秘書にゃんこ*江戸東京たてもの園

2015-10-24 | 建築が好き
 おだやかな秋の昼下がり、武蔵野の面影を今に伝える 「都立小金井公園」 に参りました。

最初に訪れたのは、「江戸東京たてもの園」。

7ha の広大な敷地に、江戸時代から昭和初期までの 30棟の復元建造物が建ち並んでいます。

以前 「江戸東京博物館」 (東京都 墨田区) に行った折にポスターで見かけて以来、

いつか訪ねたいと願っていた場所だけに、新宿を過ぎた辺りからワクワクする秘書にゃんこ



     
     建築家 前川國男邸 1942年(昭和17年) 品川区 上大崎
     戦時中で建築資材の入手が困難だった時期に建てられたとのこと。


     
     庭から見た前川邸
     

     
     終戦を迎えた数日後に結婚したという前川ご夫妻。
     食糧難の時代、このモダンなキッチンで、工夫をしながら手料理をこしらえていたことでしょう。


     
     柔らかな秋の陽が差すリビングを、心地よい風が通り抜けます。


     
     ドイツ人建築家 デ・ラランデ邸 1910年(明治43年)頃 新宿区 信濃町
     何度か居住者が変わり、1956年(昭和31年)からは、カルピスの創業者 三島海雲氏の住まい。

     
 明治生まれの私の祖母は、生まれて初めてカルピスを飲んだ時の感動を、よく話してくれました。

カルピスが発売された時期や、祖母の年齢から考えますと、おそらく大正時代でしょう。

東京の百貨店でお友だちと飲んだところ、あまりの美味しさに驚き、もう1杯飲みたいと考えたものの、

若い娘がおかわりをするなど、はしたないという時代、一旦お店を出て、再び入り直したそうです。

今ではフルーツ味も加わり、ペットボトルなどで気軽に美味しくいただけるようになりましたが、

濃い茶色のガラス瓶に入って、白地に青の水玉模様の紙に包まれた姿を、懐かしく思い出します。


     
     デ・ラランデ邸は 「武蔵野茶房」 として営業中


     
     プチデザートには、カルピス風味のヨーグルト



 さて、邸宅巡りの後は、下町の風情を楽しみます。


     
     明治後期のものと思われる 万世橋交番(千代田区 神田)
     移築の際は、このままトレーラーで運んだそうです。


     
     大和屋本店(乾物屋) 1928年(昭和3年) 港区 白金台
     たばこ屋さんの看板娘になれるかしら。


     
     三省堂(さんしょうどう・文具店) 1927年(昭和2年) 千代田区 神田
     「筆 墨 硯(すずり) 文具 算盤(そろばん) 問屋」 と右から書かれています。


     
     子宝湯(こだからゆ) 1929年(昭和4年) 足立区 千住元町
     秘書にゃんこ、初 銭湯


     
     もちろん 「女湯」 から入りましたが・・・。


     
     銭湯のトレードマークである富士山の絵を求めて、失礼して男湯へ。


     
     高い所にある窓も、脱衣所の竹かごも、他のお客さんにバレてしまう体重計も昔のまま。
     お風呂上りに、よく冷えたフルーツ牛乳があれば、言うことないのですが・・・。


     
     銭湯の前にある 小寺醤油店 1933年(昭和8年) 港区 白金
     フルーツ牛乳の代わりに、果物の缶詰に囲まれた秘書にゃんこ
     子供の頃、病気になると食べさせてもらえた記憶がよみがえりました。


 そんなノスタルジックな気分に浸りながら、江戸東京たてもの園を後にしました。

帰りに立ち寄ったのは、同じく小金井公園の中にある コスモス畑。


     
     風が吹くと、ピンクの濃淡と一緒にクリーム色も揺れて、その姿の可愛らしいこと


 少し遠出した甲斐あって、心に残る秋の日となりました。


お読みくださいまして、ありがとうございます。 クリックしていただけますと励みになります。

コメント (4)