“ knock ” を英和辞典で調べますと、「(戸や窓などを)ノックする」 と出ていて、
国語辞典で 「ノック」 と引きますと、「入室の許可を求めて戸を叩くこと」 と載っています。
「ノック」 を一言で表わす熟語はないものかと探しましたが、見当たりません。
たしかに、襖にしても障子にしても、日本の建具は紙と木で出来ていますから、
同じ箇所を何度も叩きますと、紙が傷み、やがて穴があいてしまいますので、
昔から 「ノック」 に該当するような言葉や所作は無かったのでしょう。
その代わりと言いますか、西洋の と違って、声や物音が完全には遮断されませんので、
襖や障子を開けるときには、「失礼します」 「入ります」 などと 声を掛けますし、
の時代劇などでは、殿方の を合図に芸者衆や仲居さんが入り、宴が始まります
子供の頃に住んでいた家の玄関は、木の枠にすりガラスがはめ込んである引き戸でした。
2枚の引き違い戸の重なる部分に鍵穴があり、鍵を差し込んでグルグル回して施錠
出入りする度に鍵をかけるのも面倒で、戸締りするのは、家族全員が外出する時と夜のみ
当時は呼び鈴もありませんでしたので、来客や友人はガラガラと開けながら 「ごめんください」
そんな昭和の子供が 「ノック」 を知ったのは、 の でした。
中の人も外の人も、2回叩くだけで質問と答えを伝え合える、シンプルで合理的な合図。
それがいつの頃からか、「2回はトイレ」 「国際的には4回」 「間を取って3回」 などと言われ始め、
専門学校の授業でも、「秘書検定の筆記試験に、ノックの回数に関する出題はありますか?」 とか、
「就職試験では、面接室のドアを何回ノックすればいいのでしょうか?」 と聞かれたものです。
秘書検定に関しては、3級から1級までかなりの数の過去問題や例題を解いてきましたが、
何回なら正解とか、何回では間違いというような回数に関する出題は、私の知る限り有りませんし、
就職試験においても 「他の点は申し分ないが、ノックが2回だから不合格」 ということはないでしょう。
ただ、これは強く印象に残っているのですが、秘書検定1級の面接試験を受けた際、
面接室まで私たちを案内してくださった係の方は、ゆっくりはっきり 3回ノック していました。
0回 つまりノックせずに開けるということ。
これでは中に居る人を驚かせてしまいますので、 もし空室と分かっていても、必ずノックしましょう。
中に人が居て が開いている場合は、「失礼いたします」 と声を掛けて入室するのもよいでしょう。
1回 ではノックなのか物音なのか分かりませんし、聞き逃してしまうかも知れません。
としますと、日本人同士の感覚では、2回~3回 が良さそうですが、
私は、叩く回数よりも、間の空け方と音の方が、ノックの印象を決める と考えています。
たとえば同じ2回にしても、1回目と2回目の間を空けずに立て続けに叩きますと、
中に居る人も、そして叩いた本人も気が急いてしまいますし、それが3~4回なら尚更です。
かと言って間を空け過ぎては、何だか不気味に聞こえてしまいます。
音が小さすぎては聞こえませんが、逆に叩き方が強すぎますとイライラしているように聞こえます。
指1本の第二関節で叩くのと、4本指を折って 指先の第一関節で叩くのとでも音は変わります。
もちろん、ドアの材質や厚さによっても、音の大きさや伝わり方に違いがあるでしょう。
職場の応接室や会議室などに、お客様を案内したり を運ぶ機会のある方は、
どのくらいの強さや間隔で、ドアのどの位置を、どの指で何回くらいノックすれば、
お客様に良い印象を持っていただけるか、同僚の方と確かめてみてはいかがでしょうか?
お読みくださいまして、ありがとうございます。
ドア(先日の前川國男邸です)を1回ノックしていただけますと嬉しいです
国語辞典で 「ノック」 と引きますと、「入室の許可を求めて戸を叩くこと」 と載っています。
「ノック」 を一言で表わす熟語はないものかと探しましたが、見当たりません。
たしかに、襖にしても障子にしても、日本の建具は紙と木で出来ていますから、
同じ箇所を何度も叩きますと、紙が傷み、やがて穴があいてしまいますので、
昔から 「ノック」 に該当するような言葉や所作は無かったのでしょう。
その代わりと言いますか、西洋の と違って、声や物音が完全には遮断されませんので、
襖や障子を開けるときには、「失礼します」 「入ります」 などと 声を掛けますし、
の時代劇などでは、殿方の を合図に芸者衆や仲居さんが入り、宴が始まります
子供の頃に住んでいた家の玄関は、木の枠にすりガラスがはめ込んである引き戸でした。
2枚の引き違い戸の重なる部分に鍵穴があり、鍵を差し込んでグルグル回して施錠
出入りする度に鍵をかけるのも面倒で、戸締りするのは、家族全員が外出する時と夜のみ
当時は呼び鈴もありませんでしたので、来客や友人はガラガラと開けながら 「ごめんください」
そんな昭和の子供が 「ノック」 を知ったのは、 の でした。
中の人も外の人も、2回叩くだけで質問と答えを伝え合える、シンプルで合理的な合図。
それがいつの頃からか、「2回はトイレ」 「国際的には4回」 「間を取って3回」 などと言われ始め、
専門学校の授業でも、「秘書検定の筆記試験に、ノックの回数に関する出題はありますか?」 とか、
「就職試験では、面接室のドアを何回ノックすればいいのでしょうか?」 と聞かれたものです。
秘書検定に関しては、3級から1級までかなりの数の過去問題や例題を解いてきましたが、
何回なら正解とか、何回では間違いというような回数に関する出題は、私の知る限り有りませんし、
就職試験においても 「他の点は申し分ないが、ノックが2回だから不合格」 ということはないでしょう。
ただ、これは強く印象に残っているのですが、秘書検定1級の面接試験を受けた際、
面接室まで私たちを案内してくださった係の方は、ゆっくりはっきり 3回ノック していました。
0回 つまりノックせずに開けるということ。
これでは中に居る人を驚かせてしまいますので、 もし空室と分かっていても、必ずノックしましょう。
中に人が居て が開いている場合は、「失礼いたします」 と声を掛けて入室するのもよいでしょう。
1回 ではノックなのか物音なのか分かりませんし、聞き逃してしまうかも知れません。
としますと、日本人同士の感覚では、2回~3回 が良さそうですが、
私は、叩く回数よりも、間の空け方と音の方が、ノックの印象を決める と考えています。
たとえば同じ2回にしても、1回目と2回目の間を空けずに立て続けに叩きますと、
中に居る人も、そして叩いた本人も気が急いてしまいますし、それが3~4回なら尚更です。
かと言って間を空け過ぎては、何だか不気味に聞こえてしまいます。
音が小さすぎては聞こえませんが、逆に叩き方が強すぎますとイライラしているように聞こえます。
指1本の第二関節で叩くのと、4本指を折って 指先の第一関節で叩くのとでも音は変わります。
もちろん、ドアの材質や厚さによっても、音の大きさや伝わり方に違いがあるでしょう。
職場の応接室や会議室などに、お客様を案内したり を運ぶ機会のある方は、
どのくらいの強さや間隔で、ドアのどの位置を、どの指で何回くらいノックすれば、
お客様に良い印象を持っていただけるか、同僚の方と確かめてみてはいかがでしょうか?
お読みくださいまして、ありがとうございます。
ドア(先日の前川國男邸です)を1回ノックしていただけますと嬉しいです
ようこそお越しくださいました
昔は出先でトイレを使うのに躊躇したものですが、
Passy さんがおっしゃる通り、環境が進化して、気持ちよく利用できるようになりましたね。
個室内に幼児のイスや簡単な着替えが出来る台が設置してある所では、
それだけスペースも広くなり、ずいぶん便利になったものだと感心します。
>ノックを返そうにも「ドアまで遠くて手が届かない!」ことはありませんか?
わかります~。
よもや開けられる心配は無いのですが、慌ててしまいますよね
私など、古典的に「入ってます」と返事をしたことがありますもの
アメリカでデパートのトイレを利用した際、個室ドアの下3分の1位が無いため、
使用中の人の膝から下が見えた時はドキドキしました。
治安の意味があるのでしょうが、日本で普及しなくてホッとしたものです。
その代わり、日本では個室の天井部分が無いトイレが多いようですが、
急病人を救出する際に便利な反面、高い位置に掛けたやを外から盗むケースも発生したそうで、
そのため、最近では低い位置に掛けたり置いたり出来るトイレも増え、
安全性も利便性も、日々進化していますね。
昨年のハロウィンでは、仮装や特殊メークをするためにトイレを独占する若者が増えたそうで、
今年は「お断り」の札が、近隣のデパートのトイレに掛けられたそうです。
赤い印が出ているのにノックする人、他人はお構いなしという人、実にさまざまです。
>エスカレーターの片側を空けておくこと
銀座三越に参りましたら、ちょうどキャンペーンが行なわれていたのか、
各階のエスカレーターにスタッフの方がいらして、「2列に並んでお乗りください」と。
その通りにいたしましたら、「ありがとうございます」と言われてしまいましたわ。
世の中は、思いがけない方向に流れたり、元の流れに戻ったり、いろんな事がありますね。
なるほど...と思いながら拝読。
受験対策の方たちだけに限らず、大いに参考になりますね。
Julietさんがお話しているビジネスとは離れてしまうのですが、
ノックと言えば思い出すことがあるのです。
おっしゃるとおり、日本にはノックの習慣はもともとないせいなのか
マナーとしてのノックへの思い込みが強いように感じることがあります。
例えば、トイレですね。
内側からロックをすれば自動的に外側から分かるように
赤い印が出るのが一般的なトイレです。
赤い印が出ているのに、なぜノックをするのか?
しかも、時にはせわしなく。
いつも私は不思議に思っています。
最近の都会のトイレ環境の進化は素晴らしく
個室もゆったりと広い快適なトイレが増えています。
ノックを返そうにも「ドアまで遠くて手が届かない!」ことは
ありませんか?
私が知っている限りでは、赤い印が出ているのに
ノックをする人を海外で見かけたことはありません。
とは言え、ヨーロッパ限定ですが。
トイレのノック、エスカレーターの片側を空けておくことと
同じくらいに、不思議に思っています。
私の感覚がおかしいのかもしれませんが、
Julietさんの分析では、いかがでしょう?