たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤城山で霧氷見物と洒落込んだが、自分が見たのは果たして霧氷だったのか。そんなことはあるまい。

2022年12月25日 | 赤城山周辺
◎2022年12月21日(水)

黒檜山手前駐車場(9:45)……猫岩(10:00)……黒檜山(11:00~11:20)……大タルミ(11:45)……駒ヶ岳(12:00)……駒ヶ岳登山口(12:35)……駐車場(12:45)

 赤城山に霧氷見物に出かけた。上武国道を走りながら見やった赤城山はまったく白くなっていなかった。この時期の赤城山は気まぐれだ。白くなったかと思えば、翌日はあっさりと黒に戻っている。がっかりしたり期待したりはいつものこと。南面道路に入ると、凍結もなく、路肩の雪さえない。当初は荒山あたりでと思っていたが、これじゃダメだなと黒檜山に変更した。黒檜にしたのは、単に赤城山では標高が一番高いから。その分、霧氷の可能性はあるだろう。姫百合駐車場には車が5台ほどあった。
 上に出れば、少しは積雪もあろうと思っていたが、下と同様に凍結もなく、かろうじて路肩に少しだけ雪が溜まっていた。霧氷は無理かもしれない。だが、ここまで来たからには黒檜に登るしかない。それも駒ヶ岳経由下りの定番コース。飽きるほどに歩いている。『山と高原地図』では<絶景スポット>(正式には<天空のひろば>と言うらしい)を含めて所要時間は3時間30分となっている。
 おのこ駐車場は閑古鳥。数台の車。自分が駐車した黒檜登山口手前に車はない。登山口前に2台あるだけで、うち1台は準備中の気配だった。駐車場に戻るまでの間に山中で出会ったハイカーは6人。駒ヶ岳からの車道歩きですら、見た観光客は犬連れの夫婦だけだった。やはり、赤城山も本格的な雪山になるまではこんなものかもしれない。前回の高山と同じようながっかり気分で終わらなきゃいいが。
今日もスパ長にした。よく、長靴は蒸れるからと嫌われるが、長時間歩くわけでもなし、本格的な雪山歩きでもない。苦痛なく歩ければ、地下タビ同様に快適な足になる。
 出発は9時45分と遅い。天気は曇っているが空の一角は青くなっている。気温は0℃あるかどうかだろうが、今のところ風はなく、寒い感じはしない。

(黒檜山登山口。雪はない)


(見かけた霜柱、後で思うに、これが木枝についていたら霧氷だろう。自分にはそんなイメージだった)


(雪もない登山道)


(ようやく雪が出てきた)


(猫岩から。猫との関係はあるのだろうか。そもそも、猫岩がどれなのか、猫に似ているからだろうが、いつも特定できないでいる)


(雪とはいっても氷、ザラメだろうか)


 猫岩でいつもの風景を眺める。出だしの登りはやはりしんどい。ここの登りは嫌らしい大きな石だらけの斜面歩き続きだ。一昨年の10月にここを下り、登って来るGBグループのバアさん一人がへたって、リーダーだかサブか知らないが、その立場のジイさんに叱咤罵声を浴びているのを目にして気の毒に思ったことがある。あのバアさんはどうしているのだろう。まともな感覚なら、もう二度と山登りなんぞしないだろう。しごかれてバカにされたら懲りているはずだ。

(富士山が見えた)


(こちらは上越方面)


(駒ヶ岳からのコースに合流している)


(浅間山。枝にピントが合ってしまった)


(もうそろそろだ)


(ようやく霧氷かと思った)


(黒檜山山頂。見えにくいが、センター右寄りに黒ジャケットのオジさんがいる)


 間もなく駒ヶ岳から続く稜線に出るところで二人連れが下って来た。お早いお帰りのようだ。ふと17日の茂倉岳の遭難ニュースを思い出した。二人連れで茂倉岳避難小屋に泊まって谷川岳に向かったが、道を失ってビバークしてSOS。救助はされた。積雪は30cmというから、ホワイトアウトやら強風でない限りは、ビバークしたとしてもSOSするまでもないような気はする。30cmが事実なら、ラッセルするほどの積雪でもあるまい。現に救助隊が行けたわけだし。ニュースにそれ以上の情報はなかったから無責任なことは言えない。まして、ビバークの疲労もあったろう。救助されたのは、登山道、つまりは稜線から数十m離れたところだった。高みを目指せば尾根に出られ、標識も雪に隠れずに確認できたのではないのか。いや、迂闊なことは言えない。地形が読めない状態だったかも知れない。気になったのが、二人連れとはI県とT在住の40代の男女とあったこと。夫婦ではないだろう。いずれかでも所帯を持っていたら、後の話がややこしくなる。余計な例を出したが、二人連れだからといって夫婦とは限らない。だから、自分はいつも、夫婦と確証できない場合は「二人連れ」としている。逆に男どうし、女どうしなら「二人組」だ。どうでもよいことを記した。絶えず、二人歩きを観察しているわけではない。一人で歩いていると、つい、頭のすき間つぶしにそんなことを思ったりすることがある。前にも同じようなことを記したような気がする。
 ともあれ、駒ヶ岳をつなぐ稜線に出て、かろうじて雪道にはなったものの、周囲の樹々に霧氷はない。やはりなぁと思った。そもそも、ここに出るまでさほどに寒くはなかった。0℃あったかどうかだし、昨日から今朝にかけての降雪の気配もなかった。

 黒檜山山頂には11時着。かろうじてコースタイムより15分早い1時間15分だった。珍しいこともある。山頂にはオジさんが一人休んでいた。「霧氷を見たくて来たんですけど、ありませんね」と言うと、「そこにあるよ」と指さしたのは、生垣風の低い枝のかたまり。確かに見方によっては霧氷かもしれないし、ただの雪が融けずにかぶったままなのかもしれない。これを霧氷と言うには無理がありそうだが、らしきものを見られただけでも幸いで、もしかすれば絶景スポットに行けば明らかな霧氷があるかもと期待した。

(オジさんが指さして教えてくれた「霧氷」)


(絶景スポットに向かう途中で。「霧氷」をアップで撮ったが、どうも違うんじゃないの)


(こんなのはあちこちにあった)


(上越の山々)


(アップで。それぞれの山名を記すと恥をかきそうなので敢えてしない)


(絶景スポット)


(大沼と浅間山。異形な鈴ヶ岳。周囲の枝に霧氷はない)


(明らかに霧氷ではないな)


(ただの雪といった方がわかりやすい)


(奥に見えるあれこそが霧氷だと思うが、寂しい。残りカスといった感じ)


(ポツンと石祠)


(上州武尊と皇海かと思うが)


(なかなかの眺めだ)


 東斜面の枝木に綿のような雪がついている。まばら。この状態のままに、斜面の下に続いている。つまりは下の方が多いということになるが、そこまで行ったら、戻れるかどうかも怪しくなる。ヤブは冬でもヤブだ。ここから眺めるしかない。これが霧氷だよと言われれば、そうですかだが、どうも、自分のイメージとは違う。空気中なり枝が含んだ水分が氷点下で凍ってできるわけだから、枝木にへばりついた霧氷は白かったり透明で、細かく重なり、それぞれは鋭利な形をしているのではなかろうか。それが自分のイメージで、目の前の霧氷はぼてっとして、雪が固まりついたような形状だ。繭玉と記せばわかりやすい。どうもわからない。これが霧氷でなかったらそれでいいし、霧氷だったら、こんなものかとがっかりする。それよりも、青空をバックにしてもキラキラしていないのは何でだ? 詮索しても仕方がない。黒檜山に来て出会ったのはこれだけなのだし、イメージどおりの霧氷は遠くに寂しく見えたから目的は達成としたい。
 もういい。この絶景スポットに一人でいるのは初めてかもしれない。ラッキーにも、薄曇りながらも展望は広がっている。上越の雪山の連なりや武尊はきれいに見えるし、場所を変えれば袈裟丸や皇海山、錫ヶ岳らしき山も見える。男体山は雲に隠れている。

(半端な気持ちで山頂に戻る)


(もう誰もいない)


(ちゃっかりとぐんまちゃんがいた)


 久しぶりに、ここでラーメンでも食べるつもりで、ガスやら餅まで持ってきていたが、腹が空いてはいなかった。駒ヶ岳で食べることにしよう。山頂に戻ると、もうオジさんはいない。ここでも一人だ。セルフを撮って下りにかかると、親子のような二人連れが登って来た。タイミングはよかった。出発時に見かけた準備中だった方だろうか。あの時は一人しか見えなかったが。

(御黒檜大神)


(<絶景スポット60歩>から。小沼と飽きもせずに富士山)


(地蔵岳を入れてみる)


(富士山を大きくして。この日、富士五湖あたりから富士山は見えなかったようだ。雲の上だったのだろう)


(長い階段下り)


(泥場があちこちにある)


(大タルミ)


(また階段を登って)


(黒檜山には雲がかかってきている)


(また大沼を見て)


(駒ヶ岳)


(黒檜はこうなり、ここも寒くなった)


 すでに霧氷、もしくは繭玉はない。木枝には雪もついていず、路面だけに雪が残っている。どんどん下る。視界が広がって駒ヶ岳が見える。見慣れた光景だが、これまで、歩きに余裕はなかったのか、ただの物忘れの類かわかりかねるが、途中に小ピークが3つある。目立ったピークではない。これまで一つだけと思っていた。何度も同じ風景を撮っているというのにだ。
 下るに連れ、薄い雪道は泥道になった。長靴でよかった。靴の汚れを気にすることはない。ここの階段、さらに駒ヶ岳の登山口までの階段はまったく歩幅が合わない。みんなそうだろうから、階段脇に道ができる。そうなると、階段を支えている土壌はどんどん侵され、段差が高くなったり低くなったりで、さらに階段は歩きづらくなる。あげくは泥道ということではなかろうか。
 大タルミ。ここはダルミではなくタルミだ。また階段歩き。振り返ると、黒檜の山頂はいつの間にか薄い雲に覆われている。たしかに、風を感じるようになっている。それでいて、階段から見る上越の山やら浅間山はしっかり見え、真下の大沼には氷がかかり始めている様子がはっきりとわかる。
 駒ヶ岳に到着。さして時間の間もないのに風が冷たく感じるほどに強くなっていた。黒檜は半分隠れてしまった。震えながらのラーメンは結構だ。腹ペコでもない。立ち休みだけで下ることにする。

(さすがに階段を使う)


(いつもな篭山を経由して鳥居峠に出るが、今回は霧氷が目的だったので駒ヶ岳登山口に下る)


(鉄の階段)


(この平たい石が曲者で、石に乗ったら長靴のピンで滑った)


(車道が見えて)


(駒ヶ岳登山口。バスにはだれも乗っていなかった)


 下り一方だ。木だけではなく鉄の階段も出てくる。階段のつなぎの間には、黒檜への登りと同じに大きめの石がある。ここの石は平らな石が多い。階段を下ってそんな石に足を乗せた途端に長靴のピンで滑った。30cmほどの滑りだったが後ろにひっくり返るほどだった。これはチェーンスパでも同じだろう。雪が積もっていれば心配もあまりないが、露出した石場で気楽に下ると大変なことになる。サングラス着用の年齢不詳の男性を抜く。
 駒ヶ岳登山口に出る。閑散とした車道。周囲の店も開いているのやら。おのこ駐車場の車は数台増えた程度だろうか。ここから、黒檜の駐車場までは長いかなと思っていたが、工事中で橋も渡れない赤城神社にわざわざ寄ることもないだろうと、遠くから沼の様子を写真に収めるだけにしたら、10分で駐車場に着いてしまった。
 ここでラーメン作りでもと思ってはいたが、やはり風は冷たいまま。そのまま帰ることにした。

(遊歩道歩き)


(氷が浮いている)


(神社の橋は工事中)


(駐車場着。何だか妙な霧氷見物だった)


※この記事をアップした25日(日曜日)、赤城山は真っ白になっていた。この日に黒檜山に登ったヤマップ記事が早速出ていた。掲載された写真には、これぞ霧氷に覆われた枝木が賑やかに写っていた。

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2 コメント

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Unknown (瀑泉)
2023-01-03 20:02:44
たそがれオヤジさん、明けましておめでとうございます。
昨年後半は、家族全員でコロナに感染してしまって、しばらく身動きが取れなかったのですが、自分も12月30日に〆山行で同じコースを歩いて来ましたヨ。
たそがれオヤジさんが行かれた時よりも大分雪が増えていて、道路は姫百合駐車場よりかなり手前からアイスバーン。山頂付近もトレースを外すと雪が膝上よりある状態で、もちろん霧氷もバッチリでした。
ということで、今年もよろしくお願いします。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2023-01-04 18:39:41
瀑泉さん、あけましておめでとうございます。
30日に黒檜山に行かれましたか。奇遇ですね。私は、その日に荒山と鍋割山を歩いて、一応、霧氷も含めて雪山を堪能して来ましたよ。
その時の記事は写真を入れればあとはアップでしたが、私も瀑泉さんと同じですよ。帰省した娘がコロナを持ち込んで、正月早々に娘、孫2人と女房の計4人でコロナです。私だけは、今のところ、5回目の接種をしたばかりだったからか、症状はありません。ですが、典型的な濃厚接触者ですから、仕事も今週は休みにしました。安心もしていられませんよ。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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