30万個の電球で輝く入場門
飲むのはフィノ(Fino)と呼ぶヘレス(jerez/シェリー酒)で踊るのはセビジャ-ナス(sevillanas)です。食べるのはペスカィート(pescaito/pescadito)で通じてしまう、サカナのフライです。この一週間飲んで踊って騒ぐのがフェリア・デ・アブリィル(Feria de Abril/4月の市)で、セビージャの春祭りです。昨日(4月23日と言っても、24日の午前0時)馬鹿騒ぎが始まり、29日(日)まで遊び惚けます。
フェリア会場にはテント小屋が建ち並び、遊園地もできます。夜はすごい人出なので、スリやドロボーもめっちゃ多いです。こっちもシェリーで酔っ払っているので、防ぎようが無いです。飲み代の小銭は分けてポケットに入れて、帰りのタクシー代は靴の中にでも隠しておくことですね。カードなんてご法度です。僕の友達は、すっかりスられちゃったけど道に落ちていた50ユーロ札でホテルへ帰れた、なんて言ってました。馬鹿騒ぎのために集まるのだからしょうがないです。
テント小屋をカセタ(caseta)と呼び、1000軒以上はあります。それぞれのカセタには家族や親戚や友達が集まり、喋って、歌って、飲んで、食って、踊ってが延々と繰り返へされるのです。それらは一見さんお断りだから、我々よそ者はセビージャ人のコネで紛れ込むか、20軒ほどあるエントラダ・リブレ(Entrada Libre/入場自由)のカセタで負けずに騒ぎます。誰でも入れるカセタは市の主催や労働組合、政党、教会、などとまちまちですが、楽しむのには誰のでも良いのです。
昼間は馬や馬車、フラメンコ衣装のパレードがあります。よそ者はジーンズですが地元のアンダルッサ(andaluza)はフリル一杯のフラメンコ衣装です。その水玉模様のドレスは上半身が体にピタっとしているのですが、若い子だけではなく太ったオバサンの着こなしも見事なものです。ところで、スペイン語の分かる人には「フェリア・デ・アブリィル」って「4月の市場」の言う意味でしょう。それがなんで「春祭り?」ですね。
19世紀の半ばにセビージャで始まったフェリア・デ・アブリィルですが、開催したのはバスク人とカタラン人でした。セビージャ人(sevillano)ではなく、それも家畜の市だったのです。しばらくは見本市として毎年開かれていましたが、歳月とセビージャ人の祭り好きが高じて、だんだんと飲み食いの春祭りになりました。花見化してしまった訳です。
今では観光客も賑わう6億ユーロが動く大イベントです。セビージャは不思議な街で、数日居るとアンダルシア人(andaluz)特有のやかましさと厚かましさに辟易となります。でも忘れた頃になると、懐かしく、恋しくなり、また行ってみるか、となります。街は綺麗です。清潔と言う意味でなく、建物のデコレーションや色がイスラム風なので、マドリードやバルセロナと全く趣が違います。そんなセビージャの街は迷子になるのが一番面白いです。街中を流れるグアダルキビィル河(Guadalquivir)を目印に南北を確認したら、マップを持たずに歩くことです。
真夏は死ぬのほどに暑いので、歩くには今の時期・春です。街の中心は結構平らなのですが、春でも歩くのは日陰です。疲れたらバルで休んで、タクシーでホテルへ戻れば良いのです。あとは馬車があるけど観光用です。英語はもちろん通じないけど、僕らがしゃべるスペイン語・カスティジャーナ語に返ってくるのはアンダルシア語です。
さぁ、毎晩パーティーだぁ
さて、話はそれますが、週末のサッカー・リーグはクラシック戦でスペイン中がわきました。レアル・マドリーとバルセロナ(バルサァ)の試合のことで、4年ぶりにレアルが敵地で勝ちました。このままトップで逃げ切れそうなので、次はヨーロッパ・チャンピオン戦で再度レアル-バルサァがぶつかるのを期待していました。が、今夜、バルサァはチェルシーに負けてしまい、皆がっくりです。再度のクラシック戦はなくなりました。試合はテレビ中継の時代ですが、次期のスペインリーグは「本当のラジオ中継」が復活します。テレビ画面を観ながらの中継ではなく、サッカー場からライブのラジオ中継に心が躍るオッサンは多いのです。
追加です:今夜のチャンピオン戦で(4月25日です)レアルがバイエルンにペナルティ・キックで敗れました。あの、ロナルドとカカアが外したのです(バカヤロー)。ラモスもです。もう、ガックリ。マドリードの街中は静かです。