たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

前浅間山から荒山へ。傾斜がきついだろうな…の期待もあったが、半端な気分で終わった。

2023年07月24日 | 赤城山周辺
◎2023年7月19日(水)

荒山登山口駐車地(7:58)……前浅間山分岐(8:03)……前浅間山(8:13)……荒山(8:40~8:48)……荒山高原(9:22~9:34)……棚上十字路(9:42)……避難小屋(10:16~10:24)……軽井沢峠分岐(10:47)……軽井沢峠(10:50)……牛石峠(10:58)……牛石山(11:03~11:12)……駐車地(11:31)

 気温35℃超えの猛暑が連日続き、山歩きする気分になれない。体力も衰えかねないと、一週間前に軽く地元の金山を2時間かけて周回したら、予想通りに無風の中、汗ダク、バテバテになってしまった。これでは体に悪い。高い山に登れば少しは違うだろうが、早々に夏バテで朦朧になっている頭では、どこにするか考える気力すら湧いてこない。ヤマップ記事を見ては、皆さん、この暑さの中でたいしたものだと感心する。今回のブログ記事ですら、アップするのが面倒だった。
 19日は天気のタイミングが良かった。曇りで、前橋の予想最高気温は32℃。午後からは雨模様。こういう時は行き先にこだわらずにサクッと赤城山。それも5時間以内の歩きという条件が付く。見たい物があった。20年の12月に、雪の中を荒山から前浅間山、軽井沢峠(実は峠ではなかったが)に下ってみた。その時はただ下っただけだったが、荒山の下に石祠があるらしいことを最近になって知った。今回はそれを見るのが目的だ。そして、あの尾根を逆に上りで歩いてみたい。どなたかのブログに、軽井沢峠から前浅間山に登ったら、下って来た若い方に、「ご年配の方はここから先に行かないで、ひさし岩経由で荒山に登った方がいいですよ」と言われ、当初は前浅間山だけの予定だったようだが、ヤケ気分でそのまま荒山に登ったと記されていたのを読んだ。「年配」には自分も漏れない。確かに下りは急だった記憶はあるが、地図では等高線もさほどに密ではない。きつかったら戻ればいい。
 起き抜けから体調が悪かった。おかしな夢を見続けた。うつらうつらで3時間も寝たろうか。頭はぼんやりし、山はやめようかなと思ったが、赤城山とて気温は街中よりも7、8℃は低いだろうし、行ってみて登れる状態ではなかったら、その辺をぶらぶら歩くだけでも涼しかろう。まして陽は出ていないはずだ。予定通りに向かった。
 軽井沢峠にナビを合わすと、近道は粕川経由になる。このルートはどうも好きではない。滝沢温泉やら不動滝近くを通る県道は、カーブだらけの林道のようなもので、粕川町内での左折、右折も多くてうっとうしい。ナビは無視した。これが良かったかはわからない。大鳥居から赤城県道に入ると、到着予定時刻は15分オーバーになっていた。

(ここから出発。軽井沢峠と思っていたが、峠までは700mの標識があった)


(駐車地から地蔵岳。虫取り網が見えている。この時にはさして気にも留めなかった)


 何の工事なのかは知らない。左手に工事現場を目にして荒山登山口駐車場に到着。他に4、5台の車があった。ハイカーではない。車から外に出ている人の姿を見ると、みんな作業服。工事関係らしき人もいれば、字は読み取れなかったが、自然環境保全がらみの腕章をつけている方もいる。とにかく、ハイカーは自分だけらしい。ここまで車で来たのは初めてだが、ここが軽井沢峠とばかりに思っていた。駐車地のすぐ側に山道があり、脇の看板と標識で、軽井沢峠まではここから700mあることを知った。気温は車載で20℃だったが、途中の電光掲示の温度は低かったから、実際は18℃くらいかもしれない。幸いにも、汗をかいても、戻るまで±2℃ほどの変化でいてくれたようだ。これは隠れたお日様のおかげとしかいいようがない。

(荒山方面)


(ここが軽井沢峠分岐のようだ)


(すぐに右手に標識なしの道が分かれた。前浅間山への道に違いない)


(途中で撮った写真。前浅間山、荒山と思っていたが、荒山の山容とは違うような気もする)


(前浅間山山頂)


 荒山への道標に従う。続いて軽井沢峠分岐。そのまま行くと、すぐに右に道が分岐した。そちらに向けた標識はない。ここを3年前に通っているはずだが、雪だったし、記憶の風景ではないが、これでよかろうと入り込む。明瞭な踏み跡が上に続いていた。風が通って涼しい。傾斜は緩やか。展望地からは前橋市街をかすかに望む。雲は低く垂れこめているが、黒くはなく、青空も混じっている。10分で前浅間山に着いてしまった。大変なのはここからだ。

(赤城道路に至る尾根。歩きやすそうだが、ここを歩く人がいるのだろうか)


 当初、イレギュラーなことを考えていた。赤城道路の<49>のカーブから真南に尾根がここまで登って来る。それもありかなと思ったりもしていたが、そうなると、ピストンかバス利用で戻るしかなくなる。どうも自己満足で終わりそうなので、それはやめた。49の東から下って来る沢にはいくつかの堰堤があるようで、当然、作業道はあるだろう。1440m標高点先まで実線路が分岐しているが、その先、堰堤に下れる保証はない。不確かなことはできない。自分の愚かな考えを確認したく、北側の尾根の様子を見に行った。樹々は疎らで、明瞭な尾根型になってはいるが、踏み跡はない。確実に下れるかとは思うが、そんな物好きはいまい。目的の石祠を見たら、この山にもう用事はなくなる。

(山頂標識)


 前浅間山には標識があった。荒山までは600mとある。距離自体は長くはない。その荒山にも、前浅間山に向けた標識はなかった。何を勘違いしたのか、ここに三角点があるとばかりに思っていた。標石を探し回る。いくら探し回っても見つけることはできなかった。元から無いのを知ったのは帰宅してからだ。

(これから登る荒山)


(相変わらず、道はしっかりしている)


(もう紅葉?)


(楽に歩けるのはこの辺までか)


(そろそろ急登。ピンボケ)


(右に岩壁)


 荒山に向かう。正面に荒山が聳えて見えている。今の自分にこれを登れるのだろうかと思った。だが、経験上、距離が短いと威圧的に見えることは確かだ。現に前浅間山との標高差は90mに過ぎない。相変わらず明瞭な道が続いている。しばらくは緩く下って、緩く登る。いきなり急になって来た。そして、道に石が出てくる。右は大岩になって垂直に落ちている。そちらに用事はないから、用心するまでもない。道はあちこちに枝分かれする。だれしも急登感覚を少しは和らげようとするのだろう。

(地蔵岳が見えた)


(いくらか緩くなってきた。テープもあるが、この時期は頼るまでもない)


 一旦落ち着くと、展望は開け、地蔵岳が見えた。自分が荒山斜面のどの辺にいるのかわからないが、山頂はまだ先だろう。そしてまた急登。今日はダブルストックで、スパ地下にした。正解だった。昨夜は雨が降ったようで、道は水を含んで滑る。登山靴では滑りまくりだったはずだ。

(目的の石祠。何だか、自己満足といったところだが、それはそれでいいでしょう)


(同じく)


(荒山山頂はすぐそこ)


(荒山山頂)


(山頂の展望地から)


 左上に石祠が見えた。すでに傾斜は緩くなっている。ちょっとした高台にある石祠は南を向いている。回り込んで、年代を確認。江戸時代を期待したが残念。明治33年だった。普通は置かれている賽銭の小銭もなく寂しい神様だ。必死に急登のこなし歩きしていたら、おそらく、情報も知らなければ、石祠も目に入るまい。これで、目的は済んだ。あとは荒山に出るだけ。ササヤブの間の道を登って行くと、ほどなく荒山山頂に出た。石祠からわずか一分の距離だった。この石祠だけを見るのなら、荒山から下って戻った方がよいかもしれない。
 しかし、出発からまだ一時間も経っていない。拍子抜けの感じがする。大汗はかいたが、さほどにきつくはなかった。急登区間は短い。涼しい。備え付けの寒暖計は壊れている。一服つけながら、この先どうするか考えた。もとより、鍋割山に行くつもりはなかった。荒山でヘトヘトだったら、ひさし岩経由で戻ることにしていた。ヘトヘトにならなかったので、荒山高原経由で遠回りすることにしよう。下る。

(荒山高原に向けて下る)


(鈴ヶ岳が見えた。まだ青空は残っている)


(見晴広場から鍋割山方面)


(「展望の広場」からの展望はない)


 下って10分ほどして単独のバアちゃんが登って来た。続いて4、5人のグループ。雲が大分下がってきている。見晴広場から見える鍋割山方面は、そのうちに姿が隠れるだろう。展望広場まで来ると、左半分はガスの中に隠れていた。

(荒山高原に近づくと、もうこうなっていた)


(荒山高原で。荒山はしっかりと見えている)


(だが、この辺はもうガスの中。この先、快適な歩きにはなりそうだ)


 荒山高原には若い二人連れがいるだけ。その二人も、自分が菓子パンを食べてタバコを吸っている間に、ガスの中を鍋割山の方に登って行った。そうしているうちに、荒山の下りで出会ったバアちゃんが下って来た。あまり早いので、途中でやめたのかと思っていると、「森林公園に行くにはこっちに行けばいいんですか?」と、棚上十字路方面を指さす。オレはてっきり、森林公園とは、スバルのふれあいの森とばかりに思っていたから、「逆ですよ」と返答する。話を聞けば、姫百合駐車場に車を置いて、鍋割山、荒山と回り、今度は森林公園に行くとのこと。だったら、なおさらのこと。ふれあいの森のことだろうと解釈した。だが、当人は森林公園と繰り返すし、ガイドマップで調べると、確かに、棚上十字路の南に森林公園登山口というのがあって、自分も周回したことがあるが、鍋割、荒山の二山を登ってさらに下って姫百合駐車場戻りとはどうこということなのか理解しがたい。ガイドマップを見せても、地図を覗きもしない。だが、スバルではない南の森林公園に行きたがっていることは理解した。まさかの確認で二度聞いた。本気だった。帰りはどうするんですかと聞くと、また鍋割山を経由して戻るとおっしゃる。ややこしい歩きをしているようで、だったら、林道沿いの鍋割山登山口から登って荒山を含めて周回すればいいのにと思ったが、承知で歩くのだろうからと余計なことは言わず、棚上十字路から右に下る標識がありますよと教えてやった。見るからにというか、確実に70歳は越えている女性だ。ついタメ口調になって「元気だねぇ」と言ったら、「ありがとうございます」とさっさと棚上十字路の方に向かって行った。軽やかな歩きの後ろ姿を見送った。こういう元気なバ様もいるものだ。

(ふれあい道は泥んこ手前になっていた)


(さっきのバアさん、というかネエさんはここから右に下ったのだろう。スタコラだったから姿も見えはしない)


 ではと帰路に就く。曇って風もあるし、問題なく鍋割山に行けるだろうが、この時は、未練もなく行きたいとは思わなかった。後になってから、行けばよかったなとちらりと思ったりはしたが、それをやったら、雨にあたっていた。

(棚上十字路で)


 ここからが長かった。棚上十字路まではただの歩きだったし、無風地帯で汗を流すだけだった。その先が地味に長い上りだった。何度か歩いているルートなのに、これまで意識もせずにいた。避難小屋とはいってもただの東屋だが、ここで休憩。入口の向きが逆だったらベンチに腰掛けたが、以前から思ってはいたが、小屋は陰鬱な感じで、ひさし岩からの下りの石に腰かけて休んだ。もしかすると、さっきのバアちゃんの後を歩いていたグループが下って来るかもしれない。

(軽井沢峠へ)


(崩壊地があった。油断したら転がり落ちる)


(余計な写真。ササのツユをかなり吸い込んでいる)


 それはなかった。もう軽井沢峠に下るだけ。この先は、道はしっかりしているものの細くなる。回りのササの露がズボンを濡らす。地下タビもたっぷりと水気を含んだ。布ではしょうがない。軽井沢峠の分岐に戻った。避難小屋から20分少々の歩きではあったが、気分として一時間はあった。ずっと単調な歩きだった。それでも、汗はたっぷりとかき、手拭いは二枚目を出してメガネを拭った。しばらくひんやりとしてはいたが、風がなかった。

(出発点に戻った。右に「牛石峠」方面に行く)


(軽井沢峠。何となくがっかり)


(舗装道を行く。右の丘を行こうと思ったりもしたが、たいして面白みもなく思えた)


 さっきから気になっていた。50mほど先を、長い塩ビらしきパイプを肩にかけて歩いている工事関係者らしき方がいた。その方、軽井沢峠方面に向かって行った。真後ろでスズの音が聞こえるのではうるさいだろうと、スズを外した。
 車道に合流してそこが軽井沢峠。広い駐車スペースのあるところだが、他には何もない。名前からして期待していたが面白みのない峠だ。ここで、パイプの関係者は、ガードレールを越えて、斜面を下って行った。現場がそちらにあるのだろう。標識には牛石峠まで400mとあったので行ってみる。車道歩きだ。右の小高いところを歩いてもよさそうだが、歩きづらそうなので舗装道を先に行く。

(牛石峠。軽井沢峠でがっかりしているから、何も感じない。ここから山道があったのだけはうれしかった)


(せっかくだし「牛石」を見に行こう)


(山道とてこんなものだ)


(これが牛石です)


(この先に行くと)


(牛石山)


 牛石峠。ここもまた軽井沢峠の延長のようで、ぴんとこない峠だが、ここから山道が分岐する。そちらには「日本武尊伝説の石 牛石」と記された看板があったので入ってみる。牛石はすぐにあった。どこから見れば牛の姿になるのだろう。あちこちから見てみたが、牛にはどうも結びつかなかった。それどころか、「日本武尊伝説」と銘打ってあるのに、その由来板すらなかった。
 道はまだ先に続いている。地図を見ると、少し高くなっているところに出そうだ。もしかして牛石山とでもいうのかと思ったら、やはり牛石山だった。東屋がある。この先は下りになっていて、標識には「銚子の伽藍 0.5km」とある。500mならと思ったりもしたがもういいだろう。引き返す。こちらから銚子の伽藍に行ったことはない。いずれ機会があったらということで。
 軽井沢峠まで戻ったところで、さっきの工事関係者らしき方がガードレールを越えたところが気になった。ガードレールから覗き込む。踏み跡らしきものはない。斜面全体がヤブになっている。勘で下って行ったのだろう。

(駐車地戻り。ここで、改めて網が気になってしまった)


 駐車地に戻った。工事関係の方の姿も見える。仕事は上がりか、もしくはランチタイムだろう。着替えをしていると、ポツリと雨が落ちて来た。車に立てかけた大きな虫取り網が気になった。工事関係のスタイルだが、自然がらみのお仕事だろうか。まさかクワガタを捕って卸す仕事ではあるまい。
 歩き足りない気分ではあったが、無性に眠くて仕方がない。自宅に直行する。大胡経由にしてみた。やはりクネクネした道で、どこまで続くのかと思うほどだった。飽きたところで大胡に入ったが、上武国道に出るまで、やたらと右折、左折を繰り返す。暑くなっていた。赤城山の方を眺めると、雲にすっぽりと包まれていた。おかげさまで涼しい歩きをさせてもらった。明日以降、また暑い日が続きそうだ。うんざりしてくる。

(今回の軌跡。わざわざ記すまでもないが)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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