Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

DVD鑑賞 『春香伝』

2006-09-13 23:51:42 | K-Movie Notes

(Image source: movist)
韓国では知らぬ者はいない古典ラブロマンス「春香傳」をベースにした『春香伝』(2000年 監督:イム・グォンテク)。前から見てみたかったのだけど、ようやく見ることができた。いやー、ザ・コリアン・クラシックという感じ。見てよかった。

もちろんこの古典の映画化は、これまでに何度(14本)もあって、このイム・グォンテク作品が最新「春香伝」というわけだ。

古典を素材として扱った上、ストーリーは「春香伝」のパンソリ(韓国の民謡)にあわせて進む。パンソリは、日本で言うと、「謡曲」とか「義太夫節」みたいな感じなのかな。パンソリの節回しは最初はなじめないのだけど、字幕もあるので意味も分かるし、その独特の節回しやメロディがだんだん心地よくなるので不思議だ。人の声だからだろうか

そしてなんと言っても言葉・表現の豊かさが面白い 。映画の脚本で言うとト書き部分を「語り」にしてパンソリが謡われ、それに映像が乗っている。かなり、凝ったつくりである。イム・グォンテク監督の思い入れが伝わってくる。古典素材であっても、現代的な解釈もそこここに見られたりする。

物語は、チュンニャン(イ・ヒョンジョン)の「愛する者への貞節を守り抜く」烈女伝であるのだが、モンリョン(チョ・スンウ)もチュンニャン一筋の男性。まさしく、「純愛」の本家本元ここにありってことで、今、私たちが見ている韓国ドラマの基礎・骨格みたいなもの。ドラマ「怪傑春香」は、この素材をそのまま現代に持ってきたドラマだった。契約関係、三角関係、家柄の違いなどの純愛には欠かせない要素がてんこ盛り。

「男の清き心は鏡の光にも似たり」と、モンリョンは漢陽へ旅立つ前日、鏡 をチュンニャンに贈り、一方チュンニャンは「女の固い決心は玉の光に似ている」と玉の指輪をモンリョンに贈る。こういう小物の使い方は、よく韓国ドラマや映画で見られる場面で、このあたりがベースなのかなぁと思ったりする。