要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

PBRの価値はどこで発現するのか。

2010-11-06 09:27:38 | 投資日記


PBRの存在意義は企業価値の下限が知れるってところなんですが、本当に意味があるのでしょうか。PERやROEは役割がはっきりしていますが、PBRの場合は、そうでもない。確かに役割らしい役割はあるものの、その実現の頻度は低く、超えるべき壁も高い。

PBRが低い事は良い事だ。これは確かにそうだと思うけど、ではどう言う時にその利益を享受できるのか。そこで考え付いたのが下記の3点。

①当該企業はただちに解散した場合
いわゆる解散価値がプラスである可能性が高い。低PBRであればあるほど、この可能性は高い。

しかしながら、二つの問題点がある。

まず、資産構造によっては解散価値そのものが無い可能性がある。だから低PBRであっても、売却損の出やすい資産構造であったならば、資本は残らない。解散価値は残らない。

同じく、ただちに解散されなければ意味が薄れていく。長期で見れば全ての物事は流動的である。資産構造に関しても同じ。今は価値の出やすい資産構造でも、10年後も同じとは限らない。金があるから新しいビジネスでも、と始められ、大失敗を犯されればその分資本は吹っ飛んでいく。

②遊休資産を株主配当に充てた場合、多額の還元が得られる
これは確かにあるが、これも資産構造によって随分と変わってくる。特に、遊休資産の売却に際して特損を足した場合、配当をするかと言えば、おそらくしない。そんな無意味な投資をして、売却損出して金を返すような事をしていれば、株主から経営センスを疑われるだけ。だから、そんな事をせずに、水面下で遊休資産の消化(償却)をしていく道を選ぶ。遊休資産中の現金同等物の比率が高いのであれば、まぁありえなくはない。

さらに、基本的に配当は年間利益をベースに出すものであり、それを超過する配当はあまり聞かない。以前統計データで提示したけど、それを見た限り、そのような事を行っている企業は皆無であった。ただ自社株買いに関しては分からない。あれは突発的に数年分の利益を使ってやる会社も結構多いから、まぁ、やる可能性は高い。その意味では、原資になるかもしれない。

なので、還元原資として考えられるのは、資本簿価と時価総額のギャップか、現金同等物の量のどちらか低い方が、自社株買いを通して行われると言うのが一番妥当な還元なのかもしれない。とはいっても、自社株買いによる還元はは配当のそれに比べると全体として数分の一程度しかないのが実情ではないかと思う。

③不況期における増資耐性、倒産耐性
これは、低PBRと言うよりも、自己資本比率による影響の方が多いかな。



こう考えると、PBRっていうのは、何か意味があるのだろうかと思わざるを得ない。市場が完璧に機能してて、企業がしっかり還元してくれるのであればまた話は別なんだろうけど、今の日本にはそれは望めないんじゃないでしょうかねぇ。それいったらPERも意味なくなりますが。
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