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フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

反射板を動かす時

2009-12-15 | フルート本体
フルートの反射板。頭部管の中にあるやつ。

位置は、17mmと決められている。
アマチュアの私には、理由はわからないのだが、おそらくは音響学的に何かある?のだろう。

##
管楽器のダクのホームページでは、「頭部管の反射板の位置はメーカーによって推奨位置が異なります。 反射板の位置が大きく狂うと、低音と高音の音程のバランスが くずれたり、フルートが本来持っている豊かな響きが得られなく なります。
ダクの精密掃除棒は17.0mm、17.3mm、17.4mmの3種類、 下記の表をご参照の上、お求めください」・・・「同じメーカーの頭部管でも、スタイルや時代によって推奨位置が異なるものもあります。」
とあるので、メーカーによっていろいろ異なるらしい、ということはわかるが。

で、実際のところはどうなの?

学生の頃などは、まともに調整していない楽器を使っているなんていうことはおそらくザラで、反射板って何? という人も多いはず。しかしながら大半は、かなり狂っていてもそんなことには気づかず、修理屋さんに狂ってるよ、といわれて、じゃあ直してください。以上。

なんという程度ではないのだろうか。ほとんどの人は。


最近、高音域でいまいち音程、というか音程感が合いにくいということがちょっとした課題となっていた。
私としては珍しくチューナーなど使っていろいろ試して、メーター上はなんとかなるも、なんか納得いかない。

そこで師匠に相談してみた。

ちょろりょろ、と師匠が私の楽器を吹いた後、「そういうことか」と言い、反射板の位置を少しずらしては吹き、ずらしては吹き、と何かしら位置を調整してくれたところ、なんとかなり音程「感」が(!私としては!)合いやすくなった。

たまに反射板の位置は調整したほうがいいよ、と師匠は言う。
ほとんどの修理屋さんは、きちんと17mmに調整したら動かすべきではないというけれど、と。
前後2mm位は十分に調整範囲だそうだ。


!!! 良い子の皆さんは真似しないように !!!


そのときの調整値(但しおよそほ目測)は、17mmよりやや短く、16.5mmぐらいか。(サンキョウ)
帰宅後に改めていろいろいじってみたら、やはり同じぐらいになった。
もうひとつのマテキは、ほぼジャスト中央の17mmになった。

どうやって、その位置を判断するのか。

!!! 良い子のみなさんは真似しないように。 !!!
・・・そう言われると、タバコと一緒で真似したくなるよね(笑)


Eの運指で中音域のHをハーモニクスで出した音と、実際の運指で出したH、の響きの違い
同じく、Fis-Cis 、F-C、Des-B、D-A、といろいろ試し、ハーモニクスと実際の音の「響き」の差が最も少ない位置を選ぶ。
おそらく少し経験のある人ならば、クラウンを1/4回転でも回してみると、ハーモニクスの響きが良くなったり悪くなったり、特定の音だけが突出してしまったりという現象がすぐに確認できるだろう。そしてあるポイントで、均一に近い響きが出るときがある。そう、そこそこ。

楽器の調子などにより、最適ポイントが一定とは限らないので、たまに調整することを師匠は勧める。それに固着したりしないように、たまには動かした方がいい、とまで。


興味のある人は自己責任で。
ハーモニクスとか、17mmとか、反射板の調整のしかたとかを知らない人、そして反射板を調整したことのない人は、決して触るべからず。

けど、やってみると面白いかも。
おすすめは、しないけど。
何かあっても、責任とりませぬ。

間違えた!

2009-10-01 | フルート本体
なあんてブログに書いていたからか、早速オケに持って行く頭部管を間違えた!

サンキョウのフルートケースに吹奏楽用に入れていたアキヤマの頭部管のまま、オケに行ってしまった。

アキヤマの頭部管はスポットが小さくてリスキー(今はhpから消えていたが、オーバルタイプというやつ。やや小さい楕円形の孔があいている。ふつうの四角いカットの頭部管は、リスキーではないはず。)なのだが、買ってしばらくは楽しく使っていた。

しかし、咳が残って困っていた時の本番前日のオケのゲネプロで、なぜかソロ部分で音がでなくなった。
エキストラさんに心配される始末。
咳止めで感覚が鈍っていたのか?
で、急遽本番はもともとのサンキョウのスタンダード頭部管に戻して、無事?本番通過。

以来、それまでは難しい楽器を使いこなすことこそがエライ、という価値観が、いやいや、安全第一! へと180度転向。

それを思い出すと、いまだに冷や汗。
そんなことを再び思い出しつつ練習に参加。


サンキョウとアキヤマの頭部管では、特に低音域での息を入れる方向が違う。
アキヤマの方が、低音域では大きく入れる角度をより下向きに変えないといけない。
あと、一番上のEやFisという嫌な音のコツが多少違うので、最初はいくつかの音を外してしまったが、それは単なるウォーミングアップ不足とも言える。

人によっては、そのような感触の違いを嫌がって違う楽器を使いたくない人もいるだろうし、自分も昔はそうだった。

なんだか最近は、だいぶ大雑把になってきたな、と思う。
頭部管や楽器を平気でとっかえひっかえしている師匠に似てきたのか!?

40周年モデル

2009-09-12 | フルート本体
サンキョウから40周年記念なるモデルが出た。
管楽器系の雑誌も買わないのでそんなことは知らなかったのだけれど、少し前の山野楽器でのフルートフェアにあまり時間がなく少しだけ行った時に見つけた。

第一印象。

「これいいっ、欲しい!!」

何がいいって・・・彫刻がきれい。


ムラマツの楽器(の一部?)は、標準でEbキーに彫刻がはいっているらしい。
吹奏楽の知人がムラマツ買って、なんで中途半端に一個しか彫刻入れなかったの?と聞いたら、これが標準だ、と言っていたのでたぶんそうなのだろう。


いくつかのメーカーの彫刻入りフルート。彫りがいまいち浅かったり、細かったり、パターンがいまいちだったりでなんとなくピンとこないかなあ、というのが私の感覚。

ハンドメイドに彫刻入れたいのなら、メーカーによってはパターンも指定できたりするが、自分はそんなにセンスがいいわけではない。
しかも、彫刻料がとっっっっっっっても高価。

で、号泣しながら断念した経緯もある。


この記念モデルは、記念ということで、アーティストの価格据え置きで、あのきれいな彫刻が入るというのがミソ。
機械彫りということで、比較的安価ということらしい。
某社の、リッププレートやリングが金、というよりぜんぜん惹かれてしまう。

すごい、私の楽器にも入れてほしいよぉ~ よぉ~ よぉ~
(たぶん後での彫りは無理)

うらやましい。


勧められるがままに、ちょびっと試奏してみた。


んんんん~、
んんんん~、
んんんん~。

なんと言ったらいいか、手応えがない。


説明員氏が教えてくれたところによると、管体は従来アーティストと同じだが、キーポストの形状が違うらしい。
で、だから、鳴りが軽く、楽に鳴らしやすくなっているのだということ。

むむぅ。

次に、従来モデルのアーティストを試す。

そうそうそうそう。こんな感じ。こんな感じ。
私の思うサンキョウに近い(当たり前だ)。


いろいろ、その後師匠にも聞いたりして統合して私が理解した所によると。


従来アーティストはその上位のセミハンドメイドに近い感じであったが、もう少しステップアップユーザーに売りやすくするため、とっつき易い方向に振ったということらしい。

なので、私のようにハンドメイドの「手応え」系の楽器を既に持っている人には何か物足りない印象があるかもしれないということらしい。

まぁ、営業判断なのだろうから仕方ないね。

いやいや、そういう鳴りが好きな人もきっといる。だから一概に良くないとは言えない。


少なくとも、私には用なし、というだけのこと。
彫刻は惜しいが、仕方ない。
そういう我がままな人は、セミハンドメイド以上を買えと。そういうこと。


まあ、私も初心者に近い知人が、ムラマツ、サンキョウの「旧来の手応え系」フルートでは私がどんなに勧めてもどうしてもまともに音が出ず、結局他の「ずっぽり音が出る」系のメーカーでしかも有り得ない系ずぼずぼ頭部管を付けての楽器に流れてしまったのをリアルに目撃しているので、もう何も言えない。

理念もいいが、それ以前に食えることが重要だ。
サンキョウも、理念や趣味性の高さだけでは食べられなくなってしまったということだろうか。
確かに、私のような人間がファンにつくようでは、一般性に乏しいのかもしれない?(笑)


趣味性の高い分野の商品は、高級品の方がより使い手を選ぶ傾向があった。
ただ、普通に考えれば、お金を出せば出すほどより容易に性能を発揮されて当然、という考え方もできる。

前者は、例えばスポーツカーだし、後者は例えばリビング系セダン。


ヤマハは偉いし凄いと思った。

ビジューのような、普通ならなかなかまともに吹けないような極嗜好性モデルがあったかと思えば、メルビーユのように「たくさんお金を払ってくれる人こそが最上のお客様」なのだからより上手であるかのように聞こえるように気分よく吹かせてあげる的な資本主義的ファーストクラスホスピタリティラグジュアリーモデルも出してみたりもする。


どうせだったら、従来アーティストは残し、アーティストとは違うモデル名、あるいはブランドにしたらよかったのではと思う。
ついでに頭部管のカットもずっぽり系に変えてしまって。(頭部管や管体は同じであるとメーカーは主張している)



それにしても、あの彫刻は魅力的すぎる。浅すぎず深すぎず、目立ちすぎず目立たなすぎず、自己主張の度合いが(私にとって)ちょうど良い。


あの吹き味が好きであれば、他人の意見に左右される必要は全くなく、あの彫刻モデルは絶対に買い。
買ったら私に見せてくれれば、満足いくまで死ぬほどうらやましがってあげるられる自信がある。



彫刻アーティストは、なんとも微妙なポジションなのであった。

私の好きな音色とは?

2009-05-23 | フルート本体
パウエルから新しいフィジョーネなる頭部管が出て、これがかなり良い、という話を師匠から聞いた。

どの位良いのかというと、(私のあいまいな記憶によれば)試作?デモ?として入ってきたこの頭部管を試してみたあるプロ演奏家が気に入ってしまい、そのまま持って帰って、そのまま仕事に使い始めて、そのままご購入。とのこと。

買うというほどのものではなくても、世の中にこういうものがあるんだ、という意味で機会があれば試してみたらどうか、という師匠のお勧めもあった。


たまたま銀座方面に出たとき、山野楽器がフルートフェアで、たまたまパウエルの日だったので、ちょこっと試させてもらった。

よくパウエルのモデルはわからないが、銀の半田付け本体にその頭部管をつけてもらった。

吹いたところ、上から下まで音量の大小かかわらず、すごくレスポンス良い。
特に、最高音域でのppのアタックが、パウエルらしい音のまま(?)、何事もなくうまく決まるのにはとても感心した。

残念ながら私はパウエル通ではないので、この特徴が昔からなのか、新頭部管の威力なのか、実は特徴が別のところにあるのか、などはよくわからない。

とにかく、抜群に操作性がいいと思ったのは確か。音の広がりもすごくいい。


その後別の知人に、その人のパウエルを吹かせてもらう機会があったが、それはもう今のと比べるとオールドなモデル、ということらしく、もう少し扱いが難しくて響きはもう少し焦点を絞ったような感じだったので、上の感想は当たらずとも遠からずではないかと思う。


その後、久しぶりに自分好みの楽器や音色について考えてみた。

その新しいパウエルは、私の感覚ではピンとこなかったのは確か。
安全第一ということでいつも使っているサンキョウよりも、おそらくは安全度がもう一段高そうではあるのだけれど。でも何か違う。
このパウエルに対して音が悪い、という人も、おそらくどこにもいないだろうことは確かなのだけど。

でも、やっぱり、良い=好き、ではない。


最近なぜかフロイト・ユング精神分析やら脳科学やら社会経済学、音楽心理学なんていうものを拾い読みするようになっているからか、自分の音色の認識、というか価値観がどうなっているのか気になって仕方がない。


と。ふと、ひらめいた!


久しぶりに死蔵状態となっていた「篠笛」を取り出して、鳴らしてみた。


おおおっ

もしかして、これか!?
私の笛の音色の原風景は。


思い出せば私がまだ小さいころ、親に連れられて、天理教の教会で行われている書道教室に通っていたことがある(信者ではない)。

で、その天理教では太鼓やら笛やらちゃっぱやら拍子木やらの鳴り物を使って舞?みたいなことをやっていて(お経みたいなもの?)、その時に幼いながらも笛に興味を持ったことを思い出した。

もちろん、お祭り好きというわけではないが、祭囃子(の笛)は大好きだ。


そのあたりの幼児体験から、もしかしたら金製やグラナディラ製フルートや海外製フルート(何故か古いヘインズ除く)が今いち私にピンとこない理由なのかもしれない。

サンキョウが篠笛的か?と言われると少々苦しいが、倍音要素は近いかもしれない。マテキは篠笛的なものから大きくははずれていないと思うし、私の嫌いな湿っぽいムラマツは少なくとも祭囃子的乾いた明るさはないと思う。いまだに好きになれない金製フルートの多くは、篠笛とは対極な音色であると言えよう。


どうだろう、私と似た原風景を持つ人向けに、竹でフルート(みたいな横笛で、西洋の音楽を充分に演奏可能なもの)を作ってみるというのは。
技術的に問題は多々ありそうだが、実現したら、これこそジャパニーズなフルートではないだろうか????

コルク交換

2009-01-26 | フルート本体
マテキ君の頭部管のコルクを交換した。

前回の調整時に、そろそろ次では変えた方がいいよと言われていたので、ピッコロのタンポが破れたついでに交換してもらった。

マテキ君は、どうもアタックが重い。
一度音が出てしまえばいいのだが、最初の反応が難しい。

ので、リスクをとりたくないオケでは専らサンキョウを。

マテキ君は、私の持っている楽器の中では比較的音色変化がつけやすくリスクも取れるのでレッスン用。そしてまた、管が短い(C足部感だから)ので、人が混んでいる吹奏楽用として使っている。


で。コルク交換してもらってびっくり。

これが、鳴る、鳴る。
今までの反応の鈍さ?がウソのよう。

そういえば、マテキを選んだ理由の一つとしてぱきぱきと良く鳴る、というのがあったことを思い出した。
巻き管らしく輪郭のある響きと、マテキらしいぱりぱりのパワフルな鳴りがパワーアップして復活。

素晴らしすぎる。


何年もたった楽器のコルクは固まって小さくなり、いまいちきっちりと止まらなくなり、響きが衰えるらしい?

いつも行く修理屋さんでは、頭部管をコンコンと叩いて内部?のチェックをする。この時に響きが悪いと、クラウンやコルクを増し締めすることによって頭部管の響きが復活させる。これがなんだか良く効くのである。

新しいコルクだから、すぐに初期のゆるみがでるだろうが、これを一ヶ月後ぐらいに増し締めしてもらいさえすれば、当分の間は良い響きが続く・・・予定。


というわけで、今度オケでも使ってみようと思っている。

好きでもないのにクリスマス

2008-12-19 | フルート本体
吹奏楽世界に住む人はほとんどそうだと思うが、どうもこの時期はクリスマスコンサートと名の付くものが多い。

だがクリスチャンではない私は、どうもクリスマスというものが好きではない(もう少し若かったときに良い想い出がなかっただけという説もある(笑))
年始にお寺や神社へ行く、たまに法事でお寺へ行く、結婚式に行けばフェイクな教会(あるいは仮設神社)に入場する。ほとんどの人はそれだけなのに、何が楽しい?クリスマス。

それでもなんと、今年の12月は「クリスマスコンサート」と名の付くものが3回、木管アンサンブル関係での発表会類が2回。計五回の人前演奏。まさに、師走。

クリスマスコンサートのうち、赤い帽子のみをかぶるのが1回。

他の1回は、私としては初めての上下赤衣装。数千円で買えるんですねぇ、こういう衣装。
今回私が初参加となる木管五重奏での演奏では、サンタ、ツリー、トナカイ、天使、雪だるま(?)、と揃えるらしい。
好きな人は好きなんだなぁ・・・・理解不能だが、楽しくなくはない(笑)

ラストの一回は、特に決まりはないが、上記衣装でチャレンジしようかと思っている。
去年は、演奏の少し前に急遽近所の百円ショップへ行くも、めぼしいサイズのグッズはほとんど売り切れ。この手の季節商品は早めの手配が必要・・・と思った記憶がある。

クリスマスは好きではないと言いつつも、例えばリハビリ施設のようなところでの演奏だとみんな本気で喜んでくれるからうれしい。

これからしばらくは、仕事は早く切り上げて・・・・不況で残業規制も厳しくなっていることもあるし・・・・クリスマスキャロルを練習しなくっちゃ。

コタケはだめだった

2008-12-11 | フルート本体
サンキョウのクラウンがマテキについたので、調子に乗って今度はコタケのフルートにつけようとしてみたら、ダメだった。

ネジのピッチが違うみたい。

残念。

なんで違うんだろう。
アメリカ向けのインチ系だったとか?

またまたクラウン交換

2008-12-08 | フルート本体
前に、サンキョウのクラウンを交換してみた話を書いた。

そこで余ってしまったクラウンの2型(仮称)は、その後防音室に転がっていたわけであるが、ふと、マテキのクラウンとその2型を交換してみた・・・・ら問題なく(たぶん)くっついてしまった。

私の古いタイプのマテキはかなりヘビーデューティーな感じなクラウンがついているのだが、今のものはもう少し軽そうなのがついてた気がする・・・・のだが、サンキョウのそれを使うと、なんかだいぶ吹きやすくなった感じだ。

それでは!

というわけで、先日木管アンサンブル練習の合間を使って、マテキ君にサンキョウの3型(仮称)クラウンをつけてみた。家のアビテックスでやればいいんだけれど、吹奏感の違いはその中ではわかるんだけど、音色の違いはいまいちよくわからない・・・

結果としては、あれほど手強かったマテキ君がウソのようにあたりの柔らかい楽器に。
これだったら、バッハの管弦楽組曲の前奏曲を吹き通すのが非常につらかったものが、これならなんとかいけるかも?というほど違う。

というわけで、もう一個クラウンを池袋に買いに行こうか思案中。
これだけ違えば安いものだ。

何となくメーカー間を超えての交換には挑戦してこなかったが、もとフルートメーカー勤務の知人によればみんなそのあたりの仕様は同じようなもの(ネジの仕様?)らしいので、意外と派生メーカー、例えばムラマツ派生系のメーカーではみんな互換性がある、なんていうことがあるかもしれない。

試したい物好きなひとは自己責任で。
ちなみに、私の知人にはアキヤマ頭部管にサンキョウクラウンをつけている人もいる。それが調子よくいっているのかは不明。

久しぶりのフルートフェア

2008-08-19 | フルート本体
ちょっと古い話になるけれど、お盆前に銀座山野楽器でフルートフェアみたいなものをやっていたので行ってみた。
ほぼ一通りの国産楽器がメーカー別にならんでいて吹き比べることができる。

あまり時間がなかったので、ぐるっとまわりつつちょろちょろっとお目当てをかじってみた。


今回の第一のお目当て。

パールの「グラナディッテ」なる怪しげな命名がされた素材を使った、かなり安価なピッコロ。
この値段なので、台湾製ということである。
台湾製だから悪い、というつもりは毛頭なくて、よくこの値段で出したなぁ、というポジティブな意見である。

私の持っているパールのアルトフルートも台湾製で、キーの造りや設計にはいろいろ言いたいことはあるが概ね良好で、パールの台湾製に関しては良いイメージを持っている。

ピッコロに関しては、吹いたのは少しの時間ではあるが、音はすごく良く出る。反応も良い。

全音域で良くでる・・・と書きたかったところだが、吹いたのは高いBbまで(それ以上は耳鳴りがしそうでやめた(笑))。

少なくともそこまではばりばりに良く出る。ネットを見ていたら、このピッコロを購入された方のコメントとして、最高音域HとCは出ないがその下は良く出る、と書いてあるものを発見した(笑)。
なのでここで全音域・・・・と書くとウソになった可能性がある。が、少なくともBbまでは良く出るのはウラがとれている(笑)。

営業さんに、「どうですか?」と聞かれたので、「なんだか立ちますねぇ」と答えた。

どうやらこれに似た意見は良く出ているようである。
「立つ」とは何かは説明しにくいけれど、音量が立ってしまう。ちょっと小編成のオケで使うとうるさそうな感じ? ブラバンばりばりなら全然問題はなさそう。

それでも設計的に「立」たないような努力はしてきているみたい。

音色は、なんというか、木と塩ビ管を足して2で割ったような感触?で不思議。
私のPハンミッヒの、いかにも木ですっ、というのとはだいぶ違う感じはする。

でも、値段を思えばすげーいいかな、とも思った。


そして、このピッコロのニュースを見た人ならおそらくは誰もが感じているであろう、「グラナディッテのフルートはないの?」という質問をしてみたっ。

ピッコロがこの値段ならば、木管「もどき」フルートの値段もそーとーに期待できるではないか!
いよいよ、多くの人が手に届く、銀管のサブとして使える、木管(もどき)フルート登場か!!!?

営業氏曰く、「もちろん試作はあります」。「キーメカニズムがグラナディッテというのもあります」

なんとぉ!

で、どんな感じなんですか???

「・・・・・・」
営業氏、試作のできばえについては、何故か口を割らず。
よほど変な出来だったのか、さもなくば発売予定あり??
話の感じだと、どうも前者のような・・・・・?

でもさあ、よほどひどいものでない限り、ああいう場では展示すればいいのに。
話題作りになるから絶対メーカーにとってプラスになると思うのだけれど。

パールの展示会や上野のギャラリーに行くよいこの皆さんは、必ず一言「グラナディッテのフルートはないの?」と呪文を唱えよう。

みんなの現世利益間違いなし。



次のお目当て。

それは、ミヤザワのブロガーシステムなるもの。
別にそういう名前の製品があるわけではなくて、キーメカニズムにそういう名前の、けっこうお金のかかるオプション仕様がある。

フルートのキーの構造は、芯金にピンを打ってキーを固定する部分があって、どうやらそれがとても嫌なものらしい。で、例えばパールフルートだと、ピンレスメカニズムとか言って、このピンを使わないで済む構造をわざわざとっていたりする。

私的には、そのピンレスメカニズムのミヤザワ版(ブロガー氏より購入?)がこのブロガーシステム、と理解している(合ってるのかしら?)。ただ、このブロガーはかなりパールのピンレスよりも外観的特徴が強い。特に左手親指キーのあたりは特徴的で、俺のは少し違うぜ!的満足感がありそうではある。

で、同仕様の楽器でブロガーと通常のキーメカニズムのものを比べさせてもらった。

が、どうも違いがよくわからない(>_<)

もう少し時間をかけて試せれば良かったのだが・・・・


そもそも、本質的に問題を内包している製品があって、ユーザーにもっとお金を出させることによってそれを解決してあげましょう、という思想が嫌いである。メーカー的にはいろいろコストとかライセンスとかの問題があるのかもしれないけれど。

思えば、私がマテキを買ったとき。マテキにはやはり「左ピンレス」というオプションがあってどうする?と聞かれた。内容を聞くと、ほとんどメンテの話ばかりが出てきて、音の話にはならない。要は、職人さん視点の議論。私にはあまりメリットもなさそうだし、高価だし、迷わずこのオプションは却下。確かに今までAisレバーの動きが悪いかな?と思ったことがないではないが、通常のメンテで対応してくれる範囲であったし、ガタが出たとかそういうこともなく10年以上使って問題ないし、で、費用対効果を考えても別に後悔していない。

やっぱり、こういうメカニズムは標準にしてこそ意味があると思う。パールは偉い?
私の中のミヤザワの評価が下がることはないが、パールの評価が少し上がったのであった(笑)。


最後のお目当て。

時間がないので、これが最後となった。
それは、サンキョウの「エスプリ」。

山野楽器のオーダー仕様だそうで、要するに、総銀のアーティストに、薄い管厚と低めのライザーという仕様。

仕様から想像されるとおり、軽く軽快に明るく響いた。

中学・高校の頃。これは金管楽器の話であるが、ヤマハはすぐに鳴るからダメ。バックは最初鳴らないけどだんだん鳴るようになるから良い、なんて話が通っていて。要は、重いものを鳴らせるようになるのが偉い、みたいな、ステレオタイプ。今でもそんなこと言われているのだろうか?
フルートもそう。重い材質、重い管体を鳴らせてこそ一人前。昔はそう思っていたから、このエスプリの仕様も結構昔からあったけれど、そんなわけで「何それ?」的に試したこともなかった。どうせだったら厚管にすれば?みたいな。

でも、今吹いてみると、なかなかいいよ、これ、と思う。

もしかして、ちょっと大人になったのかな? と思ったのであった。(既に十分おじさんであるが・・・)

アルトフルートは何故G管か

2008-07-08 | フルート本体
長年、何故アルトフルートがG管なのか疑問に思っていた。

楽器屋さんに聞いてもよくわからず、先生に聞くと、たぶんF管だったら倍音構成が変わってあーいう音はでないからじゃないかなぁ、というコメント。

私としては、できることならF管が良かったのに、と思っていた。

何故かというと、べつにコントラアルトフルートとか、ダブルコントラアルトフルートがF管だから・・・・ではない。

もしアルトフルートがF管だったのなら、ちょうどリコーダーのソプラノとアルトの持ち替えと同じで、Cの楽譜で読み替えが楽になるから。私はクラリネットの経験があるので、この読み替えはどうと言うことはない。クラリネットの下の音域と同じ運指でアルトフルートを吹き、普通のフルートはクラリネットの真ん中の音域と同じように考えて演奏すればいい。

これだったら、ジャズクラスに行っても(最近ご無沙汰・・・)問題なくフツーに書き換えなくてもリードシートを読める!


この疑問の答えは、あっさりとWikipediaに出ていた。
先生のコメントの通り、やはり音色の点でF管はG管に淘汰されてしまったということらしい。

普通のクラリネットのB管とC感の音色の違いを考えると、1全音の違いの音色に与える影響はそれほど大きかったということもなんとなく納得できる。

それならば。
B管のフルートがあれば試してみたいかも。

サンキョウからは、A管のフルートダモーレが出ている。昔試奏したが、それほど感動しなかった。サンキョウのアルトフルートはそれほどアルトらしい音色だとは思わなかった、というか、低い音の出るフルート、ぐらいにしか思わなかったけれど、それと同じだからか。

パールミヤザワのアルトはなかなか音色はよいと思うので、そのどちらかが作ってくれればいいのにと思う。
アルタスのカタログか何かでAでもBでもフルートダモーレを作る、というのを見た記憶があるが、アルタスのフルートはあまり好きではないので(今は違うかも・・・)、別にいいや。

なんでB管がいいか、はちゃんと理由がある。

クラリネットをやっていた経験があるので、私のいいかげんな絶対音感では、ドレミの聴音がinCやinBがごっちゃになるという困った現象があるからである。特に、B管やEb管の管楽器の音はほとんどinBで聞こえてしまう。どうやら私の耳は実際の音程と、音色感との両方でドレミを判定するような回路になってしまっているようだ(泣)。

なので、他の管楽器と聞いて何か合わせる場合はB管の方が私的には便利。
セッションにも参加してみようと思うだろうというもの(本当か?)

ジャズのサックス奏者が持ち替えるのも、実はB管の方が便利なのでは?
(本当に才能ある奏者は、調性なんて関係ないのかもしれないが)


是非パールかミヤザワあたりでB管フルート作ってくれないかしら。
ジャズ奏者持ち替え向け、とか言えばそこそこ売れるかもよ???

   ・・・・・って、買えないと思うけど。