この度、新刊本を出版します。相続登記手続きがよく分かる本(秀和システム)です。
令和6年4月1日から、相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)が義務化されます。そのためか、すでに現在においても相続登記の件数は増加傾向にあります。本書は、相続登記を自分でしたいという方向けの解説書です。相続に関する書籍は、相続全般を解説するものや、相続対策(相続税や遺産争いについて)の解説書は数多く出ていますが、そのような書籍では相続登記に関する記述は少なめです。そこで本書は、相続登記に特化して書きました。
このような一般の方向けの法律手続きガイドブックを出版すると、よく聞かれます。「本を読んで自分で手続きする人が増えたら、それだけ仕事が減ってマイナスではないか?」と。
それに対しては、いつも「お蕎麦屋さん」の例でお答えしています。
人気あるお蕎麦の名店があったとします。その店主が、この度「おいしい蕎麦の打ち方」の本を出しました。この店主、「あー、こんな本を出したらみんな自分で蕎麦を打つのでお客さん減っちゃうなぁ」と、心配しますか?しないですよね。それは自分の「腕」に自信があるからであり、どれほど懇切丁寧にコツを伝授する本を書いたとしても、おいそれとマネができるものではないことを知っているからです。
また、お蕎麦屋さんはこのようにも考えます。「店に来て蕎麦を食べたい人と、自分で蕎麦を打ちたい人は、そもそも違う人たちだ」と。お店で食べるのと自分で打つのでは、かかる手間も時間も桁違いですから。で、どうせ自分で蕎麦を打つなら是非おいしい蕎麦を打ってくださいと、蕎麦を愛する者としてコツを惜しみなく伝授するのです。
私も同じように考えています。
自分で相続登記をしようと考える人は、私がこの本を書こうが書くまいが、何らかの書籍・情報等を見て自ら相続登記をすることでしょう。だとしたら、もっと深く、もっと丁寧に解説した本を提供したい。市井の法律家として、コツを惜しみなく伝授したいと思っています。それでも難しい案件、難しい相続登記はたくさんあることでしょう。そのときにはどうぞ私に、あるいは私以外の司法書士に委任をして頂きたい。一般の方には難しい相続登記を取り扱う「腕」はおいそれとマネできるものではないという自信を、司法書士は持っています。
ということで、相続登記を自分でしたいという方、あるいは少し興味があるという方は、どうぞお買い求めください。読んでみたけどどうも難しいという方は、司法書士にご相談ください。本書を通じて相続登記に関心が高まればいいなと思っています。
なお、発売日は来年1月7日なのでご注意を。実際に発売になりましたら、再度ご案内いたします。