


今宵の一枚はエルビン・ジョーンズのRemembrance。1978年2月の録音、レーベルはMPS。70年代後半のエルビン、ずいぶんと角が取れ丸くなった。以前の叩きつけるような強烈なサウンドは影を潜めたが、どこか優しい好々爺的なサウンドに50年代、60年代の彼の活躍を知る者としては意外な感じがする。コルトレーンとの共演は余りに有名だが、このアルバムと比べると同じ人か、と戸惑うほどに音が違う。
吹きものは2管編成、それもts+ss、ts+ts、ss+ssと不思議な組み合わせである。どこか物悲しい、哀愁を帯びた音色でこのアルバムんを聴くたびしんみりとした気持ちになる。guitarのローランド・プリンスが良い。控えめながらアルバム全体のトーンと良くマッチしたサウンドで気持ちが良い。B面冒頭のKalimaのSSのソロが凄い。ここまで長いssのソロは聴いたことがないほど。このテイクほぼssとguitarで演奏され圧巻。本アルバムの白眉である。
たしかこアルバムが録音されてから3年後の1981年正月、pit inで3時間並んでエルビンのライブを聴いた思い出がある。蛸のように動く手足が印象的だった。そしてとにかく大男。
直球一本槍でないエルビンも良いものだ。
side A
1.Giraffe
2.Section8
3.Little Lady
4.Familiar Ground
side B
1.Kalima
2.Beatrice
3.Remembrance
(personnel)
Elvin Jones(drums)
Pat Labarbera(ts&ss)
Michael Stuart(ts&ss)
Roland Prince(guitar)
Andy MccloudIII(bass)