少し古いニュースですが治療が難しいといわれていた
すい臓がんの治療を前進させるニュースが出ていましたので
掲載いたします。注目したいのはナノ技術によるDDS
(ドラッグデリバリーシステム)です。
==毎日新聞(2011年10月24日)==
高分子製の微小カプセルに抗がん剤を入れ、ヒトの膵臓(すいぞう)がんを
移植したマウスに注射、狙い通りがん細胞に届き、がん増殖を抑えることに、
東京大などのチームが成功した。昨年から臨床試験を始めた。膵臓がんは
非常に治療が難しく、副作用の少ない薬になる可能性がある。
23日付の英科学誌ネイチャー・ナノテクノロジーに発表した。
がん細胞の血管は物質が通り抜ける穴が正常細胞より大きいため、
適度な大きさのカプセルを使えば、がん細胞にだけ届く。
しかし、膵臓がんの穴は他のがん細胞より小さいことなどから、従来の
カプセルでは通り抜けられなかった。
チームは、直径30~100ナノメートル(ナノは10億分の1)の抗がん剤を
包むカプセルを作製。ヒトの膵臓がんを皮下に移植したマウスに注射すると、
50ナノメートルより小さなカプセルはがんの内部に入り込み、がん増殖を抑えた。
片岡一則・東大教授(高分子化学)は「スキルス胃がんなど他の難治性の
がんへの応用も検討したい」と話す。 (引用終)