実質的損害を与えている。MA米輸入と減反は即刻やめるべきである。

 国内生産を回復して、国産米で備蓄を確保すること。食用はもちろんのこと、加工用や飼料用など多方面に、そして最大限に国産米を活用していくべきである。

 そのために先ず、生産費を償える価格保障で、農業経営と農家生活の安定をはかり、水田と稲作の再生によって、食糧危機や環境危機にも備える対策としていくべきである。

 今回の事件は、食の安全、食料自給率、米価暴落と農家経営の破綻など、この国の食料農業政策の根幹に関わる問題だけに、徹底解明されなければならない。

 そしてやはりこの問題を、来たる総選挙の重要な争点にしていかなければならない。


害米輸入は許す米(まい)・その1

2008年09月18日 01時04分35秒 | Weblog
 工業用に使用されるはずのミニマムアクセス米(輸入米)のいわゆる事故米が、食用に不斉転用されていたことが内部告発によって発覚した。

 私たちはそもそも米の輸入自由化には反対である。しかし農民には減反を強制しながら、要りもしないミニマムアクセス米を輸入している。しかもMA米輸入が実施されている現状で、食の安全を確保するための最低限の査体制も確立されておらず、企業倫理もまったく欠如している。

 農水省御用達のイカサマフーズカ何かは知らないが、一年も前に告発があったにもかかわらず、ご丁寧に事前通知をして調査を実施するなど、まったく馴れ合っているとしか言様がない。

 しかも残留農薬メタミドホスや、猛毒で発がん性のあるかび毒のアフラトキシンを含有するような汚染米を、白々しく事故米などと称している。

 それだけではなく、内容に問題があることを、十分承知しながら偽って販売している。

 外米を国産米と偽って販売したり、故意に混米するなどしている。

 また、組織的にカビの除去作業などもしており、これは明らかに確信犯で、食品偽装事件と言えるのではないだろうか。

 また、このような汚染米が加工や混米されて、かなりの食品業者に流通しているとどうじに、長期間に渡って、何も知らない消費者の口に入っていたことになる。
 そして、これらのことはまだまだ氷山の一角に違いない。

 ところで、このブログのタイトルは、害米輸入は許す米(まい)としゃれたつもりだが、本当は茨城県人としては、害米輸入はだめだ米(べい)とか、やばい米(べい)としゃれたかったのだが、主食の米問題は国民的過大なので、一応は標準的にしゃれたつもりである。

 しかし、この許す米という文字も、茨城県人なら許すまいとは読まずに、許すべいと読む恐れがある。そうなるとまったく逆の意味になってしまう。

 いずれにしても、世界の飢餓人口が9億人を越え、世界的な食料不足が深刻になりつつある時に、この国が要りもしない米を輸入することは、国内の米価を暴落させ、稲作と水田を崩壊させるとともに、国民にはいかがわしいものを食わせるという、まさみ二重三重の誤りである。

 今回の事件についても痛切な教訓としてma米輸入と強制減反は即刻中止すべきである。