Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

オマージュチェック

2008-09-20 01:40:27 | K-Movie Columns


『ノム x 3』 が 700 万人も動員した理由がちっとも理解できず・・・
韓国人が面白いという思うツボとは違うのね~とやや凹んだり(笑)。

でもって、キム・ジウン監督が 『ノム』 を制作するにあたりオマージュを捧げたという 2 作品、セルジオ・レオーネ監督の 『続・夕陽のガンマン』 とイ・マニ監督の 『鎖を断て』 を見てみました。

この 2 作品、『ノム』 のあそこはここのパク... いえ、オマージュじゃないかしらとチェックできるので、『ノム』 鑑賞後だからこそ楽しめた部分が多分にありました。

以下、個人的感想なのであしからず。




『続・夕陽のガンマン』
原題:The Good, the Bad and the Ugly  (イタリア・アメリカ 1966 年)
監督: セルジオ・レオーネ
出演: クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラック 

 
           

上映時間 160 分。『ノム』 が長いとかいうどころではありませんが、ちっともタルいと思いませんでした。

時代背景は南北戦争。スケールが壮大であることはもちろんですが、戦争の虚しさや、軍人の悲哀、ガンマンの孤独、といったヒューマンドラマ的要素がちりばめられていることに、ちょっと驚きましたがとても新鮮でした。こういう要素を盛り込むことは、純粋ウェスタンの王道からは外れているそうですが・・・。

一見、THE GOOD が主役のようですが、話をひっぱっているのは THE UGLY かな。いずれにしろ THE BAD の出番は 『ノム』 同様他の 2 人に比べて少なくて、どちらかというと THE GOOD vs THE UGLY の構図に焦点が当てられていました。奇しくも、THE BAD 役を演じたのは、リー・ヴァン・クリーフで、やはり Lee さん(笑)。ビジュアルでキャラ立ちしすぎるところもないのに、キャラが成立しているところは俳優の力量なんでしょうかね。

THE GOOD のクリント・イーストウッドが砂漠の中を引きずりまわされ、ジリジリと照りつける太陽で顔にやけどを負い、皮膚がボロボロになっている姿なんて、リアルすぎて涙出そうでした。古いフィルムなのに、カラカラした空気や、砂が家の中に入ってきそうな妙な臨場感がありました。

カメラワークも当時としては斬新だったのではないでしょうかね~。お墓がコロシアム状に並んでいる場面なんて、異次元サークルのようでゾクゾクしました。

長尺だからいろいろ叙事的な部分を盛り込めたのかもしれませんが、ただのドンパチとお宝探しで終わらず、奥行きがあって見終わってもしばらく余韻が残るところは断然良かったと思うのです。

やはり名作として残っているだけの理由はあるのですね~


 

『鎖を断て』
原題: 쇠사슬을 끊어라 (韓国 1971 年)
監督: イ・マニ
出演: チャン・ドンヒ、ナム・クンウォン、ホ・チャンガン

           


満州ウェスタンというジャンルが韓国映画にも 1960~70 年代にあったという記事は読みましたが、レトロなフィルムはなかなか見る機会がないなぁと思っていたら、オンラインで見ることができるという情報をブロ友さんからいただき、さっそく見てみました。もちろん字幕なしですが・・・

美術やら撮影技術などについては、現代の技術と比較することに意味がありませんが、1930 年代のはずが、撮影当時の世相をそのまま移したような感じがします。時代考証やらセットはチグハグなのに、なぜか無理やりポップなところがちょっと笑えるです。もっとも 『ノム』 の時代考証もチグハグな感は否めませんから、レトロだからとかカレントだからというのは関係ないかもしれません。

唐突に雪山のシーンが出てくるところなんて、どうしていきなりスキーしているのかと笑いが止まりませんでしたが(爆)。リュ・スンワン監督の新作 『タチマワリ~』 では、このあたりがパロディ化されているようなので、見る時に楽しみでもあります。

話の軸は、独立軍 vs 日本軍という構図が明確で、そこに 3 人のノムが絡むという進展ですが、セリフも多くて登場人物の背景が複雑なので、字幕がないのがツライところなのですが、これが不思議と映像で分かってしまうところもたくさんありました。

何よりも・・・ 字幕がなくとも 「鎖を断て」 というタイトルが何を指しているかということが、しっかり伝わってくるところにちょっと感動 すら覚えました。