アナログおやじのJazz&Audio日記

アナログ好きのおっさんが綴るJazz&Audioの四方山話です。夜な夜なレコード三昧、オーディオ三昧です。

ビル・エバンズ(Bill Evans)

2015年05月31日 23時58分39秒 | ジャズ






今宵の一枚はビルエバンズのデビューアルバム、タイトルはまんま自分の名前「Bill Evans」。レーベルはRiverside。録音は1956年9月。ハードバップ時代の息吹が残る演奏でとにかく元気でパワフルだ。後年の彼の演奏からは想像しにくい。ラファエロではないがbassのToddy Kotickもなかなか良い。粗削りなといっても過言ではないほどバリバリと音が前に出てくる。初デビュー作ゆえ、張り切るのは当然だがそれにしてもちょっと驚く。優雅さや、リリカルなプレイとは無縁。

Waltz for Debbyも収録されているが聴きなれた同タイトルのアルバムとはまったく趣が違う。この曲を聴くとやはりbassはラファエロでなければ、と感じる。

トミー・フラナガン(The cats)

2015年05月29日 00時06分48秒 | ジャズ






今宵の一枚はトミー・フラナガンのThe Cats。録音は1957年4月。レーベルはPrestige。トミー・フラナガンは好きなピアニストだ。オスカーピーターソンのようにガンガン前へ前と突き進むタイプではなく、どちらかというとビル・エバンズ的なリリカルで耽美的な傾向をもつプレーヤーである。このアルバムでも強烈に存在を主張はしない。むしろ、控えめ。メンバーが豪華。コルトレーン、ケニーバレル、ルイス・ヘイズそしてシュリーマン。勉強不足でdsのダグは聴いたことがない。

個人的にはA面2曲目のMInor Mishapが好き。スリリングな演奏で実に楽しい。とりわけケニー・バレルのギターが凄い。圧倒的である。アルバム全体を通じて彼の演奏が飛びぬけている気がする。これは必聴。



side A

1.How long has this been going on

2.Minor mishap

3.Eclypso


side B

1.Solacium

2.Tommy's time


(personnel)

Tommy Flanagan(piano)

John Coltrane(ts)

Idrees Sulieman(tp)

Kenny Burrell(guitar)

Doug Watkins(bass)

Louis Hayes(ds)

アート・ファーマー(Potorait of Art Farmer

2015年05月27日 23時22分56秒 | ジャズ






このところ更新さぼり気味にて、再度気合を入れ直し書き綴りますのでご期待あれ。で、今宵はアート・ファーマーのportrait of Art farmer。録音は1958年4月、5月。レーベルはContemporary。リリカルでロマンチックなサウンドで定評があるアート・ファーマーだがまだまだちょっと肩に力が残りつつも、流麗な演奏で清々しい。後年の枯れた感じのファーマー節とは一味違う。ミュートがずいぶんと力強いのだ。やはりミュートはマイルスかな。

メンバーが興味深い。ピアノにハンク・ジョーンズ、ドラムにロイ・ヘインズ(なんと御年90歳で現役。!!2,3日前にライブがあった)そしてベースは弟のアディソン・ファーマー。実に渋い。ハンクはさすがの演奏、この人は本当に安定してどんな相手にも会わせられるのでスタジオミュージシャンの鏡のような人だ。ロイもしかり。この二人がガッチり脇を固めているのでファーマーも伸び伸び演奏している。

お勧めはB面2曲目のBy myself。ファーマーのミュートとハンクが秀逸である。


side A

1.Back in the cage

2.Stablemates

3.The very thought of you

4.And now---


side B

1.Nita

2.By myself

3.too late now

4.earth


(personnel)

Art farmer(tp)

Hank Jones(piano)

Addison farmer(bass)

Roy haynes(drums)






エルビン・ジョーンズ(Remembaranace)

2015年05月19日 23時35分11秒 | ジャズ






今宵の一枚はエルビン・ジョーンズのRemembrance。1978年2月の録音、レーベルはMPS。70年代後半のエルビン、ずいぶんと角が取れ丸くなった。以前の叩きつけるような強烈なサウンドは影を潜めたが、どこか優しい好々爺的なサウンドに50年代、60年代の彼の活躍を知る者としては意外な感じがする。コルトレーンとの共演は余りに有名だが、このアルバムと比べると同じ人か、と戸惑うほどに音が違う。

吹きものは2管編成、それもts+ss、ts+ts、ss+ssと不思議な組み合わせである。どこか物悲しい、哀愁を帯びた音色でこのアルバムんを聴くたびしんみりとした気持ちになる。guitarのローランド・プリンスが良い。控えめながらアルバム全体のトーンと良くマッチしたサウンドで気持ちが良い。B面冒頭のKalimaのSSのソロが凄い。ここまで長いssのソロは聴いたことがないほど。このテイクほぼssとguitarで演奏され圧巻。本アルバムの白眉である。

たしかこアルバムが録音されてから3年後の1981年正月、pit inで3時間並んでエルビンのライブを聴いた思い出がある。蛸のように動く手足が印象的だった。そしてとにかく大男。

直球一本槍でないエルビンも良いものだ。

side A

1.Giraffe

2.Section8

3.Little Lady

4.Familiar Ground

side B

1.Kalima

2.Beatrice

3.Remembrance


(personnel)

Elvin Jones(drums)

Pat Labarbera(ts&ss)

Michael Stuart(ts&ss)

Roland Prince(guitar)

Andy MccloudIII(bass)






























































ズート・シムズ(Zoot!)

2015年05月18日 23時52分10秒 | ジャズ






今宵の一枚はズート・シムズのZoot!。1956年の録音でレーベルはriverside。!のない方が有名だが個人的にはこちらが好き。派手さがない堅実なプレーヤーとして、スイングの名手として有名なプレーヤーだが、音がガンガン前に張り出す演奏ではなく、どこか懐かしさが漂う、ウエットな演奏である。明るい音色ではあるが原色のギラギラした明るさや眩しさがではなく、2段階ぐらいトーンが落ちた明るさだろうか。どこかデクスター・ゴードンに繋がる気がする。演奏スタイルは全然似ていないのだが。

気にいっているのはジャケットの写真。この時代(1950年代)のLPは素晴らしいジャケットの写真が多くどれもこれも本当に魅力的で目移りするほどだが、中でも強烈なインパクトを受けた。眉間の皺が印象的である。絵になるジャケットだ。


side A

1.Why Cry?

2.Echoes of you

3.Swim,Jim

side B

1.Here and Now

2.Fools Rush In

3.Osmosis

4.Taking a Chance on Love


(personnel)

Zoot Sims(as:on Jim and Osmosis only)(ts)

Nick Travis(tp)

George Handy(piano)

Wilbur Ware(bass)

Osie Johnson(drums)

マイルス・デイビス(Kind of Blue)

2015年05月12日 00時01分16秒 | ジャズ






今宵の一枚はマイルスのKind of Blue。録音は1959年3月2日、4月22日。レーベルはCBS。あまりにも有名かつ革命的といっても過言ではない奏法、「モード」を提示したアルバムとしJazz史に燦然と輝く一枚である。何度聴いても新鮮でまさにcoolと言いたくなる素晴らしさだ。メンバーの演奏も非の打ち所がなく、完璧。個人的な趣向からすると、ポール・チェンバースのbassが出色ではないだろうか。この人は本当の職人で渋いプレイであらゆる名人、達人に重宝されているがこのアルバムでは、より音程が明確で文字通りリズムのbass、核となるサウンドを紡いでいる。

ウィントン・ケリーのピアノもビルエバンズとはまったく違うサウンドで、彼の演奏するFreddie freeloaderの曲自体他の曲とは異質。スタンダード的な曲想で他の曲は斬新、静的な静かな躍動感に満ち、動的で明るく溌剌としたこの曲とは一線を画す。


とにかくこのアルバムは必聴である。


side A

1.So What

2.Freedom Freeloader

3.Blue in Green

side B

1.All Blues

2.Flamenco Sketches


(personnel)

Miles Davis(tp)

Cannonball Adderley(omit A-3)

John Coltrane(ts)

Wynton Kelly(piano)(A-2 only)

Bill Evans(piano)(omit-A-2)

Paul Chambers(bass)

Jimmy Cobb(drums)



アート・ファーマー(Farmer's market)

2015年05月07日 23時43分08秒 | ジャズ






今宵の一枚はアート・ファーマーのFarmer's market、録音は1956年11月、レーベルはPrestige?。1956年であればステレオ録音のはずだが、なぜかモノーラル。でも音の鮮度は抜群で実に力強い。レコーディングはVan Gelder。なるほどね、納得である。とにかく絶賛に値する素晴らしい録音である。

アート・ファーマーといえばリリカルで抒情的な演奏で優しい音色が特徴だが(彼のfhは絶品)このアルバムは、バリバリと吹きまくっており、イメージする彼の演奏とはまるで違う。当時はハードバッブ全盛時代、当然のスタイルかもしれない。ケニー・ドリューのピアノが良い。音が前へ前へと広がり明瞭で響が良い。意外なのはエルビン、彼のドラミングは奔放で迸るほどのエネルギーで圧倒されるのが常だが、オーソドックスに徹している。個人的にはちょっと寂しいかな。ハンクはもうガンガンと気持ちの良いほどだ。


side A

1.With Prestige

2.AD-DIS-UN

3.Farmer's market

side B

1.Reminiscing

2.By Myself

3.Wailin' with hank





personnel

Art Farmer(tp)

Hank Mobley(ts)

Kenny Drew(piano)

Addison Farmer(bass)

Elvin Jones(drums)


SDカード見つからずで、tabletで撮影につき画質劣化なり。(トホホ)

ハービ・ハンコック(Watermelon man)

2015年05月06日 23時48分22秒 | ジャズ


今宵の一枚はハービーハンコックのwatermelon man、録音は1961年5月。レーベルはBlue note。言わずと知れたハービーのデビューアルバムである。なんといってもこのアルバムの白眉はA面1曲目のwatermelon manだ。Jazzファンには耳タコの印象的なメロディーは、乗りが良く腰を振り足を踏み鳴らしてリズムに合わせ、思わず踊りたくなる。ハービーはもちろんだが、デグスター・ゴードンが良い。コルトレーンが聴いていて正直疲れるが、彼はどこか肩の力が抜けリラックスしたサウンドでニンマリ、楽しい。個人的には一番好きなts吹きである。

A面とB面ではずいぶんと趣が違う。どこかノンビリモードで懐かしいユッタリしたサウンドの前者に対し、後者はサウンド全体がグッとモダンになり、響きに切れが出てくる。フレディーとゴードンの吹奏楽器もスピードを上げ、緊張感溢れる音になる。ハービーは作曲の才能が素晴らしい人で、全曲書下ろし。初リーダーアルバムから今日を予感させるかのようだ。


side A

1.Watermelon man

2.There backs full

3.Empty pocket

side B

1.The maze

2.Driftin'

3.Alone and I


personnel

Herbie Hancock(piano)

Freddie Hubbard(tp)

Dexter Gordon(ts)

Butch Warren(bass)

Billy Higgins(drums)


ジャケットの写真を撮ったのになぜかSDカード行方不明で画像アップできず。(トホホ)。

アート・ブレーキー(In my prime)

2015年05月02日 15時15分34秒 | ジャズ






アート・ブレーキーといえば、「モーニン」や「チェニジアの夜」だがあえてpiscesを取り上げたが今日もへそ曲がりに、In my prime VOl2だ。(笑)レーベルがTimeless、録音は1977年11月。かつてのジャズメッセンジャーズの輝きには一歩劣るし、御大もだいぶ衰え始めた時期のアルバムだが、当時の新進気鋭のメンバーを迎えご機嫌な1枚に仕上がっている。このメンバーで来日した時に中野サンプラザでライブを見たが、往年のパワフルさはさすがになかったが、やはりドラムソロは魅力的だった。

個人的にはB面のRonnie's dynamite ladyがお勧めだ。アルバム全体のテンポが軽快で心地よいのだがこの曲が一番。カーティス・フラーのtbがまるでtp、tsもasも同様で三管楽器が渾然一体で点でなく面で押し寄せてくる感じ。ピアノとベースの絡みも興味深い。御大のバランス感覚はさすがで、うまく他のメンバーを煽りつつ最後はジャンと自分でピリオドを打つ。

side A

1.Life every voice and sing

2.Free for all

3.Hawkman

4.People who laugh

side B

1.Time will tell

2.Ronnie's a dynamite lady

(personnel)

Art Blakey(drums)

David Schnitter(ts)

Robert Watson(as)

Valery Ponomarev(tp)

James Williams(piano)

Dennis Irwin(bass)

Curtis Fuller(tb)

Ray Mantila(perc)