シップを貼りコルセットを装着し風呂上りには湧泉という足ツボを押さえること十数日。
その甲斐あってか、幾分腰痛が治まったように思える。
どれがどれだけ効いているのかはわからない。
治まったといっても静止状態から次の動作に移る際はまだビリビリ痛むのだ。
くしゃみをする時は要注意だ。
無防備にハックショーンなんてやってしまうとその衝撃で腰砕けになるほど痛くなる。
そこで前もって机やテーブルに両手を突いてくしゃみの反動を抑えなければならない。
その場に机やテーブルがない時は太ももに両手をあてくしゃみの衝撃を吸収してもよい。
土砂降りと言わないまでも強めの雨が降っていた。
歩道を歩いていた。
腰に気兼ねをしながらゆっくりと歩いた。
片手は傘を、もう片手は鞄を持っていた。
くしゃみが出そうになった。
両手は塞がり支えになるものはない。
くしゃみを我慢した。
鼻がむずむずした。
無防備にやってしまうと腰砕けになるのは必然だった。
我慢の上に我慢を重ねて帰路を急いだ。
しかし足取りはあくまでもゆっくりだ。
抑圧されたくしゃみ力は時の経過に比例して増加している。
鼻翼がそれを知っていた。
携帯が鳴った。立ち止まった。その時鼻がビクビクと痙攣しついに我慢の限界がきた。
へ、へ、へ・・・ヘェアーックション!!!
ガ━━(゜Д゜;)━━ン!!
腰砕けました・・・。