たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

満喫とまではいかなかったが、十分に楽しめた赤城鍋割山のヤマツツジ。

2024年05月24日 | 赤城山周辺
◎2024年5月22日(水)

鍋割山登山口(9:23)……前不動コース分岐(9:27)……ルートを間違えコースに合流(9:58)……前不動(10:30)……一般コース合流(10:47)……鍋割山(11:02~11:17)……前不動分岐(11:23)……鍋割山登山口(12:17)

 特に行きたい山もなく、金曜日から風邪をひいて体調はよろしくない。そろそろ治りかけのようだしと、手軽に、赤城のどこかと調べていたら、鍋割山のヤマツツジがきれいなようだ。鍋割山、荒山は大方は姫百合駐車場から登っているが、今回は南側の鍋割山登山口(姫百合駐車場側は「荒山高原登山口」)から登ることにした。そうしたのは、行って見てみないとわからないツツジよりも、途中にある<鍋割山前不動>を久しぶりに見たかったからだ。
 3年前に鍋割山登山口からプチ周回をしたことはあるが、前不動コースを歩くのは10年ぶりになる。梅雨がまだ明けやらぬ7月上旬の頃で、周囲はガスガスで視界も悪かった。その時は2時間25分で歩いている。鍋割山での休憩はしていないし、ツツジが終わった後では見るべきものもなく、ただ、前不動像を見たくて鍋割山に登って下っただけだった。

(鍋割山登山口)


(早速のお出迎え)


(ここを左折)


 登山口には車が5台ほどあり、分乗して来たグループもいて、7~8人が出発するところだった。年齢層からして歩きは遅そうだ。後に付くのはごめんだから、少々あわてて出発した。しかし、自分は別コース歩きだろうし、山頂にはグループから遅れての到着になるだろう。
 歩き出しから間もなく前不動コースの分岐。標識には「急坂につき要注意」とある。確かにきついようには感じたが、下りで通常コースを使った限りは、大石がゴロゴロした区間が長かった。滑りそうなところの多い前不動コースに比べると、自分には、要注意は通常コースの方のような気がする。

(ここを歩いて行くだけで靴はかなり濡れた)


(何という花なのか)


(こんなのも咲いている)


(沢に出た。ここは横断すべきところで、沢沿いに歩いてはいけなかった)


(結構、きつい沢だった)


 明瞭な道を行くと、涸沢に出た。この先を見ると、実際には道の続きも、それを示すテープも対岸にあったのだろうが気がつかず、この沢を登るものとばかりに思い込み、沢に入り込んでしまった。しばらく沢を登って行くと、どうも10年前の記憶では、そんな歩きはしなかったはず。目印も何もない。地図を出そうとすると、致命的にも車の中に忘れていた。GPSを確認すると、前不動コースの破線路は記されていず、どの程度のミスかもわからない。おそらくは、上で合流はしそうだが、前不動の先になりそうだし、それでは意味もなく、そもそも、この沢沿いに歩いたとして、いずれは行き詰るような気がしてならない。ここは、左の尾根に登った方がいいだろうが、手頃に沢から抜け出しできそうなところはしばらくなかった。

(登れそうなところから尾根に上がる)


(ミツバツツジの花がかなり落ちている。踏み跡のようなものがあるが、これはシカ道かと思う)


(ササの中のヤブ漕ぎ。北上して行くと)


(左下からの正規のコースに出た)


 手こずりながらも左の小尾根に出た。踏み跡らしきものは見えない。ちょっとしたヤブながらも、沢を登り続けるよりもこちらが無難だろうとしばらく登って行くと、左下から明瞭な道が上がってきた。まずはほっとした。やはり、沢は横切らねばいけなかったようだ。遅ればせながら、出発時から気づいていたことだったが、昨晩から明け方にかけ、こちらは雨が降ったようで、防水加工もない布靴はすでにぐっしょりになっている。

(ほどなく13番表示板)


(豪勢に出てきた。真っ赤なのが何ともいえない)


(賑やかに咲いていて、うつつを抜かしている限り、急さはさほどに感じない)


(ロープが出てくるから、足場が悪いか、急だからなのだろう)


(ツツジばかりが目に入る)


(鍋割山への直登尾根だろうが、かなり急に見える)


(良い気分だ)


 ここまで、花らしきものといったら、地面に落ちたミツバツツジの花と、何というのか知らないが、毛玉のような白い花の群生ばかりだった。合流してからは、ヤマツツジがポツラポツラと出てくる。
 この前不動コース、雨後のせいもあろうが、粘土質なのか急だからかやたらと滑る。登りはともかく、下り使用では要注意だろう。現に、滑った跡があちこちにあった。幸いにも、登りということもあったし、注意して歩いたせいか、転ぶようなことはなかった。この時、スパイク地下足袋にしておけばよかったかなと思ったが、下りの石ゴロの坂道ではむしろ危険だったかもしれない。
 急といえば急で、上部にはロープ場がいくつかある。普段はあまり頼らないが、滑りそうなところは頼った方が無難。その急さを感じさせないのがヤマツツジの存在で、登るにつれて、ちょうど良いタイミングのヤマツツジが現れる。惜しいことに、それが群れていないのは残念だが、鍋割山を選んで正解だったような気がする。帰路の下りで感じたが、通常コースには、これほどのヤマツツジはなく、色彩もまた鮮やかなものはさほどになかった。荒山高原登山口から登ったわけではないので、反対側の様子はわかりかねるが、当日、登った方のYAMAP記事を見る限りは、真っ赤なヤマツツジの写真は出ていないようだった。それからすれば、前不動経由の咲き具合は他のコースに比べて良かったのかもしれない。

(12表示が出てきたところで)


(大岩)


(鍋割山前不動)


(横の斜面にはピンクと赤の混合)


 <鍋割山12>の目印看板が出てきて、前方に大岩。これは記憶にあった。岩の下に行くと前不動像。隣にはヤマツツジ。組み合わせでうまく撮れないものだろうかといろいろ工夫したが、ヘタなカメラ撮りには無理だった。せめてヤマツツジが真っ赤だったらよかったが、残念ながらのピンク。この前不動像、横の銘板には文化五年とあった。それは地元らしき長寒寺が再建した年で、それ以前に、先代の前不動像はあったらしい。ちなみに、後で調べると、前橋の冨士見に長桂寺はあったが、長寒寺はない。滝でもあれば別だが、ここに前後なく不動明王像だけが置かれているのが何とも不思議だ。しかし、ここの不動明王は憤怒の形相というよりも気難しい顔をしている。真っ赤なツツジの方が似合いそうだ。

(まったく飽きない)


(雨粒を含んで、新鮮味を感じる)


(とりあえず、この辺で休みにしておこうか)


(緩くなって)


(鍋割山11)


(その先にある石碑。いつも思うが、こんな石碑は下から担いで持ってきたわけではあるまい。近くで手頃な石を見つけ、石屋さんがその場で加工して文字を彫ったのだろうか)


 ここから通常コースまではなだらかという記憶はあったが、それは誤りで、ヤマツツジを見ながらの急登は続き、ようやく緩くなったところで<鍋割山11>。この先におかしな石碑がある。これは10年前にも確認しているが、見ると「覚明?之神 心霊神 …」とある。裏を見れば、昭和27年の講中の建立とある。先の前不動像とともに、こんな石碑が、裏通りに置かれた意図がよくわからない。これに続く石碑や石像が下にあるのだろうか。それを探索する気持ちは、今のところはない。

(そろそろ一般道に合流かと思う)


(道中で唯一見かけたミツバツツジ)


(こちらには負ける)


(合流ポイント)


 平坦な道になり、咲いたミツバツツジを初めて見た。終わりかけ。残念ながら、今日のミツバツツジとの出会いはここだけで、後はなかった。赤いヤマツツジを見ながら、通常コースと合流した。標識には、鍋割山との標高差は80mと記されている。

(ズミが出てくる。山頂にも大きい木があったが、さほどに好きな花でもない)


(真っ赤なのが少なくなった。陽の当たり具合だろうか)


(登山道脇で)


(そろそろ山頂のようだ)


(ズミとヤマツツジ)


 階段での80mは苦労も感じなかった。小花を見つけては写真を撮ったり、ここでズミが盛りに咲いているのを目にした。斜面には点々とヤマツツジ。小花はすべてピンボケだった。出発時のグループさんはもうとっくに山頂で休んでいる頃かと思う。前後にはだれもいない。

(山頂に到着。甲高い声は賑やかだった)


(一応撮っておく)


(腰掛けて休む)


 山頂に到着。小学校一年だか幼稚園児たちがいた。区別がつかなかったのは、引率者数人はすべて男性だったからで、ただ、小学生にしては皆、幼過ぎる感じがする。他に、一般ハイカーは5人ほど。あのグループさんたちの姿は見えない。もう下山したのだろうか。分乗して来ていたから、別の車デポで荒山高原登山口に下ったのかもしれない。
 風が通り抜け、ジャンパーを取り出して着込んだ。木株に腰掛けてコッペパンを食べながら景色を眺めた。ズミの木と、斜面にはヤマツツジがポツンポツン。空には薄雲が漂い、遠望はきかない。決して満足できる景色でもないが落ち着く。

(短時間ながらも楽しんだし、下山するか)


 せめて火起山まで往復してみようかと思ったが、ヤマツツジと前不動見物の目的は達したので、これで良しとして下山にかかる。
 10人ほどの団体さんが登って来た。その中に何人か、見知った顔があった。出発時のグループさんたちだった。疲れきった感じのオバちゃん達の間に4人のオジちゃんがガードといった行列のスタイルだ。待ちの態勢に入ると、先に下ってくれとのこと。疲れていれば、その分休めるから、登る側にはその方がありがたいものだ。逆の立場だったら、無駄に疲れてしまう。

(生き生きしたヤツの最後だったかも)


(ゴロゴロした大石が続く嫌な道)


(新緑はきれいだが、うっとうしい道は続く)


 前不動分岐を素通りして通常コースを下る。ここからヤマツツジの色彩は淡くなった。おそらくこれから出てくるだろうなと思いながら下って行くと、石ゴロのクネクネした坂になった。いきなり、右の膝頭を石に打ち付けた。痛いのなんのって。しばらく痛みが治まるのを待った。この石坂が長ければ先が思いやられる。黒檜の下もそうだが、こういうところの下りは気を遣う分大嫌いだ。

(ようやく普通の道になってくれた)


(下はダメかなと思っていたが)


(振り返って。手前は992m標高点あたりで、鍋割山はその奥かねぇ)


(この看板に「有料道路」とあった)


 この石ゴロ区間は想像以上に長かった。団体さんも、ここの登りで時間を取られたのだろう。女性の歩幅は狭かろうし、段差もきつかろう。しかし長い。うんざりしたところで展望が開け、道も石ころレベルになった。ヤマツツジは少なくなり、気まぐれで見かける程度。古い案内図看板が置かれていた。よく見てみると「赤城山有料道路」という表記があった。年代物だ。無料化されて30年経っている。この看板はそれ以前の物だ。つまらないことに感心し、有料時代に友人とドライブで大沼によく遊びに行ったことを思い出した。その友人も今は故人になってしまった。

(林道が見えた。その先にはゴルフ場)


(前不動コースに合流)


(登山口に帰着)


 林道が見えているがまだ高い。これから登る単独さんに出会う。ロープ伝いに下る。だんだん暑くなってきた。間近にホトトギスの鳴き声が聞こえる。どこにいるのだろう。2羽いる。じっとして、しばらく木の上を探し回った。結局見つけられなかった。
 登山口に到着。今回も3時間も歩かなかった。短時間歩きだが、まだ風邪が完全に抜けたわけではない。体調を考えれば手頃なタイムだろう。車の台数はそのままに、人の姿は見えない。このまま赤城自然園に行く予定でいたが、着替えもなく、身体がべっとりしていたので、さっさと家に帰って、冷たいビールでも飲んで昼寝することにしよう。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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