倉野立人のブログです。

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ことの真偽(真意)は

2019-10-22 | 日記

一部報道で「台風19号の豪雨で堤防が決壊した千曲川について、長野市は国から決壊の情報を受けていたにもかかわらず、地域の住民に周知していなかったことが分かりました。市は「重要な情報を伝えられず、市民に申し訳なく、原因を調査したい。」としています。」と報じられ、私の立場で困惑を極めています。

 

国土交通省によると、千曲川の堤防は今月13日の午前4時頃に決壊していたとみられ、午前5時半、職員が現地で決壊を確認し、午前6時に発表しています。

この情報は長野市にも提供されていましたが、市は住民に周知せず、防災無線やエリアメールなどで「決壊のおそれがある」という古い情報を発信し続けたということです。

堤防が決壊した長野市穂保やその周辺地域には前日の12日午後11時40分に「避難指示」が出されていて、多くの住民が避難所で夜を明かしたということですが、決壊の情報が市から周知されることはなく、夜が明け、雨も止んだことから自宅に戻る人も居られ、決壊を知らずに帰宅した人の中にはその後、浸水被害を受け2階に取り残されるケースもあったということです。

長野市は当時、各地から被害情報などが報告され対応に追われていたということで、「重要な決壊情報を市民に伝えられなかったことは事実で申し訳なく思う。今後、原因を調査したい」とコメントしているとのことです。

 

私は 報道を耳にする中で、一連の情報伝達の課程に 何らかの「行き違い」があったのではないかと感じると同時に、この報道が放つ印象が、あたかも長野市が情報を放置した、または隠蔽(いんぺい)したと解釈されることに 強い危惧を抱くところです。

私が思うに、今回のような(結界の恐れのある)事態の中で、市がそれ(決壊)を、いわゆる戦時下の大本営発表みたく「わが損害軽微なり」などと言う必要はまるで無いハズであり、市が意図的に決壊の情報を遅らせる理由が見当たらないのです。


この報道に対しては、正確な状況把握が必要と思います。

堤防が決壊した国交省職員が 長野市へどのような形で決壊を連絡したのか、正式な伝達ルートで いわゆる危機感をもって伝えたのか、そのうえで 片やの長野市職員は、どのような形で情報を受け、どのような形で関係方面に情報をつないだのか。

 

いずれにしても 堤防決壊は現前とした事実であり、刻々と変わる状況の中でことの推移についてタイムリーに市民に伝えることは行政の責務です。

それ(情報)が、行政単位(国・県・市)や 所管省庁など いわゆる「縦割り」の垣根を越えた中で適切に伝えられるべきことは論を待たないところですが、今回のケースは一体どのような状況だったのでしょうか。

 

 

私が最も心配するのは、今回の件で、市民 とりわけ被災者の方々の心の中に、市に対する「行政不信」が芽生えないだろうか、という点です。

 

今後の復旧・復興は、市民の自助努力だけでは難しくあり、一方で 行政主導で力づくだけで進めるべきでもありません。

そこには 究極の「官・民の協力と連携」が求められるところであり、そのために最も必要とされるのが「信頼関係」ではないかと強く認識するところです。

 

今回の件について 専門家は「堤防の決壊情報は速やかに発信されるべきで市の対応に問題はあるが、『避難指示』や『決壊のおそれ』など警戒を呼びかける情報はすでに出されていて、住民側も慎重に行動すべきだった。河川の情報を住民にどのように周知するのか自治体だけでなく国も含めた仕組み作りが求められ、行政と住民、双方が検証し今後の教訓とする必要がある。」と話していることが 併せて報じられています。

 

 

 

長野市においては くどくどと言い訳をせず、事実を事実と認め 直ちに謝罪のコメントを出していますが、いずれにしても 今回の件について一連の事実関係を調査し、市民の方々から あらぬ行政不信を抱かれることの無いよう心を配るべきと強く思ったところです。

 

 

 

 

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