24 Fri 01
寒い冬の日が戻ってきたような一日でした。
4頭の生後50日目の仔犬を対象に、「行動テスト」が行われました。
父犬の「ティム」と母犬の「ジャスミン」もDNAを調べる為、組織が採取され幾つかの観察も行われました。
その様子は後日ご報告と致します。犬の遺伝にかかわる事、とりわけて「気質」に関わる事が科学的に実証されるように
なると、私達の様なブリーダーはとても助かります。
私は、犬の繁殖において特に「気質」の面を重要に考えています。
そんな私にとって、ガイドドッグの繁殖や訓練方法に関しての考え方はとても参考になります。
英国ガイドウェルのメンバーのブリーディングに係る何人かは、協力的に色々な事を教えてくれるので助かります。
前回に続いて、イギリス・ガイドウェル Breeding Center Manager : Neil Ewart からの資料をご紹介いたします。
────────────────────────────────────────────────────
『ガイドドッグ・訓練と教育について』
意外と思われるかもしれませんが、一般の犬の訓練と違い、ガイドドッグの訓練は自然本能に基づいたものではありません。
ガイドドッグは自分のハンドラーが視覚障害を持っていることを理解することはなく、したがって訓練と成果もこれを期待した
ものではありません。
それでは優秀なガイドドッグを育成するにあたって、どのような要素が必要なのでしょうか。
「完璧な犬」は絶対に生まれてくることはありません-もちろん「完璧な人間」もですが。ですからどんな動物でも、それを評価
する時は、その動物の良い点と問題点の両面を評価しなければなりません。
ある種の犬は、他の種よりもガイドドッグに向いているといえます。ラブラドル・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、
ジャーマン・シェパードは一般的に最も高い成功率を誇っています。ガイドドッグの仕事に向いた素質を出し、また不適格な要
素を抑えるため、ラブラドルとゴールデン・レトリーバーを意図的に交配させると、結果として中型でラブラドルに似た、さらに穏
やかな気質の犬が出来ます。この交配種は警察犬やガンドッグに必要とされる活力は持ち合わせていませんが、ガイドドッグ
に向く温和な気質を持っています。
例えば、お年寄りで視力以外にも何か問題を持つ人が犬を扱う場合、その犬は扱いが楽で、世話も簡単なものでなければなり
ません。
繁殖に使う親犬は、雄犬も雌犬もガイドドッグの親犬としての成果が最大に認められている、内部の血統から選ばれます。それ
以外の一般からの犬を交配に導入することはほとんどありません。
「気質は一番重要な特性」で、それの評価によりその犬がガイドドッグとして見込みがあるどうか判断します。毎日のめまぐるし
い都会生活の中で一般の人々とも接触するため、フレンドリーで健全な気質が求められます。
身体及び精神的に遺伝的な問題があるかを確認する際に、前半身、後半身の動きも調べますが、これには股関節異形成
(股関節の変形、多くの犬種に頻繁に見られる)の検査も含まれます。この病状は遺伝的要因によるものですが、また食事や
運動といった環境的要因からも引き起こされるものです。
これらの身体的な精密検査を行うという以前に、「動物の繁殖」という行為そのものが、予想もつかない問題を引き起こす要因
を持っているということを忘れてはなりません。最悪のケースは、神経質だったり攻撃的だったりという、気質的に不健全な犬が
生み出されることです。特に攻撃的というのは、どんな動物にせよ、深刻な事態を引き起こす危険性を供えています。しかしな
がら、ガイドドッグだからドアに向って吠えてはいけない、と単純に判断するわけでもありません。飼い主の命令により吠えるの
を止められればそれでよい、と考えるべきでしょう。
一般の人々、特に子供達はガイドドッグに触りたがりますので、交配と訓練により、こういった行為を嫌がらない犬を作り出さな
ければなりません。
ある人々はガイドドッグが自分のハンドラーをガードする能力を備えているのはいいことだ、という見解を持っていますが、これが
大変危険であることは明らかですので、こういった性質を見せる犬は、訓練から外さなければなりません。
しかしながら、獣医から重度で治療が不可能な病気を患っていると診断されない限り、たとえその犬がガイドドッグとして使えな
いと判断されても、それが安楽死させられるようなことはありません。
ガイドドッグになる犬はとても利口でなくてはならない、ということはありません。この「利口」という言葉の意味は誤解されがちの
上、人によって解釈の仕方が違います。利口かどうかと言うよりも、行く先が見えず次の瞬間どんな事態が起こるか予想の出来
ないオーナーをガイドするという仕事の性質上、自主性の強すぎる犬というのは問題です、と言った方が正しいでしょう。
────────────────────────────────────────────────────
長文の為、以降次回へ・・・・・・・
☆写真:"Heatherbourne Harry Potter "Sir : Cremino Cobweb JW ×Dam : Priorise Tiptoe to Heatherbourne
優れた気質を持っているであろう事を望まれて繁殖され、日本に渡ってきた若駒。少し成長しましたか・・・・・・・。
寒い冬の日が戻ってきたような一日でした。
4頭の生後50日目の仔犬を対象に、「行動テスト」が行われました。
父犬の「ティム」と母犬の「ジャスミン」もDNAを調べる為、組織が採取され幾つかの観察も行われました。
その様子は後日ご報告と致します。犬の遺伝にかかわる事、とりわけて「気質」に関わる事が科学的に実証されるように
なると、私達の様なブリーダーはとても助かります。
私は、犬の繁殖において特に「気質」の面を重要に考えています。
そんな私にとって、ガイドドッグの繁殖や訓練方法に関しての考え方はとても参考になります。
英国ガイドウェルのメンバーのブリーディングに係る何人かは、協力的に色々な事を教えてくれるので助かります。
前回に続いて、イギリス・ガイドウェル Breeding Center Manager : Neil Ewart からの資料をご紹介いたします。
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『ガイドドッグ・訓練と教育について』
意外と思われるかもしれませんが、一般の犬の訓練と違い、ガイドドッグの訓練は自然本能に基づいたものではありません。
ガイドドッグは自分のハンドラーが視覚障害を持っていることを理解することはなく、したがって訓練と成果もこれを期待した
ものではありません。
それでは優秀なガイドドッグを育成するにあたって、どのような要素が必要なのでしょうか。
「完璧な犬」は絶対に生まれてくることはありません-もちろん「完璧な人間」もですが。ですからどんな動物でも、それを評価
する時は、その動物の良い点と問題点の両面を評価しなければなりません。
ある種の犬は、他の種よりもガイドドッグに向いているといえます。ラブラドル・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、
ジャーマン・シェパードは一般的に最も高い成功率を誇っています。ガイドドッグの仕事に向いた素質を出し、また不適格な要
素を抑えるため、ラブラドルとゴールデン・レトリーバーを意図的に交配させると、結果として中型でラブラドルに似た、さらに穏
やかな気質の犬が出来ます。この交配種は警察犬やガンドッグに必要とされる活力は持ち合わせていませんが、ガイドドッグ
に向く温和な気質を持っています。
例えば、お年寄りで視力以外にも何か問題を持つ人が犬を扱う場合、その犬は扱いが楽で、世話も簡単なものでなければなり
ません。
繁殖に使う親犬は、雄犬も雌犬もガイドドッグの親犬としての成果が最大に認められている、内部の血統から選ばれます。それ
以外の一般からの犬を交配に導入することはほとんどありません。
「気質は一番重要な特性」で、それの評価によりその犬がガイドドッグとして見込みがあるどうか判断します。毎日のめまぐるし
い都会生活の中で一般の人々とも接触するため、フレンドリーで健全な気質が求められます。
身体及び精神的に遺伝的な問題があるかを確認する際に、前半身、後半身の動きも調べますが、これには股関節異形成
(股関節の変形、多くの犬種に頻繁に見られる)の検査も含まれます。この病状は遺伝的要因によるものですが、また食事や
運動といった環境的要因からも引き起こされるものです。
これらの身体的な精密検査を行うという以前に、「動物の繁殖」という行為そのものが、予想もつかない問題を引き起こす要因
を持っているということを忘れてはなりません。最悪のケースは、神経質だったり攻撃的だったりという、気質的に不健全な犬が
生み出されることです。特に攻撃的というのは、どんな動物にせよ、深刻な事態を引き起こす危険性を供えています。しかしな
がら、ガイドドッグだからドアに向って吠えてはいけない、と単純に判断するわけでもありません。飼い主の命令により吠えるの
を止められればそれでよい、と考えるべきでしょう。
一般の人々、特に子供達はガイドドッグに触りたがりますので、交配と訓練により、こういった行為を嫌がらない犬を作り出さな
ければなりません。
ある人々はガイドドッグが自分のハンドラーをガードする能力を備えているのはいいことだ、という見解を持っていますが、これが
大変危険であることは明らかですので、こういった性質を見せる犬は、訓練から外さなければなりません。
しかしながら、獣医から重度で治療が不可能な病気を患っていると診断されない限り、たとえその犬がガイドドッグとして使えな
いと判断されても、それが安楽死させられるようなことはありません。
ガイドドッグになる犬はとても利口でなくてはならない、ということはありません。この「利口」という言葉の意味は誤解されがちの
上、人によって解釈の仕方が違います。利口かどうかと言うよりも、行く先が見えず次の瞬間どんな事態が起こるか予想の出来
ないオーナーをガイドするという仕事の性質上、自主性の強すぎる犬というのは問題です、と言った方が正しいでしょう。
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長文の為、以降次回へ・・・・・・・
☆写真:"Heatherbourne Harry Potter "Sir : Cremino Cobweb JW ×Dam : Priorise Tiptoe to Heatherbourne
優れた気質を持っているであろう事を望まれて繁殖され、日本に渡ってきた若駒。少し成長しましたか・・・・・・・。