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柔らかい月

2008-09-21 05:35:14 | Luna もの思う月
一週間近く缶詰になって原稿に追われ、やっと休息が訪れた週末の夜、弟が遊びに来た。
土曜は一緒にミッドタウンへ。ガレリアやガーデンに毒キノコ、もとい、草間彌生の作品が。

FUJIFILM SQUAREで写真展「オランダ人が見た昭和の日々」を開催しており
昭和20~30年代の日本の風景が、単なる異国情緒を超えて活写されていた。
撮影者は日本に赴任していたオランダの銀行員。まるでマグナムばりのフットワークだ。
↓昭和35年 数寄屋橋の日劇前。雑踏の音がたしかに聴こえてくるよう。
ⓒエイスブラント・ロッヘ


ミッドタウンのとらやで開催中の「月と暦展」にも寄り道。月にまつわる和菓子の数々が実に風雅。
これは9月頭にレイちゃんと会った際、一足早くいただいたとらやの月見うさぎ饅頭と月の懐紙。
月を象った懐紙に 白雲にみたてた白い懐紙を重ね、月の満ち欠けを模して遊べる。
 
月なき夜は みたての月で 月を愛で。うさぎを寝かして寝待ち月。

これは、デザインが気に入って 夏にジャケ買いならぬパッケージ買いした「東京ブラック」。
雲間に浮かぶ満月を、腰手にきりりと仰ぐお相撲さんの画がいい。

ビールはお腹いっぱいになってしまうので、普段はほぼ飲まないけど
一寸味見したら、苦みばしった濃厚な大人味。


原稿に追われている間に 月も細ってきたけど、先週は中秋の名月だった。
これは14日午前1時すぎ、ベランダの月桂樹とぐみの梢越しに現れた ほんのり橙色の月。

この日は残念ながら夜は雨に。

17日、夜明け前にふと窓を見たら、十五夜ばりのきらきらつぶらな月と目があった。
旧い知己に遭遇したような懐かしさ。


17日、明け方の残月。みるみる透明になって消えてしまった。



初夏に一度大伐採した東向きのベランダのグリーンが、夏の間にすっかりまた藪と化してしまい、
伸び放題の朝顔が、階下のおうちの植物にも絡み始めたので、慌てて剪定。
しかし、うっかり開花直前の蕾までちょきんと。。
朝顔の弦を切花にするのは難しいだろうなあと思いつつ、硝子壜に挿してみる。

翌日、一番大きな蕾が開くかと思いきや、そのままポトリと堕ちてしまった。。線香花火みたいに。

2日目、小さかった蕾がふたつ、順調に膨らみ、3日目の朝にゆっくりゆっくり開花。


が、夕方にはついに開花しきることなく萎んでしまった。小さなパフスリーブみたいになって。

・・・来夏またね。


満月前後、ニキが近くにいるような気がした。
ニキが星になって4カ月。朝顔に代わって花も秋めかして。


こっちは去年のちょうど今頃の窓辺。ワレモコウと蓮。しぶい。


去年買ったまま忘れていたイタロ・カルビーノの「柔らかい月」を
昨日、書棚の奥から発掘。たぶん、本が呼んだのだ。「ここだよ」って。
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