Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

「塀の中」を覗いてみたら

2007-08-07 00:02:18 | Cinema な時間


週末に『息子』(監督:チャン・ジン)のDVDが届いたので早速見て、その後、ついでに『偉大なる系譜』(監督:チャン・ジン)も見ながら、ふと、なんだか私が最近見る韓国映画作品で「塀の中」を扱う題材が多いのはなぜかしら、と思った。『ホリデー』(監督:ヤン・ユノ)も『私たちの幸せな時間』(監督:ソン・へソン)もそうだったし。自分のチョイスが偏っているせいかも? ともあれ、なんだかすっかり見慣れた風景になってしまった

塀の中といえば、アメリカのドラマ「プリズン・ブレイク」が刑務所そのものを舞台にして、もうすでにブレイクされたはずなのに、シーズンIIってどういうことよ・・・とあちこちでツッコまれているけど、また見るかも。ドラマだからね。

ところで日本の刑務所はどうなっているのかしらん、と思って何か面白そうなものはないかなと検索してみたら、あった。崔洋一監督の映画『刑務所の中』(2002年)。

         

役者は、山崎努、香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史、大杉漣ら実力派ぞろい。原作はコミックで、作者花輪和一の実体験をもとに描かれているコメディ。

ストーリーはきわめてスローな展開。邦画にありがちな、
ローテンポなコメディの典型で、抱腹絶倒というわけではない。元々そういう狙いなのだと思う。

スクリーンで見る韓国の刑務所は、今にも異臭が漂ってきそうな獄房だが、日本の刑務所はそれとは大違いで、清潔感溢れてコギレイ。もしかして自分の家より整理整頓行き届いていて、LOHAS的生活スタイルを実践しているのかのようにも見える

それに自然に囲まれた空気のいい環境で、規則正しい生活を送り、ゆったりと時が流れて、心が落ち着く平穏な日々。意外と居心地がよかったりする? もちろん細かい規則で行動は制約されているけれど・・・

よく刑務所の中で描かれる(って、私がそんなものしか見てないのかもしれないけれど)、イジワルな監察官からイジメられたり、牢名主みたいな人が雑居房を仕切っていたり、ヤクザな兄ちゃんが因縁つけたり・・・なんてことはまったくない。

個性豊かな囚人たちが集まっても、諍いひとつない。むしろ、お互いの個性に磨きをかけ合っているようにも見える。
何よりも悲壮感が漂っていないのも、問題じゃありませんこと?(笑)

おかしいのが、食事の献立を懇切丁寧に説明してくれるところ。豪勢ではないけれど、クサイ飯どころか、ファミレスよりずっと家庭的なメニュー。それに、三割麦飯ですと・・・ 健康的な食生活じゃないですか。お酒はダメみたい(これはツライっ)。

でも、待てよ、罪を犯した受刑者たちが、こんなにもゆとりある健康的な生活を送るために、あくせく働き不規則な生活を送っている一般庶民の税金が使われているのかと思うと、だんだん腹立たしくもなってきた