SakuraとRenのイギリスライフ

美味しいものとお散歩が大好きな二人ののんびりな日常 in イギリス

今年度のイタリア語クラスが終わって

2015年03月13日 | 【イギリス生活】学生生活
今週で今年度のイタリア語の授業が終了しました。
初回は先生の怖そうな雰囲気に緊張感が走っていたクラスですが、回を重ねるごとに我々も先生もお互いのキャラクターを把握し出して、どんどん楽しいクラスになっていきました。
もう来週からクラスがないんだなと思うと、少し寂しい気持ちになります。

僕がイタリア語のクラスを受けようと思った理由の一つとして、「博士論文の事例研究の対象にイタリアを選ぶかもしれない」ということがありました。
政府の公表物を初めとする一次資料を読むためにはイタリア語が読めないといけないし、イタリア政治の論点について英語文献には書いていない重要な洞察がイタリア語文献にはあるかもしれない。
でも、何度かの指導教授との話し合いを経て、結局イタリアは事例研究の対象から外れることになりました。

では何がイタリア語を続けるモティベーションになったかというと、それはやはり「英語以外の言語も使える人でありたい」という気持ちでした。
イギリスにやってきて、3か国語以上話せるヨーロッパ人が珍しくない(イギリス人はだいたい英語だけですが。)ことに僕は衝撃を受けました。
「3か国語以上話せる人」との出会いは、初めてイギリスで住んだManningtreeの時代からたくさんあったのですが、一番最近のショックはベルリンの国会議事堂見学ツアーのお客さん対応係をしていた若い女性を見たことです。

その、たぶん20代前半だと思われる方は、入場整理券(見学は無料だけど、人数制限があるので入りたい時間を予約する必要がある)を求めて列に並ぶ観光客のところにやってきて、「あと何分くらい待たなければならないか」や「どの時間帯のチケットがまだ残っているか」といったことを様々な言語を駆使して説明し、質問も受け付けていました。
彼女が扱えた言語は、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語。
僕たちの前に並んでいる方とフランス語で会話した後に、僕たちと英語で話し、後ろの方にはイタリア語で対応。歩いてきた人にドイツ語で対応し、その後またイタリアの人と会話。
そんな彼女の姿を見て、深い尊敬を抱くとともに、自分より若い人がこんなに多くの言語を扱えるということに衝撃を受けました。
僕の目指すべき姿は、ここで出会ったこの若い女性のあり方にあります。

このイタリア語クラスは学生を主な対象としたものではなく、受講者の多くは近隣の地域で仕事をしている大人たちでした。
彼ら大人たちはイギリスの文化を前提としてイタリア語を習うので、イタリア人の先生の言うことに対して、「イギリスでは○○なのに」とか「英語ではこういうときは~~と言う」などいう反応をしていて、僕たちにとってはイタリア語及びイタリア文化を英語及びイギリス文化と比較して学べるという、極めて恵まれた環境だったと思います。

イギリスで暮らしていて最近強く思うのは、大人と付き合うことの大切さです。
大人と付き合うことで、学生たちと話しているだけでは分からない、「イギリス社会における適切な振舞い方」や「どういう話し方・表現を用いるのが良いのか」といったことを学ぶことができます。
僕たちは夫婦で来たことやたまたま近くにいた方々のご親切等の幸運が重なって、大人たちと付き合う機会がたくさんありました。
このことで学べたことがいかに多かったか。
この経験は確実に僕たちを成長させてくれているし、それは僕たちの人生をより豊かにしてくれるでしょう。

もちろん、その分、僕たちは若者たちとつるんでいないし、若者たちがいまどういうことを考えているのかを知る機会は比較的少なかったと思うので、留学生活をする上でどちらが優越した経験かはそう簡単には語れません。
でも、イギリス文化を知りたいと思う僕にとって、大人たちと付き合うことができたことは非常に良かったなと思っています。
大人と付き合うまた一つのきっかけがイタリア語の授業で提供されていたことはとても幸せなことでした。

イタリア語クラスの先生からは「6か月間何もしないとせっかく学んだことをすべて忘れてしまう」ということで、
・イタリア語コミュニティーに参加してイタリア語を話すこと
・イタリア語の簡単な本が出版されているから、それを読むこと
を強くおすすめされました。

ここでイタリア語を忘れてしまっては、一生「中級者」レベルには進めないので、これからもイタリア語を学び続けようと思います。
試験がもうないのでどれくらい本気で学べるか、自分の精神力が試されるところだけど。

(投稿者:Ren)

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