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庁舎建設悩む自治体 高騰する資材・人件費 計画見直し・選挙の争点

2015年08月11日 | 地方再生
庁舎建設悩む自治体
高騰する資材・人件費 計画見直し・選挙の争点
2015/8/11 3:30 日系朝刊

 老朽化した庁舎の建て替えを計画する全国の自治体が、建築資材費や人件費の高騰で工事の入札不調が続き、計画の見直しや先送りを迫られるケースが相次いでいる。建て替えは多額の費用がかかるため、選挙の争点の一つになったり、住民投票が行われたりする自治体も目立つ。専門家は「コスト削減の工夫や住民への丁寧な説明が必要だ」と指摘している。

 「入札が不調になった時はどうなるかと思った」。人口19万人の茨城県日立市。4月に着工した新庁舎の建設現場を見つめ、市役所幹部は胸をなで下ろした。
 築60年以上の本庁舎は耐震性に問題があり、東日本大震災でも被災した。2011年9月に建て替えが決まり、コンペではフランスのルーヴル美術館分館の設計も手掛けた著名建築家の妹島和世氏の設計案が採用された。
 だが、14年8月の工事入札は、参加を申請していた共同企業体が資材費の高騰などを理由に「採算が取れない」と辞退し、不調となった。
 市は事業費を削減するため、妹島氏の事務所と協議し、半年かけて設計を見直した。「過剰な設備」との批判もあった屋根付きの広場や地下の床面積を計約2千平方メートル縮小し、外壁のデザインもシンプルなものに。この結果、総事業費も予定の約130億円で納まり、15年2月の再入札では無事落札された。
 地方財政に詳しい小西砂千夫・関西学院大教授(54)は「震災後、学校や公民館などの公共施設の耐震工事を優先した自治体が現在、老朽化が進む庁舎の建て替えに取りかかるケースが増えている」と指摘。しかし、コスト増で事業費が当初の想定額を上回り、計画の見直しを余儀なくされているという。
 千葉県習志野市では、当初76億円だった新庁舎建設の事業費が107億円まで膨らんだ。市は同時に予定した消防庁舎の建設を見送ったり、通常は別々に行う設計と施工の入札を一括して実施したりしてコストを削減。昨年10月の入札では予定価格を下回る88億円で落札された。
 一方、千葉県木更津市は昨年5月、コスト増を理由に本庁舎の建て替え計画の延期を決めた。「20年の東京五輪までは建設コストは高水準が続く」(市管財課)とみており、ひとまず賃借で民間施設に引っ越し、20年以降に改めて建て替えを検討する。
 多額の費用がかかる新庁舎建設は、各地で市長選などの争点の一つになり、是非を問う住民投票も行われている。
 愛知県新城市では5月に住民投票があり、新庁舎を市の計画から大幅に規模を縮小する案が過半の支持を集めた。滋賀県高島市の住民投票でも4月、庁舎を新築する従来案よりも現庁舎を増改築する案が支持された。
 小西教授は「職員が利用する庁舎の新設に対する市民の目は厳しい。コストがかさむ分、自治体は庁舎を維持費のかかる華美なものにせず、市民に整備内容を丁寧に説明する必要がある」と指摘している。

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