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空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

小説『つぎはぐ、さんかく』

2025年06月06日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、
一つ上の晴太、中学三年生の蒼と
三人で暮らしている。
ヒロが惣菜を作り、
晴太がコーヒーを淹れ、
蒼は元気に学校へ出かける。
店はオフィス街と住宅街の中間にあり、
買っていくのは若い社会人か忙しい主婦。
惣菜や弁当の販売だけでなく、
店内で食事も出来る。
常連も着き、
三人で食べていくだけの売上はあるようだ。

三人の関係は何だろうと思って読んでいると、
ある時点で「晴太は兄です」とヒロは言う。
どうやら兄弟らしい。
では、両親はどうしたのか。
なぜ兄弟だけで暮らしているのか。
そうしているうちに、
蒼の父親という人物のことが書かれ、
三人は血のつながりがないことが分かる。
三人は擬似家族を作っていたのだ。
そして、それぞれの置かれた環境が描かれ、
三人とも、
「お前は要らない」と見捨てられた者たちだと判明する。

そして、ある日、
蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。
全寮制の専門学校に行きたいという。
これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、
激しく動揺する。
そして、蒼が行方不明になり、
数日後、帰って来た。
その行先は・・・

というわけで、
町の片隅に住む、
惣菜店を営む3人の物語。
さわやかな話のようだが、
実は背景にかなり重い問題を抱えている。

蒼の旅立ちは、
三人の関係を根底から揺るがす。
それは蒼の成長の結果で仕方ないことだった。

蒼が見るはずの未来を、
私たちの手で見えなくしてしまっているんじゃないかとか、
本来形になるはずのない『家族』を、
私たちが無理やり作って
蒼に押し付けているんじゃないかとか。
屈託なく笑う蒼の顔を免罪符に、
これが幸せだと決め込もうとしていた。

きっとふたりともかわかっていたのだ。
父に捨てられ母とも引き離された蒼には、
晴太だけが、
そして同じく父も母もいない晴太にとって、
蒼だけが家族だということを。
入れて、と思った。
私もそこに入れて。
うらやましいとかあこがれるとか、
そんな感情を飛び越えて、
私もそこに入れてねしいと思った。

三人の関係が次第に分かって来る経過は、
なかなか巧みだ。
ヒロが学校で浮いた存在だったというのも、
出自が分かった時、納得する。
次作の「さいわいわ住むと人のいう」と同様、
最初の方を読んだだけで、
筆者の才能が伺える。
やがて直木賞の候補になるだろう。

惣菜店兼食堂の話なので、
料理が頻繁に出て来て、
食欲をそそる。
刑事の花井や日村など常連も魅力的。

最後の方で、
ヒロの名前の由来が分かり、
母親と再会する場面は、
祖母の存在も合わせ、
読ませる。

母親がヒロに手放した理由を話そうとすると、
祖母は止める。
「言い訳はしない。
これ以上見苦しい母親になったらいけない」

「おれたちはここまでだよ」との晴太の言葉が悲しい。

題名の由来は、次の言葉に集約される。
「たとえそのつぎ目が不格好でも、
 つながっていられればそれでいいと思っていた。」

第11回ポプラ社小説新人賞受賞作
選考員満場一致だったという。
本屋大賞の対象になってもよかったと思うが
ノミネートさえされなかった。

筆者菰野江名は、現役の裁判所書記官だという。

 


映画『ミッション:インポッシブル ファイナルレコニング』

2025年06月05日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作
前作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング」と
あわせて2部作として製作され、
当初、タイトルは
「ミッション:インポッシブル デッドレコニング Part Two」であったが、
最終的に
「ミッション:インポッシブル ファイナルレコニング」となった。
「ファイナル」? 最終作との話もある?

5月23日から日米同時公開だが、
日本では、先立つ5月17~22日の6日間にわたり
先行上映が行われた。
全米では、「リロ&スティッチ  実写版」に初登場トップを譲ったが、
週末3日間で興収6300万ドルをあげ、
シリーズ史上最高の成績でスタート。
2週目も2位を確保、
累計興収は1億2200万ドルを突破し、
25年に北米で公開された作品の興収ランキングでは7位に。
全世界累計興収は3億5300万ドルに達している。
制作費は推定4億ドルだから、
まだ追いつかない。

題名から「Part Two」は取れたものの、
前作「デッドレコニング」から続く物語が展開。
前作のラストで世界の命運を握る鍵を手にしたイーサン・ハントと、
その鍵によって導かれるイーサンの運命、
悪意ある人工知能“エンティティ”による
世界崩壊の危機を防ぐための奔走、が描かれる。

アメリカ映画常套の3部構成で、
人工知能のソースコードの鍵を巡る
宿敵・ガブリエルとの抗争から
ロンドンに仕掛けられた核兵器の解除。
前作の冒頭で沈没したロシアの潜水艦の座標を捜索し、
潜水してのコア・モジュールの回収。


核保有国の兵器庫がエンティティに占拠され、
核戦争による世界崩壊の危機にあたり、
エンティティを無力化するための
イーサンのぎりぎりの闘争。

最後のくだりは、
エンティティを無力化する「ポイズン・ピル」が、
ガブリエルに盗まれ、
それを取り返すためのすさまじいアクションが展開する。

複葉機で逃げるガブリエルを、イーサンは別の複葉機を奪って追跡し、
空中でガブリエルの飛行機に乗り込む。
ポイズン・ピルを奪われたガブリエルはコックピットから投げ出され、
パラシュートを作動させようとて、尾翼に頭を打って死ぬ。

イーサンは2つ目のパラシュートを見つけ脱出、
落下しながらポイズン・ピルをモジュールに差し込み、
エンティティを騙して物理ドライブにダウンロードさせ、
外界から隔離する計画。
その解除を手伝ってくれてるドガと妻のタペッサが
安全な場所に避難する為の10秒。
エンティティを物理ドライブにダウンロードして、
エンティティに気付かれる前に取りだし、
エンティティを世界のネットワークから外部に移動させる。
その時間はわずか0.1秒。
2つのタイムリミットが緊迫感を盛り上げる。

ポイズン・ピルだのモジュールだの、
エンティティを閉じ込めるだの
理解が追いつかない概念が次々と出て来るので、
よく分からない。
よく分からないまま、
イーサン・ハントの活躍で世界が救われた、
という結論だけ飲み込むしかない。

ただ、プロペラ機の上でのトム・クルーズのアクションは、
スタントを使わず、本人がやっていると知っているだけに、
迫力満点。

とにかく見せ場に続く見せ場で、
おなか一杯。
2時間49分があっという間に過ぎる。
過去作との関連も沢山出て来るが、
記憶が追いつかない。

第5作「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」から
監督を務めるクリストファー・マッカリーが続投。
手を抜かない緻密な描写に終始。

5段階評価の「4」

拡大上映中。

 


たいこ茶屋

2025年06月04日 23時00分00秒 | グルメめぐり

一昨日、この駅へ。

目的地は、ここ。

以前、渋谷の玉手箱と

豊洲のいろはを紹介しましたが、

2店同様、海鮮食べ放題の店です。

階段途中に、店名どおり太鼓が置かれ、

これが入口。

中の様子。

棚にいろいろな料理が並んでいますが、

やはり、お目当ては、これ。

ランチの刺身食べ放題

制限時間50分

一回目。

白飯と

酢飯。両方あります。

前にも書きましたが、
お刺身って、そう沢山食べれるものではありません。

私と前後して入った、中年男性は、
およそ20分で退店。

私もお代わりせずに、
デザートのフルーツポンチと杏仁豆腐を食べて、

40分で退店。

テレビドラマに登場したりの有名店で、
ランチタイムはほぼ6割の入り。

注意書き。

インバウンドもいました。

有名人も沢山来ているようです。

帰りに見た、馬喰町駅の通路の奇観

ホームレス対策でしょうか。


サンライズ出雲

2025年06月02日 23時00分00秒 | 旅行関係

大阪の旅のブログを始めるにあたり、
「1泊3日の旅」と、妙なことを書きました。
なぜ2泊3日ではなく、1泊2日でもないのか。
それは、東京に戻るのが車中泊だからです。

車中泊。バスではありません。
夜行バスは、以前経験して、懲りました。
夜行寝台列車です。

寝台列車といえば、
昔は「ブルートレイン」が随分走っていました。


寝台特急「さくら」、「はやぶさ」、「みずほ」、
「富士」、「あさかぜ」、「瀬戸」、「紀伊」、
「銀河」、「ゆうづる」、「あけぼの」などなど。
寝台急行というのもありました。

私も、東京から米子までと
福岡から東京までと、国内2度経験があります。
ついでに言えば、
中国で西寧からチベットのラサまで24時間の天空列車、
トルファンから敦煌までの夜行列車も経験しています。

ブルートレインは、
2015年3月14日のダイヤ改正で、
最後まで残っていた「北斗星」が定期運行を終了し、
約60年の歴史に幕を閉じました。

確かに、飛行機の路線が充実し、
新幹線も走るようになり、
宿泊しつつ遠隔地に行くという形態がなくなるのは、
時代の趨勢だったのでしょう。
夜間に乗務員や駅員を確保することによるコストの問題、
車両運行に必要な乗務員訓練の手間やコスト、
長距離を走るため複数の鉄道会社をまたぐ調整や手間、
日中は車両を使えず効率が悪い、
などの問題もあったようです。

しかし、夜行寝台列車、
形を変えて残っていたんですね。
「ななつ星 in 九州」や「四季島」「TWILIGHT EXPRESS瑞風」など。
ただ、それらのコンセプトは、
移動目的ではなく、周遊型の、
旧来の夜行列車とは存在の仕方が土台から異なる
豪華クルーズトレインで、
「列車に泊まれる」というもの。
「寝台列車」の観点では、
ブルートレインの後継である
「サンライズ瀬戸・出雲」が唯一の存在です。

サンライズ出雲は、
出雲を始発駅として、東京へ。

岡山で高松から来た「サンライズ瀬戸」と連結して、
それ以降は「サンライズ瀬戸・出雲」として運行。
その逆方向もあります。

停車駅は、↓。

大阪では、深夜0時33分に出発して、
東京に着くのは、朝7時8分。

大部分は個室で、
シングルもツインも。

個室は追加料金が必要ですが、
追加料金がかからないのが、
「ノビノビ座席」
上下段に分かれており、
寝台スペースが並んでいる、
いわば、「雑魚寝」。

シャワー室もあり、
シャワーカードにより6分間利用することができますが、
早々にカードは売り切れに。

私はYouTubeで「サンライズ出雲」のことを知り、
今回の旅行の帰路として、選んだわけです。

万博会場を出て、ホテルで荷物をピックアップして、
大阪駅に着いたのが10時半くらい。
中に入ろうと、改札機にチケットを入れると、
はねられてしまいました。
駅員に聞くと、0時33分の出発なので、
1時間前にならないと入れないといいます。
では乗車券だけ改札機を通して入れないか、
と言うと、
「22日から有効となっているので、それも無理」と。
仕方なく、駅前の通路のようなところで時間をつぶし、

11時40分頃、中へ。
今度は改札機にはねられることはありませんでした。

ホームには、待合室があり、

列車の到着まで待ちます。

大雨のため10分遅れで到着。

「ノビノビ座席」の5号車に入ると、
↓のような光景が。

2段になって、寝台スペースが並んでいます。
昔の寝台車では、
普通の座席で、
時間が来ると、
車掌が中段のベッドを作る方式。


「ノビノビ座席」は最初から寝るスペースです。

上の段の方が天井が高い、と聞いていたので、
上段を指定。

チケットは、1カ月前に発売
1カ月前の午前10時になったら申し込み、
と思っていたら、
事前予約という仕組み↓があり、

そこに予約しておくと、
1カ月前に、チケットを取れた、
とメールが入ります。

乗車券8910円、特急券3490円。
都内のJR西日本のものを扱う発券機で発券。

寝る場所が並んでいますが、
頭の部分が↓のようになっており、

隣の人と顔を合わせることはありません。

シーツでくるまれた毛布と、
1枚の枕カバー。

敷布団はないので、
固い床に寝る感じ。

窓は↓のようなもので閉めることができます。

カーテンを引くこともできます。

夜中に起きた時の光景。

履物は車掌さんがきれいに並び変えています。

これは個室の廊下。

トイレもきれい。

ノイズキャンセリングのヘッドホンで音楽を聴きながら就寝。

よく寝れました。

途中から外の景色を楽しみました。

10分の遅れを途中で取り戻して、
定刻7時8分に到着。

旅行では珍しい体験をしたいものですが、
夜行寝台列車、貴重な経験でした。

9回に渡った大阪の旅も、これで終了。
通常のパターンに戻ります。

 


大阪で泊まったホテル

2025年06月01日 23時00分00秒 | 旅行関係

今度の大阪でのホテル。
寝るだけですから、
あまりお金は使いたくありません。
いろいろ探していたら、
あるホテルで、↓のような写真が出ていました。

これで、カプセルホテルだといいます。

普通、カプセルホテルというと、
↓のような棺桶スタイルですが、

このホテルは部屋風になっています。

料金は5千円少々。
ロケーションも新大阪から
地下鉄御堂筋線で下り、
万博会場へ行く中央線に乗り換える
本町駅近くという絶好の場所。
荷物を預けて万博会場へ向かうことが出来ます。
                                        さっそく予約して、
新大阪に着き、
地下鉄御堂筋線で本町へ。

ここで迷子になりました。

ホテルの説明どおりに行ったつもりでしたが、
どこまで言っても行き着かない。
仕方なく、タクシーに乗って、
カーナビにホテルの住所を入れてもらって、
ホテルの前へ。

「カーゴ」とは、「籠」のことらしい。

私は大体地図があれば、
頭に入って、ちゃんと行き着きつける人なのですが、
寄る年波で羅針盤が狂ったかと思い、
地図を再確認してみると、
地下鉄の出口の向きが実際と違う。
これでは間違った方向に向かうのも無理ありません。
また、「丸亀製麺の角を左折」と書いてあるのに、
肝心の丸亀製麺が撤退して、存在しません。
正しい経路で行ったとしても、迷子になったでしょう。

とにかく、ホテルに荷物を預けて、
軽装で万博へ。
ボタニカルガーデンから帰って、ホテルへ向かい、
チェックイン。

1階はオープンスペースになっており、

2階にフロント。

風呂屋みたいに男女に別れているのは、

それぞれのエレベーターが男性用フロアと
女性用フロアにしか行かないようになっているため。

私の部屋番号は303号室。

エレベーターを降りると、
↓のような光景が広がっていました。

上下2段に分かれていて、
部屋は↓の様子。

1畳半ほどのスペースに布団が敷かれています。


天井までの高さが1メートル位で、
立つことは出来ません。
中腰のまま移動。
「棺桶」ではなく「屋根裏部屋」風

クローゼットも台もあり、

金庫も備えており、

テレビ用のヘッドホンもあります。

難は中腰でしか移動できないこと。
まあ、「棺桶」型のカプセルホテルも同じですが。

通路との境がカーテンだけというのは、改善の余地あり。

上段用のはしご。

洗面所はご覧のとおり、きれい。

トイレはドアが開くと蓋が自動で上がる
最新式のウォッシュレット。

シャワーも各階に2つありますが、

9階には、ちゃんとした風呂の設備もあります。

パジャマも貸してくれるので、

移動はパジャマで。

係員の対応もなかなかいい。

というわけで、
一昨年の名古屋に続き、
2度目のカプセルホテル宿泊経験。
まさに寝るだけの利用で、
翌日も荷物を預けて、
万博会場へ向かいました。

あとで調べてみたら、
カプセルホテルでも、
棺桶タイプに限ったわけではなく、
いろいろあるようです。