二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

京都サンガ 2012シーズン サポーターズミーティング 祖母井語録

2012-02-12 | 蹴球
2011シーズンについてまとめようと思いつつもまとまらぬまま、2012年はスタートを切ってしまった…。もう後ろは振り返らない。未来を見て歩く。

本日は京都サンガのサポミを拝聴。相変わらず祖母井GMの話が面白かったので、語録としてまとめておきたい。と、その前に今井社長の話を掻い摘んでおくと、
●2億円強の債務超過を1年で解消できるのは間違いない
●クラブライセンス制度への対応は特に問題ない
●球技スタジアムについては現時点でクラブの関与なし

要点は以上3点。赤字体質からは脱却した模様。

それでは祖母井語録
●私は(ネット上の)書き込みすべてチェックしてますから
→今日の笑い所の伏線。ネットは楽しくやりましょう。ちなみに千葉時代は「負け試合の後に選手がパチンコ行ってた」って批判をチェックしてたのだとか。

●京都っていうのは“紫の襷”が本当にバトンタッチされていってたんかな?
→経営方針・補強方針に対して継続性がない事を指してると思われますが、まったくその通り。


●現地で500円のクロアチアワインが銀座で6500円、フランスで100円で買えるチーズが日本では1000円、それがビジネスとして成立する。

→この話の要旨は“眼力”。サッカーにも当てはまって、外国人を獲る時にはいろんな人のネットワークを通じて能力だけじゃなくて性格まで価値を見ぬかなきゃいけない、と。それで連れてきたのがバヤリッツァだけど、

●例えばヨーロッパから代表格の選手を連れてくることも可能だったんですよ
→おお、代表格の欧州助っ人!ただし、聞こえはいいけど日本に馴染むか?とかはわからない。今年は昇格のためにそういうリスクを避けなければならないという理由で日本のサッカーに慣れているバヤリッツァ。ただ、去年のアライールも日本に慣れてたはずなんだけどなぁ…。

●ディエゴ、前の監督は必要だったけど今の監督は必要ないってことは起こる
→要するに大木体制では構想外って事ですな。不運なのは仙台で出番がなくて、海外クラブの担当者が「動くディエゴ」を見れなかった事。「いろいろとお話はいただいていたんですけど」と言葉は濁したけど、流れたんだろうな。で、「また今、交渉中って状況」との事。

●大木さんは(私のキャリアでは)初めての日本人指導者なんですけど、一番好きなのは誠実なところ。表裏のないこところ。
●大木さんのやってるサッカーをサポートしたい。去年の今の時期の気持ち以上。
→祖母井さんといえば外国人だけど、結構大木監督には惚れ込んでるのかも?そりゃあの天皇杯みたら誰でもそう思うよねー。

●(選手は)最初から走れるんです、みんな。でも、どうプレーしていいのかわからないから走れない。
→これは去年序盤に「走れてないじゃないか」という声があった事について。そういえば私も書いてますね。大木監督に4.5とか採点してますもん。

●走るってのは陸上競技みたいに走る訳じゃない。相手がいる状況下の中で走らなければいけない。1人2人3人4人…と継続性が生まれて、最後の方は走れるように見えたでしょ?
→おっしゃる通り。祖母井氏のトークの特徴はまるで一人話芸のように自らクエスチョンを出して、続けざまにアンサーを入れてくるところ。この事についてのアンサーが興味深い。スタメン落ちして居残り練習してる酒井を例に出し

●出れない選手が「キミはこういうことが課題だよ」と言われて気付くのではなく、選手が感じなきゃいけない
→だから時間がかかるのだと言う。これは心の底から同感。サッカーだけじゃなくて社会のあらゆる事に適用できること。祖母井氏曰く「指示待ち症候群の人が多い」。いざというとき、マニュアルがないと動けない人なんて何の役にも立たんのよね。

●大木監督が絶対譲れない部分は攻守の切り替え。失敗した所からパッパッと切り替えられることが大事。
→ほっといて考えさせるという大木監督だけど、どうしても譲れない点。この部分のスピードや精度こそが、監督の戦術浸透度を測るバロメーター。観戦のポイント。

●1回チャレンジして躱されても2回3回チャレンジするのも(大木監督は)大事にする
→福村なんかがいい例でしょうか?ミスは多いけど、愚直に繰り返す。大木監督はそういう選手が好きみたいですな。

●大木さんのこだわりってのが理解できれば、(新加入選手は)早くチームにフィットできると思います。
→バヤリッツァ、長沢、原、ファン、松尾の名前を出しました。倉貫一毅に言及しなかったのは「大木さんのこだわり」を熟知してるから?ここから新加入選手を獲ったときの裏話

●原にも会いました。「祖母井さん、大木さんのサッカーできるかな?」「おまえそんな心配してるんか」「はい」横浜マリノスとの試合の翌日ですね。やっぱり強烈なイメージが(あったんでしょうね)。でも決めてくれました。チャレンジしようと。
→原一樹は“あのマリノス戦”の直後だったこともあり、自分がこのサッカーできるのか不安だったのだと言う。彼がいかに真剣にサッカーに向き合っているのかよくわかる。

●長沢は「いやー、やりたい!大木さんとやりたい」と即。
→祖母井氏はたまに落語家のように声色を変える。この時は“歓喜でうわずってる”ように。長沢本人もファン感など事あるごとに大木サッカーへの憧れを語っている。その分難しいことを原はわかっているから心配になって、長沢は純粋に憧れている。二者二様で面白い。

●ファン君。「ビッグなチャンピオンになったクラブ(柏レイソル)からオファー来て、(ネルシーニョ)監督と会食したり。それでも「私はサンガでやりたい」と(京都を選んでくれた)。
→大卒ルーキーのファンテソン。ネルシーニョ自ら獲りに来てるのを袖にしてまで京都を選んでくれた…何という未来有望な青年。

●松尾を含め「京都でやりたい」というのが皆
→魅力的なサッカーを続けていれば、カネの切れ目が縁の切れ目にならずに済む…はず。

●選手は試合に出なくちゃいけない。レベルは関係なく。試合・練習・練習・試合そういうリズムでやらなきゃいけない。

●若い選手には半年、一年間のブランクは致命傷になる。
→ユース上がりで1年で戦力外となった山田俊毅についての話から。これについてはJリーグがサテライトを廃止したことも関係してて、日本サッカーの構造的欠陥。セルジオ越後はBクラブ創設を唱えてたっけ?

●私たちはレッテルを貼ってはいけない。試合に出ることで(レベルアップして)戻ってきてほしい。
→佐川印刷にレンタル移籍した下畠翔吾について。祖母井氏は佐川印刷が「仕事をする」ことが魅力的なのだと言う。契約非更新となった加藤弘堅も「富山でがんばってまた戻ってきたい」と言って出て行ったのだとか。

●若い選手が注目浴びるのは問題無い。ただ天狗にならないようにしなきゃならない。
→活躍してる時はチヤホヤするけど、活躍しなくなったら「終わり」というレッテルを貼ってしまうマスコミ批判も入ってた…ように思う。

●水谷は去年で引退を考えていた

→おっと衝撃情報。勝てなかった時期の頃の話でしょうか?37歳で活躍してたグルノーブルのGKの話をして思い留まらせた模様。秋以降は吹っ切れて活躍し出したもんね。水谷でいくら勝ち点拾ったかわからない。

●GKは4人いる。なかなか出れない。これはこれからの課題
→特に年齢構成が若い方に偏ってるのが問題。

●(去年まで戦ってきた選手と)新しく来た選手との差は相当ある
→祖母井氏が鹿児島キャンプのvs甲府のTMを見た感想。すんなり行かないからこそ、フィットした時の破壊力は大きくなる。

●はい。ドゥトラは帰ってきましたんで。書き込んだ人いたら「ごめんなさい」と一言を。
→“書き込み”に対するアンサーで話にオチを付けて祖母井氏パートは終了。いや、枕とオチが同じってのもある意味高度な話芸。


…とまあこんな感じ。最後の方に海外クラブとの提携のこととジャッジに対する抗議などの考えも披露。全部は語らないけど、(知ってる人には)それとなくわからせる…ってやり方はあれですね。本歌取りの連歌とかと同じ。ちょっとクセがあるけど、やっぱり祖母井氏の話は面白かった。