インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

人間五十年

2010-01-30 10:26:30 | Weblog
日経私の履歴書の細川護煕がおもしろい。
首相を突然辞任し、議員もやめてその後音沙汰無しだったが、湯河原で自適の生活を送っている。
自然に戻り書や陶器にふれる生活。陶芸の奇人師匠に1年半押し掛け弟子入りもしている。

「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり。一度生を得て滅せぬ者のあるべきか」
織田信長が好んだ「敦盛」の舞。熊谷直実(くまがいなおざね)が敦盛を討ち取ろうとしたところ、自分の息子のようで躊躇したくだり。
人間五十年は人生五十年の意ではなく、人間世界のこと。
いずれにせよ50才に近づくと気になる文句だ。

李白の山中問答も改めて聞くといい。
  余に問う 何の意ぞ碧山に棲むと
  笑って答えず 心は自ら閑かなり
  桃花 流水 ヨウ然として去る
  別に天地の人間に非ざる有り