倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

現状/惨状

2019-10-23 | 日記

10/22 Tue.

 

過日、公私共にお世話になっている 市内「津野」地区、今回の台風19号により千曲川堤防決壊地点の直下にお住まいのMさんに乞われ、現地に足を運びました。

 

Mさんの自宅は 長沼支所の西側、決壊箇所から数百メートルの 津野集落の中程にあります。

Mさんは 私を呼び出す際「クラちゃん、現場はひどいことになってる。で、ぜひ来てくれ。来て 見てくれ。それで(長野市民の)みんなに伝えてくれ。現場はひどいことになってる。それを、同じ長野市民として(被災地以外のみなさんにも)実感してもらいたいんだ。ムラの厳しい様子を見て、写して、感じて、それをみんなに伝えてくれ。ウチの内部も撮って、みんなに伝えてくれ。現場はひどいことになってるって。」と切実に話されていました。

 

 

私も幾度となく伺った Mさんちの居間です。

 

ここの掛け軸を前に、お茶をいただいたこともありました。

 

宅内の Mさんの仕事部屋。

 

コピー機の はるか上に、水の最高到達点がクッキリと残っていました。

 

庭には、流れ下った 大量の土砂が堆積しています。

 

自宅に停めてあった 軽トラが流されてしまったとのこと。どこへ と訊けば、自宅の数十メートル(土石流の)下流に引っかかっていました。

 

 

 

 

お向かいのお宅の前には、大きな水たまりが。

 

「ここには土蔵が建っていたんだ。で、今は こんな(状態)だ。」

言われて見れば、水たまりの隣りに 大きな屋根だけが残っていました。

 

ご自宅のの裏へと回れば、東の方に築堤が見えます。千曲川の水は、あそこからこちらに向けて 流れ下ったのです。

 

Mさん宅のそばに、建築間もない風の一軒の家が。

 

 

 

「あの家は、そこに建てたんじゃない。あそこは 道路だ。建ってたとこは、あそこ。」と、はるか(決壊の)上流を指さします(下記画像 右上部の白い塀の家の隣り地点)

 

それが、家ごと数百メートルも流されてしまったそうです(画面 右上部)。

家を一軒、あれだけの距離を動かしてしまう。水の勢いのすざまじさを物語っていました。

 

 

土石流の〝通り道〟の家屋は、ほぼ全壊。基礎を残すに止めてしまっています。

 

直撃を免れた家屋も、Mさん宅のように 1階部分を泥流が突き抜けていきました。

 

道路には 押し流された車両が。

 

路傍の電柱。ヨク見れば「根っこ」は そのまま。

折れて倒れたのではない、水の勢いで「抜けて折れた」のです。

 

 

 

後に残ったのは、膨大な土砂、それも石が混じって やっかいな状態になった土石と泥です。

 

 

前日にも触れましたが、これは 単なる豪雨災害ではない。

東日本大震災の津波被害に相当する 激甚災害です。

当面の〝敵〟は、大量の泥と土砂です。これを除去しないことには、次の段階には進めないでしょう。

現在、多くのボランティアの方々にも手伝っていただきながら、宅内の泥の除去が進められており、排出された泥については 市の方(ほう)で回収するようになったところですが、問題は Mさん宅の庭に堆積したような、排出し切れないレベルの土砂をどうするか、桁(けた)の違う量の土砂も、どうにかして片つけなければなりません。

 

また(これも前日に触れましたが)私は、かかる決壊直下のエリアについては、国の指導の下、東日本大震災を先例とした「復興まちづくり」などの手法により 地区全体を抜本的に整備する方向で進めるべきではないかと思うところです。

このまま 自助の原則で てんでに復旧してくれというのでは、ちぐはくな復旧、(復旧が)進む世帯と そうでない世帯のばらつきも出て、集落の体(てい)を成さない結果になってしまうことを 非常に危惧するところです。

 

Mさんは、ときに表情に悔しさをにじませながら「国の言う〝激甚災害指定〟って、おれら市民には どれだけの支援が届くんだ。堤防によって守られていたハズの生活が、その堤防によって ぶち壊されてしまった。でも オレらは、それでもこのムラで暮らしてゆきたい。

これからの 血の通った行政に期待するしかない。」と。

 

これからも、私なりに情報収集するなどして せめて寄り添ってゆくことを伝えさせていただきました。

 

Mさんとは 今後も情報交換を重ね、少しでもお役に立てるよう 努めてまいる所存です。

 

 

 

 

長野市においても 試行錯誤のうちに様々な被災者支援策が講じられており、取りも敢えず 被災者住宅として「市営住宅」の一部が供されるようになりました(入居対象に優先順位アリ)。

ただ、物件数は あまりに少ない。空きは多いものの 耐震性やら居住性やらで 限りがあるようです。

いずれにしても、新たに土地を選んで仮設住宅を建てるよりは現実的であろうことから、さらなる開戸増加を 私の方からも求めてまいりたいと思います。

(詳細/長野市ホームページ)

     ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/jutaku/440123.html

 

 

 

 

 

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