たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

大ドッケ界隈歩き

2011年03月06日 | 秩父の山
◎2011年3月5日(土)

<大日堂前駐車場(7:35)……例の自生地(9:51~10:30)……尾根合流(10:49)……大平山(11:39~11:48)……大ドッケ?(12:23)……地蔵峠(13:23)……大日堂前駐車場(13:36)>

 花好きのI男とK女が例の自生地に連れて行ってくれとせがむ。大方、一年前のぶなじろうさんのブログが印象にあったのだろう。オレは行ったこともないし、さほど花に造詣があるわけでもないのだが、しょうがないなあと同意した。そしたら、ついては、自分らが歩けるかどうか、雪の状況も合わせ下見をして来いとのこと。小学校の遠足ではあるまいし、これにはさすがに断りかけたが、次の打ち合わせ飲み会の会費はタダにしてくれると言い出したので、タダ酒に釣られたオレはつい安請け合いをしてしまった。ただ、例の自生地だけではつまらない。自分ながら本意でもない。例の自生地の位置は薄々、予測はついていたから、ついでに、大平山と大ドッケを回り、一度は見ておきたかった地蔵峠に下りてみよう。このルート、ヤブ天国かと思い、二の足を踏んでいたが、ぶなじろうさんの記事を拝見したところ、さほどのものでもないようだ。それ以来、人の背中押しだけをしているわけにもいかず、自分で歩いてみたかった。

 大日堂前駐車場には車がすでに3台あり、オッサン2人組が荷物を広げて準備をしていた。ワカンをザックに括りつけていたら、そんなものは要らないよとオッサンAに言われた。どこに行くのかと問われ、例の自生地とも言えず、大ドッケと答えたら、ましてやワカンは要らない。尾根道には雪がないよとまで言われた。親切に、巡視路を行けば楽だとまでアドバイスを受けた。ここに詳しいベテランのようだし、すんなりワカンは車に放り込む。2人は仙元尾根を登るそうだ。その先は聞かなかった。先に出発する。橋を渡るまで、今度は、正露丸をしっかりと確認しようと、鼻をひくひくさせて歩いた。薪が燃える臭いに混じり、確かに正露丸の香りがした。何だろう。煎じているのだろうか、それとも、製造しているのだろうか。後で調べると、正露丸の主成分のクレオソートなるものは、ブナ木を乾留させて精製するらしい。きっとこれだな。ブナの薪でも使っているのだろうか。でも、ぶなじろうさんが嗅いだのは、年間を通じている。ちょっと解せない。

(日陰にはまだ雪)


 さて、慣例に倣い、自生地までの悪戦苦闘ぶりは割愛。団体がバスでごそっと訪れる情況では、秘密も何もあったものではないが、自分から記すのは控えておこう。記したところで、それが元で行き着けなかったとされても困る。2か所でミスをしてしまった。1回目はロープが目に付き、ふらふらと下の川原まで下りてしまった。足場が悪く、登り返しが大変で、石で指をキズつけ、血が出てしまった。2回目は、本当にここからでいいのかと、何度も周辺をうろうろしたことだろうか。まっ、何とか予想通りのポイントに辿り着いたが、こんなトラブルで30分近くロスをした。

(こんなのが)


 歩き出しからの標高差は800mもあった。だれもいなかった。不思議に、途中からスパッツまで付けるくらいの雪があったのに、そこだけは陽が当たり、土が出ていた。最初から、下見気分で来ているから、満開はあてにはしていない。ほんの少しの開花で、ほとんどがまだ蕾。これからだ。かなりしばらく休んだ。ポカポカしてくつろげるところだ。花がなくとも気が休まる。オッサンが1人上がって来たのを潮に立ち退く。オッサンは毎年来ているとのこと。今日は、ここの往復だけだそうだ。開花が年々、早くなって来ている。去年は3月に入ってからの雪がしばらく残ったが、今年は今のところ降雪がないから早いかもとも。

(ここから上がってみた)

(向こうが本尾根)


 さて、オレにとってはこれからがメインの歩き。下見は済ませた。タダ酒飲みながら、大雪で、あんたらの足では無理だ、あきらめろと言えばいい。自生地の真横を見ると、かすかに踏み跡があった。ここから入ってみよう。すぐに道は明瞭になる。とはいっても、左右にスズタケが生い茂る中、刈り払われたような、1人でようやく通れるくらいの細い道だ。雪が付いていて、余計にはっきりとしている。これをしばらく追う。この間、手の甲にキズを付けて出血。2回目。いつも、手袋を2双持って歩いているのに、なぜかいつもはくのが嫌なんだよね。すぐに本尾根に出くわした。この部分、平らになっていて、休むにはいいかもしれない。考えてみれば、地蔵峠から登るよりも、例の自生地経由が早いだろうか。ここもしばらくはスズタケ通りになっている。やがて尾根も広くなる。先行者の足跡は昨日以前のものだろう。雪は固い。足跡は窪みになっているので、それに合わせて歩く形になる。どうも歩幅が狭くて、合わせていると、余計に疲れる。息が上がる始末だ。だけど、踏んでいないところを歩く勇気がない。

(大平山への道)

(大平山山頂)


 1469mポイントを通過。一旦、下って、また上がる。尾根もさらに広くなり、後は急な登りもなく、あっさりと大平山に着いた。昨年5月以来。あの時は反対側から入り、このルートに入るのが何やら恐く、林道をテクテクと歩いて下った。あの時に比べ、この時期はからっと明るい。今日は夕方から床屋の予約を入れている。のんびりもしていられない。10分休憩で戻ることにする。ここで、帰る準備をしていたら、大クビレの方から、ドカドカと、男性2人がやって来た。そして、大平山で休むわけでもなく素通り。かなりの健脚と見受ける。こちらは瞬間、下山準備を取り消したりしてしまい、後につく形になってしまった。タイミングが悪すぎる。ところが、距離が離れない。むしろ、こちらが遠慮気味な歩き。とうとう、間もなく、先行を譲られる。

(大ドッケへの道はさらに厳しいものになる)

(ここが大ドッケ?)


 しばらくは、来た足跡を下るだけ。雪もまだ固く、今度は自分の歩幅で歩く。そして、例の自生地からの合流に出る。足跡も、一気に薄くはなったが、先に続いている。また、スズタケ通り。今の季節だからまだいいのだろう。これが春先になったら分からなくなるだろうな。大ドッケのピークというのはどこなのか分からない。きっと、朽ちかけた標示板のあるところだろうか。その手前のピークだったかもしれない。立ち止まって、地形図を見ていたら、後ろから、例の2人が来た。速いじゃないの。いろいろと話もしたいところだが、何やら、声をかけづらい雰囲気がある。無駄口はたたかないといった、かつての山男の典型みたい。一応、車を川俣に置いてあるから、地蔵峠に下るということだけは聞き出した。だったら、一緒じゃないの。どういうルートでここに至ったのか、えらく気になる。仙元尾根から歩いたとしたらすこぶるタフネス。ここで、先に行っていただき、その後を確実に下ることを考えたが、夢想で終わった。休憩に入られてしまった。仕方がない、スズタケ通りを拾って下る。

(峠ノ尾根を下る)


 ちょっと下ると尾根を前にして、正面と左に分岐する。左は尾根を迂回し、直進は尾根に上がる。足跡は左に下っていた。こちらが明瞭。地形図を見て、ここは正面だろう。また、後ろの2人。もう、いい加減、先行して欲しいところだが、また休憩。いっしょに休憩に入るのも不自然で、そのまま直進した。やがて雪もなくなり、スズタケも消えた。とにかく、どんどん下る。林の中に入るのも数回。尾根形ははっきりとしている。これが、峠ノ尾根だということを確信する。この先に尾根の分岐がもう一か所あるはずだが、気づかないくらいで、そのまま下った。とうとう、後ろからの気配は完全になくなった。本当に休憩だったのか、さっきのところを左に行ってしまったのか。かなり下に集落が見えてきた。

(地蔵峠の石祠)


 鉄塔61号に出会う。ここで本当に休憩。右を巡視路が下っている。ここまで来ればもう安心か。ここから、地蔵峠に出てもいいが、そこから先、民家に下りたとか、ガケに出たといったネット記事を目にしている。今朝のオッサンのアドバイスもある。巡視路を下った方がいいだろう。巡視路を下る。蛇足ながら、ネット記事といえば、例の自生地への記事、内容の大半はあてにならないことが分かった。今日の状況では、固定物もあったりなかったり、番号も違っていたり、横切る沢やネット越えの数もえらく違っていたりだった。そういうものだろうし、過信するのもおかしな話。自分の足の体験ほど確実なものはない。年代物の「細久保地蔵峠ハイキングコース」の道標が倒れたままになっている。巡視路とはいっても、尾根の脇道みたいなもので、結局、地蔵峠に出てしまった。このご神木らしい大木とお地蔵さんだけは見たかった。もう、これで大ドッケに行くこともないか。ただ、ぶなじろうさんが目にした紅葉のきれいさも捨てがたい。

 巡視路は何回か分岐する。確実なところもなく、左、右、右で下ったら、今朝の自生地に向かう道に着いた。暑いくらいだ。橋を渡り、駐車場に向かう。また、鼻をひくひくさせる。嫌な臭いというものは、つい、嗅いで、自ら確認してみたくなるものだ。今度は臭いはしなかった。ストーブを消したのか。車は自分のを含めて5台。1台の空きスペース。端の1台から、2人、釣り竿を提げて、林道の上に向かって歩いて行った。高校生らしいのが2人、バスを待っている。こちらは、車の陰で着替えをする。スパッツはもう泥んこになっている。バスがやってきた。慌てて、エンジンをかけて出発。バスの後ろにはつきたくない。橋を通る時、例の2人が歩いて来た。今日は大平山と大ドッケを歩けて満足した。

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8 コメント

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Unknown (K女)
2011-03-06 14:14:21
下見ご苦労さま。
でも、これでは私たちでも行けるのかどうかわかりません。詳しいことは打ち合わせの時にでもおしえてください。迷い易いところもあるみたいですね。
あとは、私の体力ですか。I男君は大丈夫でしょうけど。
雪がまだまだあり、泥だらけ覚悟の服装が必要かな。
ぶなじろうさんのブログを見て、近くだし行ってみたいとずっと思っていました。気軽に行ってはいけないところでしょうけど。だから余計に行ってみたくなってしまうのです。
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K女さん (たそがれオヤジ)
2011-03-06 14:55:38
下見は疲れました。これでは、タダ酒も2回ですね。
行ける行けないは別にして、途中、立ち枯れの東屋がいくつかありますから、待ち合わせ場所には事欠きませんでしたよ。
満開の時には、案内人も不要だと思います。後をくっついて行けばいいだけのことですから。
ネット記事もわんさかとあるし、どういうものなのですかね。気持ちは複雑ですよ。
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Unknown (ぶなじろう)
2011-03-06 22:13:41
今晩は。
たそがれオヤジさん、意地悪言わず連れてっておやんなさいまし。見栄えしますから。

K女さん、沢に下りるところだけ少し気を付けてくださいネ。あとは、大丈夫です。

それにしても、花園から大平山ですか!花園からの藪の切れ目はおいらも確認しましたです。傍にいたオッサンの話では、急で尾根まで結構キツイと言っていました。アッサリと歩かれるあたり、さすがです。
大日堂や大平山山中で人に出会うとは!人々の指向が少し変わりつつあるのか?

正露丸の臭い、ついに確認して頂けましたか!
なんとなく、嬉しいです。
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大平山 (ハイトス)
2011-03-06 23:05:04
こんばんは。
自分は大平山と云えばやはり足尾の松木山を連想してしまいます。
こちらの大平山も訪れる人もまれな静かな山なのですね。
下見に行かれるとはエライ!です。
K女さん、I男さん、優しい先輩を持って幸せですね。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-03-07 05:49:27
見栄えねぇ。そんな光景は想像しづらいですけどね。
そのオッサンの話、急とは?といったところでした。急なところはどこもありませんでしたよ。まさにアッサリと歩けます。
この辺なのですよね。ネット情報と同じで、他人の見聞きする話よりも、自分の足の体験が確かです。
あの正露丸の臭いをかいだためなのでしょうか。翌日は、花粉症知らずの私が、終日、涙目でいました。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-03-07 05:52:35
こちらの大平山もオタク系の山です。ぶなじろうさんのブログで知った山です。
ハイトスさんに、この山をお薦めはしませんが、途中の花園だけはぜひ。月末が見頃かと思います。
おKさん連れでも、全然、問題なく行けますから。

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タダ酒 (I男)
2011-03-07 16:18:28
下見お疲れ様でした!
早く大ドッケみたいですね。雪も少し残ってるみたいだし楽しみです。
あとは、約束のタダ酒ですねU+203C
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I男君 (たそがれオヤジ)
2011-03-07 21:52:05
おそらく携帯からコメントを入れたのだろうな。最後は顔マークだろうね。U+203Cとはこんな顔か?
君が大ドッケを知っていたとは驚きだ。
まっ、ぶなじろうさんのお薦めもあるし、見栄えしながら歩いてみようか。
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