春の夜の森は、奇妙になまめかしい。静謐なのに、刻々と目ざめている。
枯木なのに、触れるとあたたかい。頭上の鳥の巣には、何が居るのか居ないのか。
週末の夜更け、代々木公園の遊歩道をてくてく。電車はまだあったのだけど
月も星もきれいで、なんだか歩いて帰りたかったから。
☆
昨日、Hair Splashの小林さんから“幸福の木”が遂に開花したといううれしい速報を受け、
開花する夜を待っていそいそお店へ。 ひらいたばかりという幸福の花は、仄かな妖精のように可憐。
それでいて、もの云わぬ植物が紛れもなく生きていることを実感せずにはいられない圧倒的な存在感。
近づくと、タヒチやバリなど遠く懐かしい南国の花々を彷彿させる恐ろしく蠱惑的な甘い芳香――
つい猫みたいにくんくん嗅いでしまう私(笑)。嗅覚と記憶は大脳で分かちがたく結びついているゆえ、
香りに喚起される記憶は 映画のように鮮烈。初めて嗅ぐ花の香りが、こんなにも懐かしいなんて!
半透明の雫は、これから咲かんとする蕾から滴っている樹液。一寸舐めてみたら、甘く優しい蜜の味。
小林さんによると、さらに開花すると鞠のようになって、お店中にこの香りが満ちるのだとか!
見ごろ予測は3月10前後で(10日は定休のようですが)、開花するのは夕方以降のよう。
追って 満開の幸福の木を 見に(&嗅ぎに)お店に伺おうと思います。
☆
久々に暖かだった土曜の午後は、原宿キャットストリート側でキムリエさんと待ち合わせ。
キムリエさんは麻布十番のスタジオ トリコから自転車で登場。私も自転車にすればよかった…!
この日はなぜか、マフラーからタオル、コーヒースプーン(?!)まで 道端にていろんなオトシモノに遭遇。
そのひとつ、冬眠から醒めた小動物のごとき、ファーの塊。いまにもぴょこんて動きそう。
向かったのは、ars galleryで開催していた村瀬可衣さんのステンドグラス展「桜とポピー」。
「ポピーって、やっぱり赤ですよね!」と村瀬さんと意気投合。
私のポピー好きの原点は、初夏のローマ遺跡に群生していたワイルドな赤いポピーの記憶。
彼女のポピーは深い死生観に関わるもののよう。ただ美しい、というだけではない澄んだ妖気が
ギャラリー空間を密やかに包み込んでいた。
階下には、村瀬さんのアトリエにも寄り添っているという桜のステンドグラスがほのほのと。
薄淡く発光する桜に抱かれた、ほの白い花闇の空間。なんだか急に、坂口安吾を読みたくなる。
(LED内臓のステンドグラスは個別に買える。手作りなので当然ひとつとして同じ桜はいない)
螺旋階段から仔猫みたいに覗いているのはキムリエさん。
おやつに、仏人率が妙に高いクレープリー ラ・フェ・デリースでもちもちの苺クレープをぱくぱく。
帰りにお店の上の帽子屋さんで春用キャスケットを入手。なんだか旅に出たくなる。
☆
キムリエさんにかわいい小鳥のオブジェをいただいた。うちにある雑貨たちとトーンが似ていて
なにげに棚に置いてみたら、むかーしからずーっとそこに居たみたいになじんだ。
ピチュピチュッ
☆
この季節はいつもそうなのだが、菜の花の辛し和えを作るたび、開き過ぎた花を食べずに飾る。
2月に益子から連れてきたミルクピッチャー(或いは醤油挿し)が、初めて役に立った。
枯木なのに、触れるとあたたかい。頭上の鳥の巣には、何が居るのか居ないのか。
週末の夜更け、代々木公園の遊歩道をてくてく。電車はまだあったのだけど
月も星もきれいで、なんだか歩いて帰りたかったから。
☆
昨日、Hair Splashの小林さんから“幸福の木”が遂に開花したといううれしい速報を受け、
開花する夜を待っていそいそお店へ。 ひらいたばかりという幸福の花は、仄かな妖精のように可憐。
それでいて、もの云わぬ植物が紛れもなく生きていることを実感せずにはいられない圧倒的な存在感。
近づくと、タヒチやバリなど遠く懐かしい南国の花々を彷彿させる恐ろしく蠱惑的な甘い芳香――
つい猫みたいにくんくん嗅いでしまう私(笑)。嗅覚と記憶は大脳で分かちがたく結びついているゆえ、
香りに喚起される記憶は 映画のように鮮烈。初めて嗅ぐ花の香りが、こんなにも懐かしいなんて!
半透明の雫は、これから咲かんとする蕾から滴っている樹液。一寸舐めてみたら、甘く優しい蜜の味。
小林さんによると、さらに開花すると鞠のようになって、お店中にこの香りが満ちるのだとか!
見ごろ予測は3月10前後で(10日は定休のようですが)、開花するのは夕方以降のよう。
追って 満開の幸福の木を 見に(&嗅ぎに)お店に伺おうと思います。
☆
久々に暖かだった土曜の午後は、原宿キャットストリート側でキムリエさんと待ち合わせ。
キムリエさんは麻布十番のスタジオ トリコから自転車で登場。私も自転車にすればよかった…!
この日はなぜか、マフラーからタオル、コーヒースプーン(?!)まで 道端にていろんなオトシモノに遭遇。
そのひとつ、冬眠から醒めた小動物のごとき、ファーの塊。いまにもぴょこんて動きそう。
向かったのは、ars galleryで開催していた村瀬可衣さんのステンドグラス展「桜とポピー」。
「ポピーって、やっぱり赤ですよね!」と村瀬さんと意気投合。
私のポピー好きの原点は、初夏のローマ遺跡に群生していたワイルドな赤いポピーの記憶。
彼女のポピーは深い死生観に関わるもののよう。ただ美しい、というだけではない澄んだ妖気が
ギャラリー空間を密やかに包み込んでいた。
階下には、村瀬さんのアトリエにも寄り添っているという桜のステンドグラスがほのほのと。
薄淡く発光する桜に抱かれた、ほの白い花闇の空間。なんだか急に、坂口安吾を読みたくなる。
(LED内臓のステンドグラスは個別に買える。手作りなので当然ひとつとして同じ桜はいない)
螺旋階段から仔猫みたいに覗いているのはキムリエさん。
おやつに、仏人率が妙に高いクレープリー ラ・フェ・デリースでもちもちの苺クレープをぱくぱく。
帰りにお店の上の帽子屋さんで春用キャスケットを入手。なんだか旅に出たくなる。
☆
キムリエさんにかわいい小鳥のオブジェをいただいた。うちにある雑貨たちとトーンが似ていて
なにげに棚に置いてみたら、むかーしからずーっとそこに居たみたいになじんだ。
ピチュピチュッ
☆
この季節はいつもそうなのだが、菜の花の辛し和えを作るたび、開き過ぎた花を食べずに飾る。
2月に益子から連れてきたミルクピッチャー(或いは醤油挿し)が、初めて役に立った。