本田竹彦は本田竹廣の別名である。実はどちらも芸名で本名は本田竹広である。録音は1969年4月、銀座ヤマハホール。レーベルはtrio。trioレコードのジャズシリーズ第一弾である。本田竹廣の記念すべき初リーダーアルバムだ。とにかく強靭なタッチで渡辺文男のdrumsに負けない音量と力強さに圧倒される。全編疾風怒濤の如く吹き荒れ押しまくり、本田節全開といったところだろうか。「力」だけでなくソロパートでの巧みな演奏もみ魅力的でどんどん引き込まれる。
アルバムタイトルの英語のcreditは、T.Honda meets rhythm section featuring S.Watanabe。つまりはナベサダのリズムセクションとの邂逅というわけだ。御大ナベサダも加わって。ちなみに本多竹廣はナベサダの義弟である。このリズムセクションが強力、とりわけ渡辺文男のdrumsがすごい迫力。bassの鈴木良雄も負けじとガンガン弾く。増尾好秋のguitarも燻し銀の音色で要所要所でビシッと決まっている。やはりナベサダのquartetは才能溢れる人たちだなぁ、と痛感した次第。
特筆すべきは音の良さ。それもそのはず、録音は菅野沖彦である。全体にクリアーで迫力満点微塵も古さを感じない。また各楽器の分離も素晴らしく、drumsの生々しさはちょっと例のないほどである。-M509はメンテナンスの旅に出ており、power ampは中華デジタルアンプ。P-309+M-509で聴いた音とは比較すべくもなく、元の音で聴いてみたい。
side A
1.Miton blues
2.Hey Jude
3.By the time I get phoenix
side B
1.Ain't tell you a good way but
2.Stella by starlight
3.Quiet sea
(personnel)
本田竹廣(piano)
渡辺貞夫(as)
増尾好秋(guitar)
鈴木良雄(bass)
渡辺文男(drums)