たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

<赤城山で今年は終わり。雪山も楽しめた。良いお年を>…とタイトルのつもりでいたが、年がとうに明けてしまった。「本年もよろしくお願い申し上げます」と決まり文句でさらっと。

2023年01月05日 | 赤城山周辺
◎2022年12月30日(金)

姫百合駐車場(8:14)……荒山高原(8:45)……荒山(9:50~10:00)……荒山高原(10:33~10:42)……鍋割山(11:17~11:36)……荒山高原(12:06)……駐車場(12:29)

…………………………………………………………………………………………………………………………………
 先ずは言い訳を。年内に記事を慌ただしくアップするつもりでいたが、暮れに孫二人を連れて里帰りして来た娘がコロナを背負いこんでいた。正月早々に妻も含めて家族四人が感染した。なぜかオレだけは罹らなかった。熱もなく、風邪らしき症状すら出ない。おそらく、25日に5回目のワクチン接種を受けていたせいかもしれない。12月の接種予約は医療機関ではどこも空きがなく、かろうじて薮塚の集団接種会場だけが可能だった。年内に済ませておきたかった。薮塚は足尾、日光に行く際には通過するが、市内とはいえ距離的には遠い。それでも無理に済ませておいてよかった。妻を誘ったら、薮塚では遠いと断わられた。
 症状のない濃厚接触者は5日間の自宅待機が必要だったが、5日の仕事開始日からとぼけて仕事に出た。バレれば総スカンを食らうだろうが、日銭暮らしの今の自分の身に余裕はない。一緒に仕事をしているオバチャンには、そういう事情で休むかもとメールをしていたが、出社当日に口止めを頼んだので、他にバレることはなかった。そんなことで、気持ちも乗らず、書きかけのブログ記事は半端になっていた。もう年末の区切り山行記事。さらっと流して終わらすことにした。
…………………………………………………………………………………………………………………………………
 21日の霧氷見物の黒檜山は不発に終わった。雪はないに等しかった。今年の最後の山行は雪山にしたいが、3年ぶりのコロナ解禁状態では遠出も渋滞で億劫になる。近場の赤城の雪はまだ無理かなと思っていたところで、赤城も本格的な雪山になってくれた。さりとて、南面道路の凍結やら積雪では、いくらスタッドレスの四駆マニュアル車とはいっても、大沼まで上がれる自信はない。上がったとしても、今度は帰りの下りが恐い。下の荒山か鍋割山で茶を濁すのが無難。雪山を歩ければそれでいい。
 ネットで荒山の最新情報を探した。ノートレースで腿までラッセルしたという記事をいくつか見つけ、鍋割山よりもむしろ荒山に行きたかったが、これではパス。鍋割だけで我慢のつもりでいた。ところが、前日の記事では荒山もトレースばっちりになったようだ。29日にハイカーが何人か歩いてくれたのだろう。それを期待した。迷ったが、ただ、荒山もひさし岩方面にはトレースはないようなので、ピストンではつまらないなと、荒山高原で荒山へのトレースを確認してから決めることにし、消化不良になるかもしれないが、先ずは鍋割山ということにした。鍋割山なら問題なかろう。結局は両方の山を登ることになる。しかし、随分と弱気になったものだ。20年前は、むしろ、ラッセルを好んで歩いた。余談だが、この30日に瀑泉さんが黒檜の方に行かれていたとは知らなかった。

(姫百合駐車場)


(ここは帰りも寒かった)


(展望の広場直通のコースだが、雪にかなり埋まりそうだったので、ここはやめて右下に行った)


(荒山風穴。寒暖計は-3℃。陽があたらないからここも寒い)


 駐車場には15台ほどだったろうか。わざわざ数えはしない。実は今回、最近、高崎まで行き、高い雪山にも対応した本格的な登山靴を久しぶりに買い、その試し履きのつもりでいた。赤城なら、チェーンスパイクでも十分だろうが、新しい靴だしと、せめて6本爪アイゼンのつもりでいた。予備に何やかやと、ワカンと10本爪も車の中に用意までした。迷うことはなかった。あっけらかんとスパイク付きのゴム長靴にした。安易かもしれないが、少なくとも、駐車場の様子からしてスパ長でこの先は問題なしと判断した。結果はこれでトラブルはなかった。自分には、登山道がしっかりと踏まれている限りは長靴が機能的な足だ。これを繰り返ししたら、高い登山靴も宝の持ち腐れになりそうだ。腐りはしまいだろうが、せっかく買った靴だ。年明けの雪山では無理してでも試し履きしたいもの。
 出発同時の単独女性がいた。登山口でこちらを意識したのか立ち止まっていた。どうしたものかと思ったが先行させていただく。この女性とは、戻るまで会うことはなかった。気になって、後ろにつかれるのも嫌だし、途中で何度か振り返ったが、姿を見ることはなかった。

(荒山高原。奥の荒山は霞んでいるじゃない)


(鍋割に向かうオッチャン)


(荒山へのトレース。この程度なら十分だ)


 荒山高原に到着。出発時の女性の姿はなかったが、駐車場でうろうろしていたオッチャンが間もなく上がって来た。オッチャンはそのまま鍋割山に向かった。荒山方面にはしっかりしたトレースがあった。ここに来る前の荒山への分岐<展望の広場>に向かう尾根にもトレースは確かにあったが、そのトレースはそこまで下る足跡であって、それを追ったらしき、もしくは忠実に先行者を踏んだ往復の数人か分で、それも雪に深く入っていたので、やめにしていた。ラッセルしてまで荒山に登りたくはなかった。少なくとも30cm以上の積雪に間違いはない。ラッセルもどきにはなる。荒山高原からだったら、しっかりしたトレースもあるかもしれない。

(深いところもあるが、歩き方が良かったのか踏み抜くことはなかった)


(展望の広場)


(荒山高原を経由しないコースのトレース。苦労したろうな)


(雪の歩きは楽しいと思って歩いている。霧氷がないのが寂しい)


 ここ数日のトレースがあって助かった。今日は鍋割山も含めて踏み抜きはなかったし、腿ラッセルすらなかった。時間帯がよかったのか、山頂まで、下って来たネエちゃん一人に会っただけ。そのネエちゃんに気になっていたことを聞いた。荒山に来た以上は周回したかった。ひさし岩方面には一人分のトレースしかなかったそうだ。暮れに道失いの遭難はしたくもない。不本意だがこの時点で荒山ピストンであきらめた。

(「展望の広場」には展望もないのに、上には富士山が見える展望スポットがあった)


(そして鍋割山を望む。右に浅間山)


(荒山が見える。そして、左に霧氷が付いているらしき樹々)


(デブった雪庇があったり)


(そのまま盆栽にしたい。誤解のないように。オレはまだ盆栽に趣味はない)


(霧氷を見られるのが素直にうれしい)


 上がるに連れ、黒檜ではがっかりの、これぞまさに霧氷を堪能する。途中から視界が開けた南側には富士山が見えた。雪庇もどきも出てくる。雪山はいいなぁ。何ということもない景色に色添えをしてくれる。
 山頂が間近に見える。そこに動いている人の姿が見える。先行者がいるようだ。山頂直下ではロープもさることながら、クサリ場もあったような記憶はあるが、雪で半分隠れたロープ場付近にトレースはなく、クサリ場は下りでも確認できなかった。勘違いかもしれない。

(山頂が近づいてきた)


(荒山山頂)


(定番の山頂)


(西側の展望。登ったことのある山だろうが、自分には特定できず)


(つい、霧氷を入れてしまう。これまでも何度も見てきたが、きれいだ、美しいといった感覚はなかった)


(ひさし岩方面へのトレース)


(下る)


(執拗に見とれ、とうとう今回記事の表紙にまでしてしまった)


(下りもまた楽しい気分)


(浅間山の上は荒れているのか。黒斑にも久しぶりに行きたいなぁ)


(21日の黒檜山では、オジさんが霧氷と言っていた。ただの綿帽子だね)


 やはり、先行のオジさんがいた。ほぼ同時の山頂到着。寡黙な方のようで、挨拶をしただけだった。山頂を一回りして、確かにネエちゃんが言っていたような、ひさし岩方面に向かう一人分のトレースはあった。20cmほどは深くなっている。だが、このトレース、よく見ると、一人分ではあるが、二人分だ。つまりは、このトレースを同一人物が戻って来たものか、もう一人がトレースに合わせて歩いたものかと思われる。トレースを辿ってみたが、100mも歩かずにやめて戻った。ひさし岩まで行ったところでその先にトレースがあるものやら。引き返す。山頂にはオジさんがまだいて、下るところだった。山頂は風が強く寒い。小雪も舞ってきた。さっさと下りたかったが間をとって下る。
 オジさんをあっさり抜いた。アイゼン、スパッツの結構な重装備だ。こちらはさっぱりの長靴。それでも滑ることはないし、雪が中に入ることもない。
 荒山に登るのは、少数のハイカーかと思っていたが、荒山高原に近づくに連れて、登りの10人近くは出会っただろうか。明瞭なトレースもなかったら、まずは登るまい。自分とてトレースがあったから登った。

(そろそろ荒山高原。この時点では、登るかどうか決めていない)


(戻って来た荒山高原から荒山の頭が覗く)


(鍋割山へ。軽い吹雪では迷いそうもない)


(東のなだらか斜面。前橋の一角。かつては富士見村か大胡町か?)


 荒山高原に到着した。5人ほどか。休んでいる人の姿が見えた。鍋割山までのトレースはしっかりと踏まれていて明瞭。どうしよう。とりあえずは菓子パンを食べて空腹を満たしていると、駐車場で出発の準備をしていたオッサンが鍋割山から下って来て、そのまま下って行った。随分ゆっくりだなと思ったが、あのオッサンが鍋割山に行ったのでは、こちらも行くしかあるまい。
 ここで、鍋割から下って来た青年に聞かれた。「小沼まで行きたいんですけど、どれくらいかかりますかね」と。はて、どう答えればいいのか。「軽井沢峠まで夏道で一時間はあるけど、トレースがあるかどうか…。峠からは、この時期なら一時間以上はかかると思いますよ」。青年はスマホ地図を眺めながら、「そうですね。結構ありそうですね」と言いながらも、踏み跡のか細い道を歩いて行った。ふれあい道だし、踏み跡が消えても行けることは行けるだろうし、その先は林道だ。車が入らない林道の雪は深いはずだ。過去にスノーシューでその林道歩きをして苦戦した。

(鍋割山に関しては、ここの風景がお気に入りなのだ)


(上越の山々)


(振り返ると、地蔵岳と右に荒山)


 荒山を往復した後では、緩い登りもきつかった。励みになったのは、前を歩くハイカーが自分のペースよりも遅かったこと。冬スタイルの後ろ姿では識別もできなかったが、追い越した時、ちらりと見たらジイさんだった。それでもほっとした。そういえば、今日は、登りでだれにも追い抜かれることはなかった。雪山だからか、チェーンスパどころか12本アイゼンのガチガチやらスノーシューも見かけ、大方はいつものハイキングよりも重装備で重くなっているはず。軽量歩きの長靴姿を見かけたのは、自分以外に3人だけだった。

(火起山の山名板。こうして見ると、結構、雪は深い)


(また登場)


(雪解けの時期は、ここ、泥んこになる)


(竈山山名板。火起山も竈山も、どうもピークがわからない。鍋割山への通過点に過ぎないと思っているから、真剣に考えたこともない)


(ここにも雪庇。だろうね)


(こんなのもあればほんのり気分になるが、ここから左に下れば洞窟らしき岩があって、石祠があることを知っている人はあまりいるまい。前方に鍋割山)


(鍋割山山頂)


(風もなく穏やかだった)


(仏さんついでに三角点を探したが、目皿にしても、それらしき石標は見あたらなかった。後で調べると、鍋割山の二等三角点は数年前に撤去されていたらしい。そういうこともあるようだ)


(南方面。まさに前橋)


 火起山と竈山を経由して鍋割山到着。のどかな山頂だ。微風。備え付けの寒暖計は-3℃を指している。富士山は荒山の途中で見た時よりも雲が多くなっている。山頂に15人くらいはいたか。モーター音が聞こえた。何だろうと探すと、ドローンを飛ばしている人がいた。自分ができないからドローンに俯瞰してもらう。以前から、自分もやりたいと思っていたが、コスト面よりも、その分、荷物が多くなるのがネックだ。露出した石に腰掛けて菓子パンを食べ、ポットの湯でスープを飲んだ。隣にはパパと男の子。タッパーに入った焼きそばを食べていた。

(下る)


(つい、撮ってしまう)


(同じく。別のアングルから撮ってみたかったが、この写っている方が居座ってしまい、これで終わり)


 下る。たいした高低差でもないのに、竈山の登り返しでさすがに疲れ、二人組に抜かれた。別の二人組は抜いた。

(三度目の荒山高原。飽きた。四季を通じて、高原だけを探索するにしても、そんなに楽しめるところではないような気がするが)


(ひたすらの下り。歩いていてもさほどに楽しくはない)


(まだ12時を過ぎたばかり。いつもなら、だれかとすれ違うものだが)


 荒山高原に出て、休みもせずにそのまま下る。不思議なことに、正午を過ぎたばかりというのに、登って来るハイカーには出会うことなく、追い越しも追い抜きもなかった。ラスト近くの杉林に入ると、さすがに寒かった。人の気配がないと余計に寒くなる。

(帰着。今年最後にしては満足だった)


 駐車場は賑やかだった。出発時はハイカーだけだったのが、行楽客も加わっている。ここでようやくタバコを吸った。さて問題は帰りの車道。ためらいながらも車を出す。大沼の方から後続車が下って来た。車間距離をとってくれない。やばいなと思ったが、追いついた前方を走る車が低速で走ってくれていた。それでもカーブ手前でブレーキを踏んでいたので、危ういなと思い、車間距離はかなり離して2速、3速で下った。凍結していない直線路になってようやくほっとした。山歩きよりも、こちらは運転で精神的に疲れた。日光のいろは坂ならここまで疲れはしまい。

 たかが赤城山の雪山初心者向けの歩きではあったが、十分に楽しめた。これで今年の山行は終わりだ。読んでくださった方には良いお年をお迎えください。
 と記しながらも、記事のアップは年内にと思いながらも年明けになってしまった。用事があるわけでもなかったが、冒頭に記した事情でそうなった。

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年もまたよろしくお願い申し上げます。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 赤城山で霧氷見物と洒落込ん... | トップ | 好みの姿の富士山は楽しめた... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぶなじろう)
2023-01-07 18:52:34
あけましておめでとうございます。
登山靴を新調されたとは、やる気がみなぎっていますね。冒頭の霧氷は青空に映えますねぇ~。こういった風景を見るとうらやましいです。最早、自分には雪山を歩く自信は全くありません。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2023-01-07 22:21:56
ぶなじろうさん、ありがとうございます。
自分には幻想的に見えたので、表紙の写真にはしましたが、この時期ならありふれた光景かもしれませんね。ただ、もう年でしょうか。その何でもない光景が美しく感じてしまいました。歩きながらの感覚が変わっていくようです。若い頃は何も感じませんでした。
明日は年初の富士山見物と思ってはいるのですが、今日のつもりも、起き抜けから、何やら鼻水で、熱はないのですが、鈍感にコロナかもと気にしています。
乗り物では、気にもせずに空いている席に座るのは権利のような気になっていて、これはぶなじろうさんと同じです。無理はできずとも、適度に歩きたいものですよ。
返信する
Unknown (瀑泉)
2023-01-09 10:32:53
改めまして、今年もよろしくお願いします。
この日は、駒ヶ岳の南と北で青空の見え方が違いましたネ。黒檜山は、午前中、雲に覆われていたので駒ヶ岳を先にしましたが、それでも黒檜山展望地から見えた風景は西側が辛うじてでした。
対して、鍋山・荒山とも綺麗な青空と良い眺めでしたネ。それに鍋山に此れだけ雪が残っていて霧氷が見られたのなら、この日は鍋山が正解だったように思います。
返信する
瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2023-01-17 06:45:07
瀑泉さん、こんにちは。ありがとうございます。
返信が遅くなりましたこと、お詫びいたします。
同じ赤城山でも随分と天気が違うものですね。そこまでは考えず、同じ天気だろうし、黒檜の方が混んでいるだろうし、空いていそうな鍋割を選んだというだけのことです。結果としては楽しめました。
この数日後のことですが、鍋割も荒山も、すでに地肌が出ていました。タイミングとしては良かったようです。
今年は、雪山を楽しむ回数を多くしたいと思っておりますが、年明け早々以来、どうも体調が悪く、果たして雪山を楽しめるものやら疑心暗鬼になっていますよ。
返信する

コメントを投稿

赤城山周辺」カテゴリの最新記事