今日は、広尾にある日本赤十字看護大学に「救援のために水を運ぶ
婦人の像」の除幕式に参加してきました。
多くの方の見守る中、無事除幕式を終えることができたことを
ご報告いたしますとともに、本プロジェクトにご協力頂きました
皆さんに心より御礼申し上げます。
私は、2007年に日本赤十字社に1体目を寄付したときの初代事務局長で
すが、回の2体目の寄付ができたことを本当に嬉しく思います。
以下に本日の除幕式に寄稿文を載せましたのでご覧ください。
除幕式の模様の写真・・・
「救援のために水を運ぶ婦人の像」の寄贈に寄せて
初代事務局長 浅野 真
初代事務局長として本プロジェクトの起草の段階から日本赤十字社の
本社への1体目の寄付、そして日赤看護大学への2体目の寄付の経緯を
知る者として、少しお話し申し上げたいと思います。
私の仕事は、長年、岐阜県出身の彫刻家、岩田実夫妻が温めてきた
構想を具体的に形にすることでした。具体的には、赤十字の発祥の地、
イタリアのカスティリオーネにある赤十字博物館に展示されている
「救援のために水を運ぶ婦人の像」の日本版を制作することの版権の
許諾を頂くことでした。国際赤十字社は、全世界を網羅する世界組織
であり、その組織との交渉は、途方もなく長い道のりでしたが、
カスティリオーネ博物館館長と同館にある像の作家のご遺族から、
我々の熱意に快く賛同をして頂き、日本版の「救援のために水を運ぶ
婦人の像」を制作することにご快諾を頂きました。
また、過去にこのような事例が無いにも関わらず、日本赤十字社から
丁重なるご対応で募金活動の承諾を頂き、我々は、寄付金の募集活動
を開始しました。
この様に全てが初めてでしたが、本当に多くの方の尊い篤志を頂き
2007年7月19日に日本赤十字本社に1体目を寄贈させて頂きました。
同日の序幕式では、近衛忠輝日本赤十字社社長より金色有功賞という
栄誉ある賞を頂き、「日本赤十字社を代表する作品である」とのお言葉
を頂戴し、岩田実夫妻、及び、実行委員会の皆さんと心から喜びを
分かち合うことが出来たことを昨日のことの様に思い出します。
その後、岩田実先生はじめ実行委員の皆さんの思いは更に膨み、
日赤看護大学へ像を寄付する活動は継続され、2011年5月16日に
除幕式を迎えることが出来ました。この尊い思いが結実したことに
対し、心から最大級の敬意を表したいと思います。
私は、この像を目の前にしますと「人は何のために生きているのか」
「人間の尊厳とは何か」を常に問いかけられている思いがします。
この語りかけてくる像が多くの方の志によって建立されたことを、
是非、忘れないで頂きたいと思います。
最後に、寄稿をさせて頂く光栄に浴し、心より御礼申し上げます。