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貿易額、中国が2位転落 4年ぶり米が首位に

2017年04月13日 | 国際ビジネス
貿易額、中国が2位転落 4年ぶり米が首位に
16年、世界の輸出入は低下
日経新聞 2017/4/12 23:25

 【フィレンツェ=原克彦、北京=原田逸策】世界貿易機関(WTO)は12日、米国のモノの貿易額が2016年に中国を上回り、首位となったと発表した。中国は4年ぶりに首位を明け渡した。世界の貿易量の伸び率は前年比1.3%と09年以来の低さだった。WTOが算出した世界の実質経済成長率は同2.3%で、15年ぶりに貿易の伸びが経済成長を下回った。WTOは世界で広がる保護主義に警鐘を鳴らした。

世界の貿易量が伸び悩んでいる(コンテナを積み下ろす上海の港)=ロイター
 
モノの貿易総額は米国が3兆7060億ドル(約407兆円)だったのに対し、中国は3兆6850億ドルだった。米国は輸出入ともに3%減った。中国は輸出が同8%減、輸入も同5%減で、下げ幅は輸出入ともに米国より大きかった。
 中国は13年に米国を抜いて立った貿易額首位の座を守れなかった。最大の理由は16年に目立った新興国の景気減速など需要の低迷だ。だが先進国向け輸出も軒並み落ち込んでおり、輸出拠点としての競争力低下も見逃せない。

 中国は低コストを生かした「世界の工場」として貿易額を伸ばしてきたが、足元では労働者の人件費上昇と地価高騰が進む。外資だけでなく中国企業にもベトナムなど海外に工場を移転する動きがある。中国税関総署は「先進国での中国製品の市場占有率が下がっている」と分析する。



 人民元が対ドルで直近2年で約1割下落したこともドル換算の貿易額を押し下げた。外資の組み立て工場から輸出する比率が高く、輸出が外資の経営戦略に左右されやすい。元安による輸出拡大効果は限られた。中国は経済に占めるサービス業の比重を高める構造改革を進めており、輸入増加の成否が貿易額回復のカギとなる。
 世界全体のモノの貿易額は輸出が15兆4640億ドルと前年に比べ3.3%減った。輸入は同3.2%減の15兆7990億ドルだった。資源価格の低下に加え、ドルの実効為替レートが上昇し、他の通貨を使う国・地域の貿易額が押し下げられた。

 貿易量の伸び率は前年より1.3ポイント低下した。中国を中心に新興国・途上国の輸入が前年比0.2%増にとどまったためだ。1~3月に大幅に落ち込み、徐々に回復した。新興国・途上国の輸出は1.3%増えたが、伸び率は鈍化。先進国は輸出が1.4%増、輸入は2.0%増えた。



 貿易量の伸びが経済成長率を下回る現象は「スロートレード」と呼ばれる。貿易が世界経済をけん引する力の弱まりが鮮明だ。背景の一つは景気の低迷による貿易の抑制だ。もう一つは各国の産業構造の変化だ。新興国が工業化を果たした結果、従来は輸入していた製品を自国で生産するようになった影響もある。
 WTOは17年の貿易量の伸び率を16年比で2.4%と予想。経済環境や通商政策、金融政策などの変化に左右される可能性があり、変動幅として1.8~3.6%を提示した。

 アゼベド事務局長は「ほとんどの不確実性は政治的な要因だ」と指摘した。米国のトランプ政権が保護主義的な通商政策を掲げ、英国も欧州連合(EU)からの離脱を決めた。アゼベド氏は「貿易に対し国境を閉ざすのは事態を悪化させるだけ。それでは雇用を取り戻せない」と強調した。