今日からSさんのレッスンはベッリーニのオペラ「ノルマ」から「清らかな女神よ」
有名なアリアです。
紀元前50年ローマ帝国支配下のガリア地方
ノルマはローマ帝国2侵攻されたドルイド教徒の巫女です。
(この曲はローマからの解放を願って祈りを捧げるシーンで歌われるシェーナとカヴァティーナです。
しかし、実はノルマはそのローマの提督ポリオーサと愛し合い、2人の子どもまでもうけているのです。
ところが、相手のポリオーサは実は他の人に心を奪われ、ノルマを捨てて逃げるつもりでいるのです。
そのことを知ったノルマは子どもたちと心中しようとしますが、子どもの寝顔を見て、思いとどまります。
そのうちに、ポリオーサが浮気相手に会おうと神殿に侵入し、囚われてノルマの前に連れて来られます。死を求める群集に
相手の名前を聞き出すからと2人きりになったノルマは、「相手を忘れるなら命を助けよう。」と持ちかけますが受け入れないポリオーサ。
ついに群集の前に「相手の名前がわかった。火刑の用意をしなさい。」というノルマ。
そこで出された名前は「ノルマ」。
後悔し、愛に目覚めるポリオーサ、しかし時すでに遅く、ノルマは刑に処されるのです。
複雑な想いを秘めたノルマの「清らかな女神よ」は、マリア カラスに「もっとも難しい歌」と言わせたほど難しいものですが、とても美しい曲です。
Casta Diva, che inargenti
聖なる老木に銀の光を注ぐ
questa sacre antiche piante
清らかな女神よ、
a noi volgi il bel sembiante
そのお顔を覆う雲のヴェールを取り払い
senza nube e senza vel.
美しいお顔を私たちに向けたまえ。
Tempra, o diva,
おお、女神よ、燃える心を鎮めたまえ、
tempra tu de'cori ardace,
人々の激昂した心を鎮めたまえ。
spargi in terra, ah, quella pace
あなた様が天に満たしている平和を
che regnar tu fai nel ciel.
この地上にも広めたまわんことを。