先週週末19、20日、温泉と酒を愛する友人たちと車で、福島県の会津、喜多方方面に行ってきました。
1泊の酒蔵(さかぐら)巡りの旅です。
この辺りは、全国でも有数の酒蔵密集地なのです。
飯豊山(いいでさん)から湧き出す澄みきった水と、豊富な良質米が昔からあったからでしょう。
上の写真は猪苗代町から見た磐梯山。
あいにく二日間とも、天候には恵まれませんでした。
でも、友人の一人が運転の名手。車なので、酒蔵巡りをする分には、さほど問題ありません。
景観を楽しむわけでもなく、史跡を訪ねるわけでもなく、野口英世の足跡を辿るわけでもなく、ただひたすら酒の味を追い求めたいというわけです。
猪苗代湖です。
日本で4番目に広い湖だそうです。
(ちなみに1位は琵琶湖、2位は霞ケ浦、3位はサロマ湖)
ここは磐梯町の榮川(えいせん)酒造。写真の「ゆっ蔵」で、試飲と購入ができます。
左奥に小さく見えるのは工場。
入口にこんな看板がありました。
会津若松市まで行きました。
ここは末廣酒造。大きな蔵元で、たくさんの人が訪れていました。
観光バスの蔵元見学ルートにも組み込まれているようです。広い駐車場には大型バスが止まっていました。
外の土台石に、おじさんがひとり腰かけています。
いち早く試飲、購入をすませ、同行の人たちを待っているのでしょう。
末廣酒造の杉玉。酒林(さかばやし)ともいうようです。
こんな大きな杉玉を見たのは初めてです。直径が2メートル近くもあります。
末廣酒造から歩いていける鶴乃江酒造。
「鶴乃江」「会津中将」などの銘柄で出している蔵元です。
「壊れた春
起き上がろう
立ち上がろう
ガンバレ フクシマ」
「あせらないけど あきらめない
ゆっくりゆっくり
前へ前へ
鶴乃江酒造」
と書かれた色紙が、店内に掲げられていました。
福島は、今も原発事故とたたかっているのですね。
このあとも大きな酒蔵、「宮泉」「写楽」などを出している宮泉銘醸を訪れましたが、広い敷地を歩き、試飲・販売コーナーで試飲をしているうち、写真を撮るのを忘れてしまいました。(汗)
2日目は雨の中、喜多方まで足をのばしました。
上は大和川酒造店。「大和川」「弥右衛門」などの銘柄の醸造元です。
感じの良い若い女性が、われわれに蔵の案内をしてくれました。
寛政2年(1790年)の創業。この蔵元には幕末に建てられたという蔵がまだ残っています。
お酒の種類による精米・醸造方法の違いなど、知らなかったことが多く、ずいぶん勉強になりました。
大和川酒造店の試飲コーナー。
試飲は無料ですが、四合瓶で7,665円(一升で15,333円)の純米大吟醸「いのち」だけは、小グラスで400円の有料でした。
それを飲んでみると、純米酒だ、吟醸酒だ、生酒だ、甘口だ辛口だ、などという枠を超えた、控えめで素直なお酒でした。
洗練の極みとは、「素直」という形をとって表れるものなのかもしれません。
ここは小原酒造。
酵母にモーツァルトの名曲を聴かせ、醸造するというユニークな蔵元です。
女性に人気があるようで、若い(とはいえないかもしれない)女性の客でにぎわっていました。
「蔵粋(クラシック)」「アマデウス」「純米協奏曲」など、ここで出している銘柄のネーミングもユニークです。企業努力が感じられますね。
最後は「会津清川」「雪樹花(ゆきはな)」などの蔵元、清川商店。なんとここは創業350年とのこと。
通りに面した店舗のわきに、蔵につづく通路があり、その途中にも試飲・販売コーナーがありました。
70歳過ぎと思われる年配の男性がすわっています。
あとで店舗のほうで聞くと、この方がこの蔵元の社長さんとのことでした。
ほかにもこの旅では、稲川酒造(猪苗代町)、磐梯酒造(磐梯町)、夢心酒造、吉の川酒造、峰の雪酒造(以上喜多方市)も訪れましたが、これらは試飲と販売を積極的にはやっていないようでした。
これだけ回っても会津、喜多方地区の蔵元のごく一部です。でも、今回の酒蔵巡りの旅、これで十分に楽しむことができました。
わたしがお土産に買ってきたのは四合瓶三本。
左から弥右衛門純米吟醸山田錦、清酒清川、榮川特別純米です。
ゆっくり旅の思い出をかみしめながら、味わいたいと思います。