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ベッドの下のテレーザと濫読休日

2008-11-17 07:25:50 | Book 積読 濫読 耽読
宿題(原稿)も約束も予定も入れずに迎えた静かな土曜。遅ればせながら、冬支度に着手。
といっても、クローゼットの冬物と夏物の位置を入れ替えたり、寝具を冬仕様に替える程度なのだが
ついでにベッドの下にしまっている旧い資料を引っ張り出して整理したり、入念に掃除してみたり。

そうしたら、ベッドの下から数冊の本と、このポストカードが↑
ベルニーニの代表作のひとつ「聖テレーザの法悦」。その昔、ローマの教会で入手したもの。
(この彫像、ちくま文庫版バタイユ『エロティシズム』の表紙にもなぜか使われていたりするのだが)
いつ、どのタイミングで落っこちちゃったんだろう? ベッドの下のバロック。

で、こっちが救出した本たち。再読しようと思って枕辺に無造作に重ねていたのが、
寝ている間に落としちゃったらしい(寝相はいい筈なんだけどな)。
で、結局、土日はこれらの本をつらつら読んで過ごした。
(仕事で資料読みに時間を割かれることが多いので、こういう時間は天国に思える)

デュラスの『モデラート・カンタービレ』は、中身を見事に忘れていたお陰で、新鮮に堪能。
鷲田清一の『モードの迷宮』は、10年程前に読んだ時とはまた別の感慨があった。
モードの軽やかさに惹かれつつ、その「せつなさ」や「残酷さ」を哲学的に紐解いた名著。

出色は四方田犬彦の『人間を守る読書』。古典からサブカル本まで155冊を紹介した書評集なのだが
どれも快哉! E.サイード、岡崎京子、種村季弘、秋山邦晴、マルクス・アウレーリウス、ダンテ、
三島由紀夫の著作について語った文が個人的に特にヒット。実に冴え冴えと明快。

11月14日のblogでブラッドベリの絵本について触れたが、彼の傑作『華氏451度』は
本を読むことが禁じられた近未来のお話。私は学生時代、原作を読む前にトリュフォーの映画で観たが
焚書の影で、本そのものを丸暗記して諳んじる人々の存在が示唆されるラストにいたく感動したものだ。
四方田氏も先の本で、同様のことを書いていた。究極的に、書物は活字ではなく声なのかもしれない。

寝入りばなには『おはようライナス君』をつらつら。PEANUTSシリーズは小学時代のバイブルのひとつ。
いまやフェティシズムの代名詞となっている“古い毛布”が姉ルーシーに略奪され、あろうことか
そのフェチの対象を埋められてしまったライナス君の騒動は、今読んでも傑作。谷川俊太郎訳だしね。




土曜、近所に買物に出かけた際、なんか気になって路地裏を覗くと、茶トラ猫がいた。


「にゃ(こんばんは)」と呼んだら、くるっと振り向きざまに「みゃおわあ(あーただれ?)」

ルヴァンで買ったばかりのカボチャパンをちぎってあげたら、匂いを嗅いで猫またぎ(笑)
猫にかまけているうちに小雨が。よかった、家の側で猫に遭遇したお陰で、すぐ傘をとりに戻れた。


日曜朝、ルヴァンのパンをいただく。猫はお気に召さなかったようだけど、至極美味しい。
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コメント
 
 
 
Unknown (すみ太)
2008-11-17 20:39:02
ゆっくりされた土曜日だったのですね(笑)
私も冬支度を済ませました。
こちらの冬は熊でなくとも冬眠したくなりますから・・・。
私も最近、「スヌーピーたちの人生案内」を購入しました。なんでもブックコーディネーターの人のお勧め本だったのです。
 
 
 
スヌーピー (LunaSubito)
2008-11-17 23:17:28
秋でも日中はそこそこ暖かいので、
冬支度がおせおせで もう。

ピーナツに登場する子供たちはそれぞれプチ哲学を
持っているから面白いですよね。
スヌーピーなんて、全然かわいいキャラじゃなくて
ニヒリストのおじさんぽいし(笑)

 
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