音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

南の島のできごと

2024-06-23 21:00:00 | 古典
最近流行っているハワイアンカフェアロハテーブル。
この前川原さんと練習の後入りました。

パンケーキが眼玉のようです。
南の島への憧れは昔もありました。

ヨーゼフ ハイドン(1732-1809年)神聖ローマ帝国下オーストリア大公国ローラウ生まれ、オーストリア帝国ウィーン没

の書いた
Hob. XXVIII : 9 歌劇「無人島(L’isola disabitata)もその1つです。

1779年の自筆譜の断片が現存しています。


1779年12月6日にエステルハーザで初演された記録が残されている小規模音楽劇。

ニコラウス1世候(1714-1790年)

の聖命名祝日を祝うために作曲されました。

初演の2週間前にエステルハージ宮のオペラ劇場が火事で焼けてしまったため、急遽マリオネット劇場で上演されました。

台本は、ピエトロ・メタスタージオ(1698-1782年)イタリア出身のエステルハージ家宮廷詩人

によります。


この台本は人気があり、ハイドンが曲を付ける以前および以後において、多数の作曲家が曲を付けて上演されています。(ジュゼッペ ポンノ、グルック、ベンダなど)

あらすじ
場所は、大西洋に浮かぶ無人島。

13年前に、新婚旅行中のコスタンツァとジェルナンドの夫妻およびコスタンツァの妹のシルヴィアが乗っていた船が嵐に遭い、無人島にたどりつきました。

ところが、ある日、コスタンツァとシルヴィアが寝ている間にジェルナンドや仲間が海賊に連れ去られてしまいました。

コスタンツァは島にジェルナンド達に、置き去りにされたと思い込み、嘆きながら妹のシルヴィアと二人で日々を暮しています。

第一幕
無人島の海辺の岩場で。
コスタンツァは、もう自分の人生を終わらせようと決意し、岩に彼女の不幸な運命の物語を刻んでいました。

そこへ、逃げ出した子鹿が戻ってきたという喜びに満ちたシルヴィアが現れます。

そしてシルヴィアが、「お姉様は、なぜいつもそのように悲しそうにしているの?」と尋ねます。 

まだ幼い頃にこの島へやってきて、
他の場所に住んだことのないシルビアには「失った物を考えに入れることができない。」とコスタンツァは言い、続いて、「遥か彼方の国には、女に対して酷いことをする男達がいるのよ。」と言って立ち去りました。

シルヴィアが、姉を慰めることが出来なかったことを悔やんでいると、島に船が近づいて来るのが見えました。
そして、海岸に到着した船から二人の男が降りてきました。


二人は、ジェルナンドと彼の友人エンリーコでした。
シルヴィアは、彼らを見て藪の中に隠れました。 

ジェルナンドは、エンリーコに、この島は、あの日、自分が来た島だと確信していると話しています。そして「もう何年も経っているので、ここでコスタンツァを見つけられるという望みはほとんどない。少なくとも彼女の墓を見つけられるかもしれない。」と話しています。
シルヴィアは、藪の中に隠れたまま、「今見ている二人の男は、いったい誰なんだろう?」と考えています。そして、エンリーコに対して、恋心が芽生えてきました。

第二幕
ジェルナンドは一人で、コスタンツァの痕跡を求めて島中を探し回ります。そのうちにコスタンツァが岩に刻んだ文章を発見しました。
そこにエンリーコが現れ、ジェルナンドはコスタンツァが死んだと告げます。途中まで書かれた文章を見てジェルナンドは、「それは、彼女が最後まで文章を彫る力がなくなったからだ。」と、思い込み。
島を去るよう促すエンリーコに「私はここで日々を過ごし、人生を終えるつもりです。」と言って、その場を去っていきます。

エンリーコは、船員たちにジェルナンドを捜して力づくでも船に乗せるよう命じます。
そこへ、コスタンツァを捜しているシルヴィアが現れます。
彼女の美しさに魅かれたエンリーコは、彼女に声をかけます。
「コスタンツァが死んだときに、あなたはどこにいたのですか?」するとその質問に驚いたシルヴィアは、「コスタンツァは死んでいません。生きています!」と、答えました。

エンリーコは、驚き、「それならば、急いでジェルナンドに知らせなければなりません。」と、二人は手分けしてコスタンツァとジェルナンドを捜します。 

その頃、コスタンツァが、再び岩に文字を刻んでいると、そこにジェルナンドが通りかかります。二人は、再会にたいへん驚き、ジェルナンドは彼女を抱きしめようとしますが、あまりにも驚いた彼女は彼を恨みながらも興奮し気絶してしまいます。


ジェルナンドは彼女に水を飲ませ、意識を取り戻した彼女は、やってきたエンリーコとジェルナンドを非難しましたが、彼らは今までの経緯を彼女に説明し、ようやく誤解が解け、再会を喜び合います。
そして、シルヴィアとエンリーコも結婚を誓いあい、最後は歓喜の四重唱で幕になります。

シルヴィアのアリア、島に船に乗ってやってきたのは誰だろう?と隠れて見ています。