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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

禁酒セラピー

2006-10-27 18:02:04 | 本の紹介
読むだけで絶対やめられる禁酒セラピー

ロングセラーズ

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 ←のプロフィールにもあるとおり、私はアルコール、つまりお酒が嫌いです。

 いや、笑うとこじゃないですよ。もう8ヶ月間、1滴もお酒を飲んでいません。

 知っている方もいるでしょうが、以前はお酒が好きでした。しかし飲み過ぎました。さまざまなアルコールの問題を抱えるようになって、禁酒するにいたりました。

 禁酒に際して参考にしたのが、この本です。著者は『禁煙セラピー』と同じアレン・カーです。彼のメソッドは「依存症」全般に効くようです。

 人はなぜお酒を飲むのか? ― お酒に依存しているから。

 タバコのときと同じように、これが最終的な結論です。でもタバコの場合とは違い、この結論はなかなか人々に受け入れられないようです。なので、私もこれ以上言いません。言えばきっと不愉快な話になるからです。

 ただ、私と同じようにアルコールの問題を抱えている方は、禁酒を考えてみてはいかがでしょうか?「少しは飲酒量を控えようと思っているのだけど、どうしても飲み過ぎちゃう・・・」という方はいませんか?「節酒はできないが、禁酒ならできる」のが、実は常識なんです。

 お酒をやめて、いままで、どれほどの時間とお金と健康を無駄にして来たのかを知りました。泥酔のうちに捨ててきてしまったこれらの宝を、いま取り戻しつつあります。

禁煙セラピー

2006-10-24 16:44:56 | 本の紹介
禁煙セラピー―読むだけで絶対やめられる

ロングセラーズ

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 あまりに有名な禁煙本です。

 本書のキャッチフレーズは、「読むだけで絶対やめられる」。「読むだけ」でやめられたかどうかはともかく、私の禁煙成功にこの本の影響が強くあるのは確かです。ただし、本を読んでから禁煙を開始するまで、2年以上かかりました。

 内容は、「なぜ人はタバコを吸うのか」をじっくり時間をかけて解き明かして行くもの。その問いに対する答えは、「タバコに依存しているから」。

 結論を先取りして言ってしまうと身も蓋もない感じですが、なかなか説得力のある内容ですよ。

 タバコをやめたい方は必読です。

若者殺しの時代

2006-10-07 16:43:35 | 本の紹介
若者殺しの時代

講談社

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 ずっと不思議に思っていました。

 いったい、いつから、クリスマスは「恋人たちの日」になったのでしょう?

 クリスマスの本家(?)であるキリスト教には、もちろん、そのような意味合いはありません。

 私が子供の頃、クリスマスは「子供たちの日」でした。クリスマス・ツリーを飾り、三角帽子をかぶり、普段めったに食べられないケーキを食べ、サンタさんのプレゼントを待つ日だったのです。「恋人たち」というワードは、クリスマスとは無関係でした。少なくとも、いい歳をしたおにいさん・おねえさんが、狂騒する日ではありませんでした。

 そんなクリスマスが、いつの間にか「恋人たちの日」に変わっていました。現在では、「クリスマスまでには、恋人を作りたい」などという風潮もあります。逆に、恋人のいない人にとって、クリスマスは「みじめな日」とさえなりました。

 いつから?

 著者 堀井憲一郎氏の調査によると、クリスマスが「恋人たちの日」に変貌したターニング・ポイントは1983年、雑誌an・anの記事「クリスマス特集・今夜こそ彼の心(ハート)をつまかえる!」だそうです。ここから、「クリスマスは恋人たちの日である」というテーゼは広まり、1988年頃からは、「クリスマスが恋人たちの日でないわけがない」というクリスマス・ファシズムが始まったとのこと。

 確かに、私が大学生だった1986年~1990年は、ファシズムの嵐が吹き荒れてました。クリスマス前になると、若者たちはみな「空いていれば誰でもいい」とばかりに相手を探し、おしゃれな趣向を求め、狂奔しておりました。えっ!?・・・私?・・・・・・ぇぇ・・・キョウホンしてました。まったくもってメンボクなぃ・・・

 本書は、「昭和の終わり頃」である1980年代をテーマに、その頃に激変した「若者」をめぐる意識や環境の「境目」を検証した本です。

 私には文句なしにおもしろかった!しかし、80年代の激変を知らない世代には、ピンと来ないかも知れません。

ヤバい経済学

2006-09-29 20:47:19 | 本の紹介
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

東洋経済新報社

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 「道徳が私たちの望む世の中のあり方を映しているのだとすると、経済学が映しているのは世の中の実際のあり方だ。」

 経済学がそのような学問だとするならば、この本は王道を行くものです。読んでも、ちっとも経済学ぽくはないのですが。

 世の中の実際のあり方を映す ― そうすると、見たくない「イヤなもの」も見えて来ます。

 アメリカで1990年代に犯罪が激減したのはなぜ? ― 1970年代に中絶が合法化されたから。

 子供の成績に影響を与える大きな要因は、遺伝と環境のどっち? ― 遺伝。

 あくどい政治家は、お金を使って選挙に勝っている? ― 選挙に使う金額と得票率は、ほとんど無関係。


 怒らないで下さい。私が言ってるんじゃないです。著者である経済学者スティーヴン・D・レヴィットが言ってるんです。正確には、著者がデータから推論した結果です。そして、― ある意味では悲しいことに ― その推論は正しいものが多いようなのです。

 しかし、抜群に面白かった!今年、私が読んだ本の中の№1候補です。


病気にならない生き方

2006-09-24 18:25:05 | 本の紹介
病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-

サンマーク出版

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 私は以前ダイエットに励んだときに食習慣について目覚め、それ以来ちょっとした健康食オタクです。知識ばかりで、なかなか実行を伴わないのが難点ですが。とても売れている、そして賛否両論なこの本は、前から読んでみたいと思っていました。

 この本の要点は、「人間の健康はボディ・エンザイム(体内酵素)の働きが重要である」ということ。ボディ・エンザイムを増やし、浪費しないための生活習慣を、食生活を中心に解説しています。

 「なるほど」と思う記述も多いのですが・・・首をかしげざるを得ない記述もあって、それが本書の信用を下げているように思います。

 例えば、肉食はなるべく避けるべきだとする文脈で、次のように言っています。


 ― 肉を食べなければ体が大きくならないというのもウソです。象やキリンはライオンや虎の何倍もの大きさがありますが、彼らは草食動物なのです。―


 う~ん・・・著者もひとつの象徴的な例として言っているのでしょう。ですので、いちいち指摘するのも何ですが、消化器官の違いを考えないと。人間が草ばっかり食べてたらタンパク質が不足して、やっぱり体は大きくならないのでは?

 また、「エンザイムは熱に弱いため、なるべく熱を加えない食事が良い。高熱殺菌した食品など無価値な食品だ」という話がえんえん続いた後、さらりと次のように言います。


 ― (人体に有害な)トリプシン・インヒビターは熱を加えるとなくなるうえ、食物としても消化しやすいものになるので、穀類はみな火を通してから食べる方が良いのです。・・・(中略)・・・精製されていない穀物には、体によい栄養素がぎっしりと詰まっています。・・・(中略)・・・エンザイムもたくさん含まれています。―


 もしもし?新谷先生、矛盾してますよ。熱を加えたらエンザイムがなくなると言ったのはあなたですよ。

 著者の新谷弘実さんは、胃腸内視鏡外科医の権威だそうです。これまでに30万例以上の胃腸を診察して来たそうです。本書でも、脅すように、諭すように、「私の30万例以上の臨床経験では」という根拠が繰り返されます。

 30万例の経験をタテにされたら反論なんかできやしないや。しかし、何だか釈然としないのも事実です。

厄除け詩集

2006-09-18 17:25:38 | 本の紹介
厄除け詩集


 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 このフレーズはよく知られていても、これが井伏鱒二氏による詩(正確には「訳詩」)の一節であることは、あまり知られていないようです。

 井伏氏の書く詩には、「力み」がありません。あくまでも平易な表現で、さらりといい味を出しています。



 大雅堂の主人
 佐藤俊雄が溝に落ちた
 ― 僕がうしろを振り向くと
 忽焉として彼は消えていた ―
 …(中略)…
 実にくさくて近寄れない
 気の毒だとはいふものの
 暫時は笑ひがとまらなかった
                (「春宵」より)



 けふ顎のはづれた人を見た
 電車に乗つてゐると
 途端にその人の顎がはづれた
 …(中略)…
 私は電車を降りてからも
 込み上げて来る笑ひを殺さうとした
                (「顎」より)



 「いや、笑っちゃイカンだろ、井伏さん」と思うのですが、そういうこちらまでがつい笑ってしまう「おかしみ」があります。

 独特のユーモアのため、「井伏の小説は泣かせない。読者が泣こうとすると、ふっと切る」(太宰治)と評された氏ですが、詩にもその特徴がよく出ています。

福翁自伝

2006-09-14 21:35:18 | 本の紹介
新訂 福翁自伝

 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」という、1万円札の福澤諭吉先生。みなさん「おカタい聖人君子」のようなイメージを抱いてませんか?

 この自伝を読めばそのイメージは崩れ去ります。福澤さん、相当なファンキー野郎です。

 神罰冥罰など大嘘だというユキチ・ボーイ、神様の名の書いてある御札を踏み、「ウム何ともない、コリャ面白い」と大喜び。今度はわざわざ便所に持って行って踏み、何のバチも当たらないことに「ソリャ見たことか」と独りほくそえみます。その後は、御稲荷様の御神体をうっちゃって別の石ころを入れておくなど、もうやりたい放題。

 鎖国が嫌い、門閥が嫌い、封建制度が大嫌いなユキチ・ガイ、幕府に雇われの身ながら、「ドウしたってこの幕府というものは潰さなくてはならぬ」と公言してはばかりません。幕府から金を貰いながらそれを潰せとは、少し気が済まないのではないかとたしなめる友人に、「此身等(コチトラ)が政府の御用をするというのは…横文字を知っているからに過ぎない」、まあ雪駄直しが雪駄を直して金を貰っているのと同じことだとやり込めます。

 慶應義塾を創立、大家大身となったユキチ・ジジィ、しかし、そのファンキーさを失ってはいません。塾の規律を守らない戊辰戦争帰りの血なまぐさい塾生に、「サアどうでもしろ、攫み掛かって来るなら相手になろう」と鼻息荒いです。その剣幕に「みな小さくなって言うことを聞くようになった」と、ドウだ!と言わんばかり、無邪気に自慢してます。

 幕末~明治維新の時代背景もいきいきと描写されていて、興味深いです。確立前の口語体も、妙なリズム感があって面白い。何より、読んでいて楽しい自伝です。

1時間の仕事を20分で終わらせる

2006-09-13 19:57:49 | 本の紹介
1時間の仕事を20分で終わらせる―ダンドリ上手になる技術


 何と刺激的なタイトルでしょう!「1日の仕事」をわずか「20分」で終わらせてしまおうと言うのです。これは読まずにいられますまい。20分で仕事を終えて、あとは1日何をして過ごしましょうか?

 …え?

 1時間?…の仕事を20分で…?

 そうです。私はこの本のタイトルを、「1日の仕事を20分で終わらせる」と本気で思い込んで買いました。そして、しばらく読み進めるまで間違いに気が付きませんでした。

 1日の仕事を20分で終わらせてしまおうなんて、しかも、本気でそんなこと考えるなんて…ずうずうしいにも程がありますね(汗)。

 本の内容は仕事のダンドリを良くし、能率を高めるためのアイデアです。役に立ちそうです。ですが、私は「1日の仕事を20分で終わらせる」のでないことにがっかりしたため、あまり興味をひかれませんでした。

 怠け者でスイマセン。

歴代総理の通信簿

2006-09-10 00:53:44 | 本の紹介
歴代総理の通信簿 間違いだらけの首相選び

PHP研究所

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 歴代総理の功績・業績について、A~Eの5段階に評価し、解説した本です。

 単に歴代総理について勉強しようと思って読んだ本なのですが、評価が相当に偏っていて、かなり笑えました。著者としても恐らく笑わすつもりはないのでしょうが、一種の「トンデモ本」になっています。

 著者は、元通産官僚。そのためか、官僚出身の総理にはおおむね高評価であり、党人総理の評価は低いようです。

 例えば、官僚出身である岸信介、池田勇人、福田赳夫、大平正芳の評価は、それぞれB、A、B、B、党人である鳩山一郎、田中角栄、中曽根康弘、竹下登の評価は、それぞれC、D、C、Dという具合です。

 最悪のタイミングで消費税増税を図り、結果、上向きかけていた日本経済を再びドン底に落としてしまった橋本龍太郎氏に対しては、その経済失政を指摘しながらも、なぜかB評価。政策通で、本来は見識と能力が高いからとのこと。消費税増税は「経済音痴の大蔵官僚の甘言に乗っただけ」と弁護してます。そんなこと言ってたら、すべての失政は総理の責任ではなくなってしまうような気が…。通産官僚としての大蔵官僚に対する対抗意識も、何だか露骨です。

 中曽根康弘氏に対しては、「外交は満点」と非常に高い評価を与える一方で、バブル経済を演出した責任により、総合点としてはC評価。もっとも、バブル経済の方向転換を図り日本の危機を救ったのは、中曽根政権下、官僚であった著者が個人的に頼まれ企画した「緊急土地対策」なのだそうです。ホンマかいな?しかし、中曽根政権が「優秀な官僚様」の企画を採用してバブル経済を収束させたのなら、経済政策面でも高評価を与えてよろしいのでは?自己矛盾してませんか?

 さらに著者は、戦争責任者がことのほか嫌いなようで、その反動からか、多少なりとも平和主義的な役割を果たした(ように見える)総理には評価が高いようです。

 東条英機や近衛文麿が最低のE評価であるのは、この著者の感性からすれば当然のこととしても、一般的には開戦反対派であったと見られている米内光政も、軍国主義化の「流れを止めることができなかった」とD評価。その一方、鈴木貫太郎は、ポツダム宣言の受諾が遅れたために原爆投下とソ連参戦を防げなかった責任があるとしながら、最終的に終戦を導いたことでB評価。原爆投下とソ連参戦を防げなかった責任て、そんなに軽いの?幣原喜重郎は、平和憲法の制定を「呑んだ」というだけの理由で、歴代総理の中で6人しかいないA評価のひとり。そのときの総理が誰であっても、「呑まない」という選択肢はなかったのではありませんか?

 かつて総理は東大等の「官学」出身者がほとんどだったのですが、近年むしろ「私学」出身者が中心となったため、著者はその「学歴低下傾向」を嘆いてもいます。もちろん、著者は東大卒。先に例を挙げた橋本龍太郎氏などは、「東京帝国大出の大蔵官僚を父に持ちながら私大卒」なのに、東大出の役人に負けないよう一生懸命勉強していたからエライのだそうです。

 そんな「官尊民卑」の香り漂う著者ですが、「日本人は、浮ついた言葉で独りよがりに『品格』を語るより、『正しい宰相選び』を通じて、価値ある国であることを示すべきだ」と、ベストセラー本にはちょっぴりジェラシー(笑)。生臭さも漂います。


登記識別情報と立会の実務

2006-09-07 22:58:53 | 本の紹介
登記識別情報と立会の実務―新不動産登記法対応

民事法研究会

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 2005年(平成17年)3月施行の新不動産登記法により、これまでの権利書(登記済証)の制度は廃止され、「登記識別情報」という「暗証番号」にとって代わりました。本書は、この「登記識別情報」の管理・取り扱い方法について解説したものです。

 不動産売買において、売主・買主が一同に会した席で、司法書士が必要書類等を確認し、所有権移転(名義変更)登記と同時に売買代金の支払いをすることを「立会(たちあい)」といいます。本書の付属DVD「シミュレーション・ドラマ 司法書士若葉千春の立会」では、登記識別情報を使用する場合の立会の方法を、ビジュアルに確認することができます。

 この本の編者である群馬青年司法書士協議会とは、文字どおり、群馬県内に事務所をかまえる若手司法書士の団体です。この団体のメンバーみんなで手分けして執筆・製作を行なったのですが、私の役割はDVDドラマの監督。実は私、以前にも「司法書士野本伊知郎の法廷 ― 愛犬ラブ失踪事件」という司法書士ドラマの監督をしていますので、これが監督第2作目です。ちなみに、このDVDで主役「司法書士若葉千春」を演じている美人女優は、私の事務所の司法書士です。

 登記識別情報の普及当初、いまだ類書のない絶好の時期に出版したこともあり、かなりの好評を博しました。司法書士向けの本としてはベストセラーといってよいのでは?と自画自賛しています。

 現在、監督としてドラマ第3作目を構想中です。ウソです(笑)。


千円札は拾うな。

2006-08-27 11:40:31 | 本の紹介
千円札は拾うな。

 タイトルからして「怪しいモノ好き」である私の興味をかきたてる本です。千円札は拾っちゃイカンと言うのです。

 さらに目次を見ると、「勤勉は悪、努力は報われない」「優秀な人材には仕事をさせない」「売上げを伸ばすために顧客を捨てる」などなど、ますます怪しさが色濃くなってきます。

 これは期待できそう!と読んでみたら、内容はいたってマジメ。

 千円札を拾ってはいけない理由は、目先の利益に心奪われて、他のものが見えなくなるから。目次に並んだ逆説的な見出しの数々も、実はマジメな理由に基づいて書かれています。

 面白い表現だったのは、「本郷猛を鍛えてはいけない」。本郷猛とは、仮面ライダーが変身する前の人間の姿です(藤岡弘さんが演じてました)。本郷猛がどんなに体を鍛え、技に磨きをかけたとしても、ショッカーの戦闘員にはともかく、怪人には勝てない。怪人に勝つためには、仮面ライダーに変身すること、つまり「劇的な変化」がどうしても必要なのです。私たちの努力は、往々にして「本郷猛を鍛える」ことになりがちだと戒めています。

 なかなかためになる本でした。が、怪しいモノを期待して読んだ私には、見込み違いの本でした。

翼よ!あれが巴里の灯だ

2006-08-23 23:16:21 | 本の紹介
翼よ、あれがパリの灯だ The Spirit of St. Louis (Borealis Books)

 大西洋無着陸横断飛行に成功したリンドバーグの著書。ピュリッツア賞受賞作。

 20世紀の名言が、そのまま著書名となっています。…と、それは邦題の話。

 原題は、リンドバーグの操縦した飛行機名から「The Spirit of St. Louis」。

 邦題の方がカッコイイ数少ない例です。

20世紀かく語りき

2006-08-22 17:58:38 | 本の紹介
20世紀かく語りき

 20世紀のさまざまな出来事を、その際に生まれた名言とともに紹介した本です。写真資料も数多く使用した興味深い本でした。

翼よ!あれが巴里の灯だ
―1927年5月21日、リンドバーグは大西洋横断無着陸飛行に成功。エッフェル塔や街の灯りが見えたとき、思わずつぶやきました。

満蒙は日本の生命線
―満鉄総裁や外相を務めた松岡洋右が昭和初期に語った言葉とされています。しかし生命線であるべき満蒙の権益のため、日本は国際社会で孤立化の道をたどります。

もはや戦後ではない
―1956年度版経済白書。日本は戦後の窮乏を脱し、高度成長期を迎えました。

僕たちはキリストより有名だ
―1966年、ジョン・レノン。この発言により全米でビートルズ排斥運動が起きますが、彼らの人気に衰えはありませんでした。

冷戦は本日12時45分をもって終結した
―1989年12月3日、ゲラシモフ(ソ連のスポークスマン)。これに先立つ11月9日、ベルリンの壁は崩壊しました。

3時間熟睡法

2006-08-17 21:54:14 | 本の紹介
3時間熟睡法 眠りのリズムを身につける!
大石健一
かんき出版

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 人間、だれでも弱点を持っているものです。

 私の最大にして最悪の弱点は、朝が弱いこと。正確に言うと、「ある程度の睡眠時間を取らないと、スッキリ眼が覚めない」のです。「食い意地が張っている」という表現がありますが、私の場合、「寝意地が張っている」という感じでしょうか。いつまでもグズグズと寝床から出られません。

 そんな私にとって、何と魅力的な言葉なんでしょう!3時間熟睡法。飛びつくようにして読み始めました。

 本書によると、睡眠は「時間」ではなく、「質」が重要。眠りについてから3時間で必要な睡眠は取れているのだから、その後は「惰眠」である。現代人は睡眠時間が不足しているのではなく、むしろ睡眠時間が長すぎるために熟睡できない。睡眠時間を短くすれば、睡眠の質が向上し、睡眠不足の問題は解消する―とのこと。

 なんだか「タマゴが先か、ニワトリが先か」という話に聞こえなくもないですが、自己啓発マニアの私としては、早速実行してみました。

 で、結論的に言いますと、1週間で断念。

 何しろ昼間眠い。自動車の運転に危険を生じるほど眠い。それだけならまだしも、始めて2~3日で腰や肩、首などの関節が痛み出しました。「休息が足りないよ~」と、関節の悲鳴が聞こえるような痛みでした(眠気による幻聴かも知れませんが)。どんなことでも3週間続ければ習慣化するそうですが、その前に交通事故か関節痛で死んでしまいそうでした。

 何より気になるのは、本書で紹介されているカリフォルニア大学の110万人を対象にした調査結果。1日の睡眠時間が4時間未満の人は、7時間睡眠の人に比べ、男性で17%、女性で33%も死亡率が高いらしいです。

 …って、だめじゃん3時間睡眠。

 しかし、著者はあくまでも強気。この調査は「母集団が大きすぎる」ので、「重病によって短眠を余儀なくされている人がたくさん含まれているに違いない」と主張します。この調査結果からは、一概に「睡眠時間の短い人は寿命も短いとは言えない」。なぜなら、「データというものは、論陣を張る人の都合によって解釈をねじ曲げられることがたびたびある」から。

 「そりゃアンタのことだ!」と、すかさずツッコミを入れたのは言うまでもありません。

 そんな「牽強付会」感ただよう本書ですが、早起きのための工夫や、質のよい睡眠をとるための方法などについては、なかなかためになる記述もありました。もともと睡眠時間が短めの人ならば、3時間睡眠も可能かも知れませんよ。


なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?

2006-08-12 21:17:42 | 本の紹介
なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?

 リーダーシップ、コーチングについての本です。

 この本は、ビジネスマンを仕事の「できる人」と「できない人」に分け、その違いを徹底的に分析しています。この分析の目的は、仕事の「できる人」になるため、ではありません。題名のとおり、なぜ「できる人」は、部下である「できない人」を「できる人」へと育て上げることができないのか、その原因を解明するためです。筆者は、「できる人」が「できない人」を理解していないこと、きちんと受け入れていないことに、その原因があると見ています。つまり、問題は「できる人」の側にあると見ているのです。

 しつこいくらいに「できる人」「できない人」にこだわった分析は、読み応えがあり、納得させられました。しかし、肝心の「どうしたら『できる人』を育てる人となれるのか」についての方法論は、記述がやや手薄で、残念です。