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「はしか」と「リンゴ病」誤診の恐れ!似た症状 何が違うか?

2010年08月10日 | 健康

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 まぎらわしい2つの病気
 はしかとは何だろう?そう、全身に発疹の出る病気である。初期は38℃前後の風邪のような症状を示し、いったん解熱するが、半日ほどで再び39~40℃の高熱が出現し、発疹は出現後72時間程度持続する。やがて解熱し改善してくる。

 ところで、似たような病気でリンゴ病というものがある。リンゴ病は軽い発熱と風邪の症状で始まるが、その数日後発疹が起きる。まず、両ほおがリンゴのように赤くなるのでこの名がある。次に、手足や胸などに赤い発疹が出る。その後 1週間前後で症状はおさまる。

 このように、はしかとリンゴ病は、発熱や発疹など似たような症状を持つまぎらわしい病気であり、誤診されることもある。

 血液検査でも誤診
 国が全国の医療機関から報告を受けて集計しているはしか(麻疹)の患者数に、リンゴ病(伝染性紅斑)の患者がまぎれ込む可能性があることが分かった。感染の結果、血中にできる抗体が似ているため、血液検査ではしかと「誤診」されやすいという。

 国立感染症研究所は、はしかの患者数把握や予防接種率向上のため、医療機関に対して血液検査だけでなくウイルス検査も実施するよう求めている。

 静岡厚生病院の田中敏博医師(小児科)が、今年に入って静岡市内の医療機関から「はしか」と報告があった成人患者6人について再調査したところ、ウイルス検査で全員がリンゴ病と分かった。田中医師は「リンゴ病の症状であるほおの赤い発疹が大人には出にくいため、医師がはしかを疑い、血液検査だけで診断したのだろう」という。

 はしか流行の危険性
 はしかは感染力が強く、死亡例もある。予防接種が不十分な10~20代の若者に広がりやすく、2007年の流行では、全国の高校や大学で休校が相次いだ。海外旅行先で発病し「日本ははしかの輸出国」と批判されたケースもあった。

 世界保健機関(WHO)は日本に対し、2012年までに「人口100万人当たりの患者1人未満、予防接種率95%以上」を達成するよう求めている。感染研によると、今年の患者数は7月25日現在計317人で、人口100万人当たり約2.6人。2009年度の予防接種率も13歳で86%、18歳で77%にとどまる。

 感染研感染症情報センターの多屋馨子室長は「一度はしかと診断されてしまうと、その患者は予防接種を受けない。その後はしかを発症して感染が拡大するおそれもある。医療機関は血液検査に加えてウイルス検査も実施してほしい」と話す。(毎日新聞 2010年8月8日)

 はしかとは何か?
 「はしか」は正式には麻疹(ましん)という。ウイルス感染症の一種。伝染力が非常に強く、世界保健機関WHOの推計によれば、2004年の全世界の患者数は約40万人で、東南アジア、中近東、アフリカで多く発生している。予防策として唯一の方法は、幼児期のワクチン予防接種である。

 麻疹ウイルスの感染から、発症まで8~12日間の潜伏期がある。その後、発症すると38℃前後の風邪症候群様(発熱、倦怠感、上気道炎症状)の症状や結膜炎症状が2~4日続き、いったん解熱する。その後、半日ほどで再び39~40℃の高熱が出現し(二峰性発熱)、発疹が出現する。発疹は体幹や顔面から目立ち始め、後に四肢の末梢にまで及ぶ。

 発疹は鮮紅色で、やや隆起している。特に体幹では癒合して体全体を覆うようになる。発疹期は発疹出現後72時間程度持続する。解熱後も咳は強く残るが徐々に改善してくる。回復期2日目ごろまでは感染力が残っているため、学校保健安全法施行規則により解熱後3日を経過するまでを出席停止の基準としている(学校保健安全法施行規則19条2号)。

 りんご病とは?
 りんご病は正式には、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)といい。ヒトパルボウイルスB19による感染症である。リンゴ病という通称がよく知られている。

 感染経路は経気道的な飛沫感染である。ただし、ウイルスが排泄されるのは(免疫が正常の患者では)特徴的な発疹が出現するよりも1週間程度前までなので、伝染性紅斑の患者を隔離しても他者への感染予防にはならない。

 潜伏期間5~6日で血液中にウイルスが出現、風邪のような症状がみられる(発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛など)。小児ではこれらの症状が欠けることが多い。数日で血液中のウイルスが消失し、非特異的症状も改善、ウイルスの排泄もみられなくなる。

 その後約1週間は無症状。無症状期の期間を過ぎて後、発疹が出現する。まず両側の頬が発赤し、その後1~4日で体幹・四肢にも紅斑(赤い、平坦な発疹)が出現する。体幹・四肢の紅斑はある程度まで大きくなると、中央から退色し、網目状の発疹(レース状皮疹と表現される)となるのが特徴的である。(Wikipedia) 

 

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