恋をした。
妻子のある身でありながら、迂闊なことだ。
無防備だった訳じゃない。
精一杯のガードは固めていたさ。
女性との接点は必要不可欠なものだけに絞っていた。
あらぬ感情が芽生えないように自制もしていた。
異性として女性を意識することはなく、男も女も数ある
人間の中の一人でしかない。
それは、言うなれば竹薮にいるような感覚。
しかし、1本だけ輝いている竹があった。
あらゆる防御をモノともせず、その光はまっすぐに
輝いていた。
あまりにも美しい。
考える間もなく、恋してしまった。
誰よりも愛している。
一人ではない。多くの男達がその光に魅せられた。
でも君は、言い寄る者どもの全てを拒絶するんだ。
それは妄想?
希望?
君を口説くことができたら、どれだけ幸せだろう!
それを君も待っている。だから誰からの誘いにも
乗らないのだ。
そんなある日のこと。
一人ふさぎ込む君の前に、アイツが現れた。
彼が君をみそめたのは間違いない。
君にとっては、彼個人というよりも、彼が属する
世界に魅力があったのだろう。
一般人からは別世界に見えるそこは、君を誘惑
してやまない。
そして、君は旅立った。
誰も届かないそこへ。
もはや君がどうなったかを知る術はない。
===============
現代風にアレンジしてみると、こんな感じの
感情があったとして、それを比喩して表現した
のが 『かぐや姫』 の世界観に違いない。
貧相なクリック。
↓
| Trackback ( 0 )
|