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世界最小クラスのミニロケットまもなく打ち上げ

2017年01月11日 | 新技術

世界最小クラスのミニロケット まもなく打ち上げ

打ち上げられるのは、高さ9メートル50センチ、直径50センチ余りと、電柱ほどの大きさのミニロケットで、JAXA=宇宙航空研究開発機構が超小型衛星を打ち上げるために新たに開発しました。

JAXAによりますと、衛星を打ち上げるものとしては世界で公表されているロケットの中でも最小クラスだということです。現地では早朝から発射台への据え付けが行われるなど、準備が進められています。

搭載されるのは高さ35センチ、重さが3キロの超小型衛星で、地球の上空を回る軌道に投入して、地上とのデータのやり取りや地上を撮影する実験が行われます。

ロケットと衛星のいずれにも、スマートフォン用のカメラや家電製品に使われる電子部品など、一般に広く利用されている民生品が使われ、今回の開発と打ち上げにかかる費用はおよそ4億円と、JAXAのほかの人工衛星の打ち上げに比べて、数十分の1に抑えられています。

ミニロケットは天候に問題がなければ、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から、午前8時48分に打ち上げられます。
超小型衛星には通信や地球観測による新たな宇宙ビジネスの市場を広げると世界で関心が高まっていて、JAXAは今回の打ち上げで得られる技術を民間企業に積極的に活用してほしいとしています。

ミニロケットの利点は

現在、日本で超小型衛星を打ち上げる場合、大型のロケット「H2A」や「H2B」に相乗りして打ち上げられていますが、打ち上げを計画してから実際に打ち上がるまでに数年かかるなど、機動性に欠けることが課題になっています。

超小型衛星を「H2A」や「H2B」で打ち上げる場合、大型の人工衛星とともに打ち上げるか、宇宙輸送船「こうのとり」に搭載して打ち上げられています。大型の人工衛星とともに打ち上げる場合は、大型の衛星の開発者などとの交渉や調整に時間が必要で、打ち上げを計画してから実際に打ち上がるまでに数年かかるほか、大型の衛星の開発の遅れに左右されることもあります。

また、超小型衛星を打ち上げたい時期に打ち上げられないほか、投入したい軌道を自由に選べないという制約もあります。

一方、宇宙輸送船「こうのとり」で打ち上げる場合も、国際宇宙ステーションから宇宙飛行士に放出してもらうために、NASAなどとの国際調整に時間がかかるほか、国際宇宙ステーションが飛行している軌道にしか投入できないという制約があります。

このため、超小型衛星を専用に打ち上げるミニロケットが開発されれば、打ち上げを計画してから実際に打ち上がるまでの期間を短縮できるほか、都合のよい時期に、投入したい軌道に打ち上げられるなど、自由度が高まると期待されています。

開発費用は約4億円 安さの理由は

今回打ち上げられる世界最小クラスのミニロケットは、開発費用が衛星を含めてもおよそ4億円と、JAXAのほかの人工衛星の打ち上げに比べて、数十分の1に抑えられています。

安さの理由の1つは、ロケットの下の部分に取り付けられた4枚の羽根です。羽根の一枚一枚には0.2度という、ごくわずかな傾きがつけられています。
ロケットが飛行する際、この羽根が風を受けることで機体が時計回りに1秒間に2回転し、回転しながら飛行することで機体のバランスを維持する仕組みになっています。
大型ロケットのH2Aでは飛行中、内部のコンピューターが機体の位置や進行方向、速度を細かく計算しながらメインエンジンの向きを微妙に変化させて機体のバランスを整えていますが、このミニロケットでは、そうした微調整を行う高価な機器が不要になっています。

安さの理由の2つ目は発射台です。発射台は打ち上げの角度が自由に調整できるようになっていて、実際に打ち上げる角度は当日の風の強さや向きを踏まえて10分前に決まります。
これによって、ロケットの進行方向を調整するための高価な機能も搭載しなくてすむようになっています。

安さの理由の3つ目は、ロケットを横倒しの状態にして待機する際に機体を覆うテントで、これで雨をしのぐことで発射台全体を覆うドームなどを建設せずに済みました。

このほか、ロケットの部品には家電製品に使われている民生用の電子部品などが使われ、こうした工夫によってコストを大幅に削減しています。

ミニロケットの打ち上げ責任者を務めるJAXAの羽生宏人准教授は「宇宙開発のすそ野を広げるためには、コストを下げることが必須だ。高価な機器を使わない小さなロケットでも超小型衛星を打ち上げられるということを、今回の実験の成功を通じて示したい」と話しています。


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