どこまでも「白アリ」を続けるのか。
『被災者わずか4人…九州の害虫駆除に復興予算、やまぬ「流用」
産経新聞 6月25日(火)11時10分配信
都議選で自公が完勝し、安倍政権はますます地歩を固める。東日本大震災から2年3カ月余。政治は被災地や、避難生活を続ける人々に何をしてきたか。来月21日に投開票予定の参院選を前に、改めて考えてみたい。
田植えを間近に控えた水田で、作業員が腰をかがめながら直径5センチ程度のどす黒い物体を道具ではさんで次々とかごに入れていく。
「多い日で1日30キロ。取っても取ってもきりがないくらい、いっぱいいるよ」
6月中旬、鹿児島県の中心部から西へ電車で30分ほどの場所にある、いちき串(くし)木(き)野(の)市で、作業員が汗にまみれて回収していたのは、稲の苗を食い荒らす害虫「ジャンボタニシ」だ。
これは市が実施するジャンボタニシ駆除事業。30~60代の作業員6人を日額6500円で雇用し、平成24年度は約220万円を支出、25年度も約480万円の予算を計上している。
計約700万円が市税でまかなわれているのであれば問題はないが、この財源は東日本大震災の被災地や被災者のために使われるはずの復興予算なのだ。なぜ被災地から遠く離れた鹿児島の水田のジャンボタニシ駆除に使われているのか。
◆被災者わずか4人
国は被災者などの雇用を支援する「震災等緊急雇用対応事業」に、23年度の復興予算で2千億円を計上した。このうち915億円は被災9県の雇用対策基金に配られたが、残る1085億円は被災地以外の38都道府県に配分された。
事業の規定では雇用対象を「全国に避難している被災者優先」とするが、「震災後に失業した人」も加えたため震災とは直接関係ない失業者にも復興予算が使われることになった。
鹿児島県では23、24年度にジャンボタニシ駆除を含めた322事業で2104人を雇用したが、被災者はわずか4人。県に配分された25億7千万円の大半は、震災とは直接無関係の失業者に「流用」された。同様のケースは全国に広がる。
事業を担当する厚生労働省は、雇用対象を被災者に限定しなかった理由について「当時、震災の影響で全国の企業活動も衰退していたため」と説明するが、被災地復興の意図とはかけ離れている。ジャンボタニシ駆除の市担当者さえ「違和感を覚える」と打ち明ける。政府も5月に重い腰を上げ、実態調査に乗り出した。
昨年12月の衆院選、東北の被災地では、多くの候補者が異口同音に「復興予算を被災地に取り戻す」と訴えた。復興予算が反捕鯨団体の調査捕鯨妨害対策などに計上された問題が批判を受けたからだ。しかし、政権が代わっても「流用」問題はくすぶる。
◆「食い物にされた」
「被災者の心情を無視している。われわれは食い物にされた思いが強い」。津波で自宅や養殖用のいけすを失った宮城県女川町の養殖業、小野清さん(69)は、復興予算の「流用」には黙っていられない。今はがれき処理の仕事をしながら操業再開の資金集めに奔走する毎日だ。
昨年の衆院選では、予想以上に復興が進まない状況を変えたいと、政権交代に思いを託し一票を投じた。安倍晋三政権が誕生し、復興予算の引き上げを打ち出したことに「一時的に被災地に安(あん)堵(ど)が広がった」と振り返るが、大きな変化は見られなかった。
がれき処理もめどが立ったが、作業が終了すれば職を失う。先の見えない不安が消えることはない。「どの政党も政権に課せられた重い使命と強く認識して参院選に臨んでほしい」。被災地の思いは同じだ。
◆不満「白票で示す」
「暮らしは少しずつ前進している。でも、それは個人の努力があったから。政治の力ではない」
宮城県南三陸町は、仮設商店街が復興の象徴として観光客の人気を集めるなど住民に活気を与えている。
水産加工品販売店を27年間経営してきた高野美知子さん(53)は昨春、念願の仮設店舗に入居し商売を再開させた。観光やボランティアで訪れた人々を相手に魚介類の加工品を売る。日々の生活に精いっぱいで、「流用」は「どこか遠い話」と冷ややかに受け止める。ただ、「被災地のために仕方ないと、増税に応じてくれた人々に申し訳ない」と思う。
来月の参院選で支持する政党は未定だが、「雰囲気や流れで決めることだけはしない。どうしてもいなければ、白票を投じて政治に対する不満を示します」と決めている。
■復興予算「流用」問題
東日本大震災で損壊した道路の復旧や高台集団移転などに使う予算が、被災地復興とかけ離れた事業に使われた問題。全国の防災対策などに使用を認めたことが拡大解釈され、沖縄の国道整備などに使われた。政府は平成25年度から被災地以外で原則使用禁止としたが、5月には雇用や林業再生など自治体の「基金」を通じて使われ続けていることが明らかになった。』
※誰がそれをしたのかを徹底的に調べて&追求し、その分の金を国に返すようにしないといけない!
『被災者わずか4人…九州の害虫駆除に復興予算、やまぬ「流用」
産経新聞 6月25日(火)11時10分配信
都議選で自公が完勝し、安倍政権はますます地歩を固める。東日本大震災から2年3カ月余。政治は被災地や、避難生活を続ける人々に何をしてきたか。来月21日に投開票予定の参院選を前に、改めて考えてみたい。
田植えを間近に控えた水田で、作業員が腰をかがめながら直径5センチ程度のどす黒い物体を道具ではさんで次々とかごに入れていく。
「多い日で1日30キロ。取っても取ってもきりがないくらい、いっぱいいるよ」
6月中旬、鹿児島県の中心部から西へ電車で30分ほどの場所にある、いちき串(くし)木(き)野(の)市で、作業員が汗にまみれて回収していたのは、稲の苗を食い荒らす害虫「ジャンボタニシ」だ。
これは市が実施するジャンボタニシ駆除事業。30~60代の作業員6人を日額6500円で雇用し、平成24年度は約220万円を支出、25年度も約480万円の予算を計上している。
計約700万円が市税でまかなわれているのであれば問題はないが、この財源は東日本大震災の被災地や被災者のために使われるはずの復興予算なのだ。なぜ被災地から遠く離れた鹿児島の水田のジャンボタニシ駆除に使われているのか。
◆被災者わずか4人
国は被災者などの雇用を支援する「震災等緊急雇用対応事業」に、23年度の復興予算で2千億円を計上した。このうち915億円は被災9県の雇用対策基金に配られたが、残る1085億円は被災地以外の38都道府県に配分された。
事業の規定では雇用対象を「全国に避難している被災者優先」とするが、「震災後に失業した人」も加えたため震災とは直接関係ない失業者にも復興予算が使われることになった。
鹿児島県では23、24年度にジャンボタニシ駆除を含めた322事業で2104人を雇用したが、被災者はわずか4人。県に配分された25億7千万円の大半は、震災とは直接無関係の失業者に「流用」された。同様のケースは全国に広がる。
事業を担当する厚生労働省は、雇用対象を被災者に限定しなかった理由について「当時、震災の影響で全国の企業活動も衰退していたため」と説明するが、被災地復興の意図とはかけ離れている。ジャンボタニシ駆除の市担当者さえ「違和感を覚える」と打ち明ける。政府も5月に重い腰を上げ、実態調査に乗り出した。
昨年12月の衆院選、東北の被災地では、多くの候補者が異口同音に「復興予算を被災地に取り戻す」と訴えた。復興予算が反捕鯨団体の調査捕鯨妨害対策などに計上された問題が批判を受けたからだ。しかし、政権が代わっても「流用」問題はくすぶる。
◆「食い物にされた」
「被災者の心情を無視している。われわれは食い物にされた思いが強い」。津波で自宅や養殖用のいけすを失った宮城県女川町の養殖業、小野清さん(69)は、復興予算の「流用」には黙っていられない。今はがれき処理の仕事をしながら操業再開の資金集めに奔走する毎日だ。
昨年の衆院選では、予想以上に復興が進まない状況を変えたいと、政権交代に思いを託し一票を投じた。安倍晋三政権が誕生し、復興予算の引き上げを打ち出したことに「一時的に被災地に安(あん)堵(ど)が広がった」と振り返るが、大きな変化は見られなかった。
がれき処理もめどが立ったが、作業が終了すれば職を失う。先の見えない不安が消えることはない。「どの政党も政権に課せられた重い使命と強く認識して参院選に臨んでほしい」。被災地の思いは同じだ。
◆不満「白票で示す」
「暮らしは少しずつ前進している。でも、それは個人の努力があったから。政治の力ではない」
宮城県南三陸町は、仮設商店街が復興の象徴として観光客の人気を集めるなど住民に活気を与えている。
水産加工品販売店を27年間経営してきた高野美知子さん(53)は昨春、念願の仮設店舗に入居し商売を再開させた。観光やボランティアで訪れた人々を相手に魚介類の加工品を売る。日々の生活に精いっぱいで、「流用」は「どこか遠い話」と冷ややかに受け止める。ただ、「被災地のために仕方ないと、増税に応じてくれた人々に申し訳ない」と思う。
来月の参院選で支持する政党は未定だが、「雰囲気や流れで決めることだけはしない。どうしてもいなければ、白票を投じて政治に対する不満を示します」と決めている。
■復興予算「流用」問題
東日本大震災で損壊した道路の復旧や高台集団移転などに使う予算が、被災地復興とかけ離れた事業に使われた問題。全国の防災対策などに使用を認めたことが拡大解釈され、沖縄の国道整備などに使われた。政府は平成25年度から被災地以外で原則使用禁止としたが、5月には雇用や林業再生など自治体の「基金」を通じて使われ続けていることが明らかになった。』
※誰がそれをしたのかを徹底的に調べて&追求し、その分の金を国に返すようにしないといけない!