二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第19節 岐阜vs京都

2011-07-03 | 蹴球

FC岐阜○3-2●京都サンガF.C.

■釣野伏
 つりのぶせり。薩摩の島津が得意とした戦術で、いわゆるところのカウンター。普通のカウンターじゃなくて、相手に「おや?手応えないな…」と思わせて深入りさせた所に伏兵置いて、しこたま叩く。世の中そんなに上手くいくはずは…と思ったが、今夜の岐阜はまるで釣野伏仕掛けてるんじゃないかと思うほどに見事な豹変ぶりだった。
 京都にとっては、序盤から優位にゲームを運べてしまったのが、終わってみれば「罠」だった。早い時間に2得点したが、チョンウヨンのミドル、CKから押し込んだ秋本のゴールともに、決して相手を崩してうばった1点ではなかったのだ。ところが、簡単に点を奪えてしまった。ここに慢心が生まれるのが人間の弱さ。優位なままに結構無理矢理な突破を試みたり、中盤で相手をルーズにしたり、かなり大雑把になってしまう。たぶんこれは岐阜側は意図した試合運びではない。しかし、京都は自ら精神的な破滅に近づくかのように、フラフラと相手の前に出た。簡単な言葉で言えば、「相手を舐めた」状態。岐阜が何度か槍を突き返すうちに簡単に失点を繰り返し、優位だったチームは破滅した。


■悪い意味で、青侍
 結局は「チャレンジャースピリット」を持ち続けられるかどうかなんだと思う。攻撃サッカーが機能しはじめて、見てて面白いサッカーになってきたと思ったらこの有り様。相手に挑みかかる気持ちを見せたプレーがいくつあっただろう?北九州や鳥取とやった時と同じで、明らかに相手がチャレンジしかかってきて、こちらは精神的に遅れを取っていた。
 それでも、2点取った時に「おいおい、おまえらちょっと待て。あまり深入りするでないぞ」と締められる武将…じゃなくてベテランがいたら違っただろう。
 若さは無限の魅力を秘めているが、無限の脆さを秘めていることも証明した一戦だった。



〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …いいセーブもあったが、最終ラインの崩壊を止められなかった。
酒井 4.5 …走り負けて相手左サイドにいいようにやられた。
秋本 5.5 …ゴールは良かったけど、守備は一歩遅れまくり。
森下 5.0 …完全にマーク外されてるシーン目立つ。2失点目とか。
チョンウヨン 5.0 …ゴール以外は悪い出来。バイタルをスカスカにしてしまった。
加藤 4.5 …何ともお粗末。ウヨンとの連携も悪すぎて、相手を自由に。
中山 5.0 …攻守に消えてしまった。まったく目立たず。
内藤 5.0 …守備の方で顔出してたが、攻撃で有効なパンチ出せず。
伊藤 5.5 …数少ないチャレンジが効いてた一人。枠に飛ばせば。
久保 5.0 …身体のキレが悪く、さすがに疲れていると感じてしまった。
駒井 4.5 …突破はほぼ中途半端で、後ろに戻す。それじゃ相手は怖くない。
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ドゥトラ 4.5 …何もできず。本当に何もできなかった。
安藤 5.0 …バタバタしていたゲームを落ち着けることができなかった。
中村充 5.0 …これまた何もできず。味方も彼の役割を理解してなかった。
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大木監督 4.5 …完全に采配ミス。2-0から勝てないのは言い訳できない。