広がる波紋のように・・・

ライアーを弾くとき
指のはらで弦を軽く押して音を出します。

そのときの指の力のいれ加減の感覚をつかむのが
うむむ・・・
なかなかむずかしいことであります。

が・・・
コツがつかめると
ほら！　ポーンと本当にいい音が
ライアーから生まれてきます。

その音は
やさしいけれど
やわらかだけど
しっかりとした芯がある音
そして、その芯の周りを
ひびきがふんわりと包み込んでいます。

誰もいない
し～んと静まり返った森の中
透き通る水をたたえた小さな湖
その湖に
ぽん・・・と小さな石を落してみると
落とした石の周りから
どんどん波紋が広がっていきます。
透明な水面を波紋が静かに静かに広がっていきます。

ライアーの弦と指から生まれる響き
それはまるで水面の波紋のように
空間の中に広がっていきます。

静かに静かに響きの波紋は広がって
あっという間に私を包み込み
そして私がいる空間全体を包み込み
遠くへ遠くへと広がっていきます。

遠く遠くへ広がる響きの波紋を感じること
それが・・・
耳をすますこと
こころをすますこと・・・