司法書士や土地家屋調査士にとっては当たり前のことなのですが、不動産登記は必ずしも正確とは言えません。
例えば、
①地目が「畑」となっていても、実際には畑でないこと(田や宅地や雑種地であること)があります。
②地積が「100㎡」となっていても、それより広いことも狭いこともあります。それも1㎡、2㎡、いや10㎡というレベルでなく、もっと大きな誤差があっても普通です。
③建物の床面積も、必ずしも正確ではありません。
④建物の種類が「居宅」となっていても、実際には居宅でないこと(事務所や店舗や工場であること)があります。
⑤それどころか建物については、「登記はあっても現実にはその建物がない」ことが普通にあります。逆に、「現実には存在しているが登記のない建物」も普通にあります。
⑥不動産の所有者が亡くなっても、亡くなった人のままの登記名義になっていることが多々あります。それも、数十年のレベルで放置されていることがあります。
⑦同様に、不動産の所有者の住所が引っ越し等で変更になっていても、昔のままの住所で登記されていることが多々あります。
繰り返しますが、司法書士や土地家屋調査士にとっては当たり前の事実です。
当たり前?
いやいや、これって「当たり前」で済ませてはいけない事態ですよね。国が公示する不動産の情報が、これほどまでに不正確であっては大問題ですよ。太閤検地の時代ならいざ知らず、現代では許されざる国の怠慢。はっきり言って、「杜撰」との誹りを免れないレベルです。
司法書士や土地家屋調査士は、このことをよく知っているからこそ、改善に向けて大きな声を挙げなければならないと思います。
そう思いませんか?同職の皆さん。
相続による所有権移転登記申請(附随する農地法・森林法の届出等)の準備をしながら、いつも思うこと。